つんく♂がプロデュースしたNICE GIRL プロジェクト!の研修生、ナイスガールトレイニー時代から共に歩んできたこぶしファクトリーの広瀬彩海と、つばきファクトリー小片リサ。すっかり大親友……かと思いきや、「仕事以外で会おうとはならない」という発言まで飛び出すほどの、近すぎず遠すぎない不思議な距離感。
そんな2人がこれまでの活動を振り返る。

──お2人はナイスガールトレイニー(NICE GIRL プロジェクト!研修生)時代からの盟友ですが、よく話したりしますか?

小片 会ったら、くらい……(笑)。

広瀬 わざわざ仕事以外で会おうとはなかなかならないんです。

小片 ならないね。だって、2人で遊んだことは?

広瀬 1回だけしかない。

小片 あったっけ? いつ?

広瀬 ディズニーアート展を見にお台場に行ったんですけど、私がチケットを忘れてしまって(笑)。で、その当時ラジオでお世話になっていた保田圭さんの誕生日か出産のお祝いを買いに行きました。あとはもっと昔にもう1回だけ、エヴァンゲリオンショップに連れて行かれたことがあります。

小片 へー。全然覚えてない。

広瀬 へーじゃないよ! リサちゃんが「これは第何使徒」とか教えてくれたのに!

──そんな関係性なんですね(笑)。そして2015年1月にこぶしファクトリーができて、先に広瀬さんがデビューしたときはどう思っていたのでしょうか?

小片 ハロプロ研修生に入ってすぐの頃だったので、やらなきゃいけないことがたくさんあった時期だったんです。
だから意識はしていたけど、自分のことで精一杯でした。

──広瀬さんは同年4月につばきファクトリーができたときはどう思いました?

広瀬 リサちゃんがデビューできることに対しての喜びがすごく大きくて。私はこぶしファクトリーになったとき、勝手にリサちゃんに気まずさを感じて、話しづらくなっていたところもあったんです。

──そんな時期があったんですね。

広瀬 結構気にしていました。アイドルを始めたのはリサちゃんの方が先なので、先輩というイメージがあったんですよ。だから自分が先にデビューするのは申し訳ないみたいな気持ちはありました。

小片 そうなんだ。私はそういうことは全然気にしてなかったな。そういう世界だし、むしろもっと頑張らなきゃいけないなって感じていたと思います。

──広瀬さんは、小片さんのデビューが決まってうれしかったということは本人には伝えましたか?

広瀬 おめでとうって言おうと思って電話したけど、「ごめん。今リハ中なの」みたいな感じでした(笑)。


小片 すごい。何でも覚えているね。

広瀬 普通だよ!

──お2人は正反対なんですかね。

広瀬 そうですね。なんなら見えない部分まで逆なんですよ。私は熱いって言われることが多いんですけど、心のどこかではスッと引いて見ているときもあるんです。一方でリサちゃんはドライに見えて心はメラメラしている。でもそれは絶対に表に出さないじゃないですか。そういうところも逆だなって思います。

──昨年5月に合同コンサートツアーが開催されたときはどんなことを思いましたか?

広瀬 単独でホールツアーをやりたいとずっと言っていたので、こぶし単独ではまだ力不足なのかなって悔しい気持ちもあったんですけど、やっぱりうれしい気持ちも大きくて。このときのことはさすがのリサちゃんも覚えていると思うんですけど(笑)、決まったのがハロー!プロジェクトのコンサートで大阪に宿泊していたときだったんですよ。で、翌朝にリサちゃんに会ったとき、ワーって腕を広げてハグを求めてくれたんです。
あのリサちゃんが!

──おお!

広瀬 そんなことは人生で2回目だったのでよく覚えています。

小片 確かにやりましたね。これは私も覚えているよ。

──ちなみに1回目は?

広瀬 こぶしのメジャーデビューが決まったときです。

小片 それは覚えてない。

──最高(笑)!

広瀬 ことあるごとにこの話をしているんですけど、毎回覚えていないって言われる(笑)。

──しかし小片さんがそういうリアクションをとることもあるんですね。

小片 純粋にコンサートが決まったのがうれしくて。つばきは初めての春ツアーが決定したときだったので、そのタイミングでホールにも立てるというのはすごいことだなと。そこでこぶしと一緒に、というのはうれしかったです。

──合同コンサートでは、広瀬さんと小片さんと井上玲音さんの3人でナイスガールトレイニーのナンバー『僕らの世代!』を披露しました。

小片 つばきのメンバーには今までで一番楽しそうにやっていたって言われました(笑)。
そんなつもりなかったんですけど、久しぶりに歌ったので当時の気持ちが蘇ったのかな。

広瀬 マネージャーさんにこの3人で歌うんだったらどの曲がいいか聞かれたんですよ。私は『僕らの世代!』しか思い浮かばなかったです。アイドルを始めて、最初のステージで歌った曲だから。当時ずっと歌っていたこの曲を、中野サンプラザの2200人くらいの人数の前で歌うというのは想像もしてなかったので感慨深かったです。

──そして、こぶしは近年アカペラに挑戦するようになりましたが、小片さんはそれをどう見ていますか?

小片 こぶしにしかできないことだなと思います。グループのカラーが出ていて、武器になっているのがすごいですよね。

──とはいえ、つばきの躍進があったからこそこぶしも新しいことに挑戦したという面もあると思うんです。

広瀬 そうだと思います。あるときからつばきが自分たちのカラーを確立させてガーッと駆け上がっていったじゃないですか。こぶしの5人にはヤバいという気持ちが少なからずあったと思うんです。こぶしはコミカルなカラーがあったけれど、メンバーが減って、今の5人はどっちかというとおとなしくて真面目な方。
なので、また新しくカラーを見つけていかなくちゃいけないというときに辿り着いた1つの形がアカペラだったので、そこはやっぱり関係していると思います。

──やはりつばきの活躍は気になりましたか?

広瀬 結成時期が近かったにしろ、私たちの方が早かったので、焦りみたいなものは常にありました。

小片 私たちはこぶしの方が先にできたけど同期という気持ちがあって。こぶしが先にメジャーデビューしたりとか、置いていかれている感じがずっとありました。いつも必死に追いかけているというか。同じファクトリーという名前である以上、意識せざるを得ないので。

──それは今も変わらずですか?

広瀬 常にですね。私たちがやってないことをつばきがやったとか、出たことない番組に出ていたりすると私たちも出たいなって思います。この前つばきは、「喫茶カメリア」をやっていたじゃないですか。モーニング娘。さんとかアンジュルムさんがカフェをやると聞いても、「先輩たちすごいな、私たちもいつかできたらいいな」くらいにしか思わないんですけど、同期のグループがやると、頑張れば私たちもできるんだって思えるんですよね。


──カフェは気になりますか。

広瀬 なります! ただ、こぶしってカフェって柄でもないんですよね(笑)。ラーメン屋とかの方がこぶしっぽいんじゃないかなって。私たちがカフェをやってもどうせメニューにラーメンがありそうだし(笑)。でもつばきの動向はいつも気になります。先日までサンシャイン劇場で舞台やっていたのとかすごいなって。

小片 それは私たちも一緒。ホールコンサートをやっているのもいいなと思いましたし、あと音霊に毎年連続で出ているのもすごいなって思う。

──確かに音霊の熱いステージはこぶしのカラーに合っていますよね。

広瀬 ありがたいことにこぶしは4年連続で出させていただいています。こぶしと℃-uteさん、こぶしとアンジュルムさん、こぶしとJuice=Juiceさんみたいな感じで。だからこぶしの枠はどこにも渡したくないって気持ちはあります。毎年、音霊の発表あたりの時期になるとメンバーみんなソワソワしています。今年はつばきとJuice=Juiceさんになったらどうしようとか(笑)。

──お話を聞いていると、これぞライバル関係という感じがしますね。

広瀬 ただ、つばきにいいことがあったとしても、妬ましい気持ちにはならないんですよね。うれしいことは一緒に喜んで、自分たちも同じところに立ちたいって思える。

──ハロー!プロジェクトの中で少しずつ先輩の立場になっている点についてはいかがでしょうか。

広瀬 グループで考えたらBEYOOOOONDSが一番後輩ですけど、モーニング娘。さんやアンジュルムさんの中にも、加入時期でいえば私たちの後輩はいるわけじゃないですか。そう考えると私たちはハロプロの中では真ん中くらいなんですよね。

小片 つばきはグループとして一番後輩だった時期が長かったので、BEYOOOOONDSができて、たくさん後輩が入ってきたとしても、自分たちはまだまだっていう気持ちしかなくて。もっと先輩らしくしていかなきゃって思っています。

広瀬 BEYOOOOONDSの中にも一岡伶奈ちゃんとか、私より先にハロプロ研修生に入っていたメンバーもいるし、高瀬くるみちゃんとかは私たちとほぼ同期なんですよ。なので、ものすごい後輩っていう感じもないんですよね。

──年齢が近いメンバーも多いですもんね。

広瀬 そうなんですよね。新人の頃はスタートダッシュが肝心だと思っていましたけど、こぶしもつばきも安定してグループの良さを出せるようになってきたので、いい意味で昔ほど競い合うのではなく、バランスの良いライバル関係になれてきたのかなと思ったりします。

──そして今年のTIFへの出演についてはいかがでしょう?

広瀬 私とリサちゃんと玲音ちゃんはトレイニー時代も含めるとだいぶ出ているんですよね。8年連続くらいになるのかな。ここまで来るとこれから先も意地でも出たい。あと2年くらいは出たい(笑)!

──時期的に夏のハロー!のコンサートと重なりますが、大変ではないですか?

小片 そこはあまり気にしたことないです。3日間のうち、私たちの出演は1日だけのことが多いので、今日1日はTIFの日だっていう感じで切り替えられています。

広瀬 こぶしとつばきは対バンイベントに出ることも多いので慣れているというのもあるのかも。

──そろそろ締めになりますが、今後、2人の関係はどうなっていくのでしょうか? 果たして3回目の遊ぶ日は来るのかという……。

広瀬 私、つばきの舞台が終わったら遊ぼうよって声をかけたんですよ。ただ、それが実現するかは謎です。

小片 今までも「遊ぼう」「いいよ」ってやりとりはあった気がしなくもないね。「暇なとき連絡するね」って言ったきりだけど(笑)。

広瀬 相手がキチッと予定を立ててくれる人だったらいいんですけど、スケジュール帳を照らし合わせてお互いが合う日を探すところからやらないといけないじゃないですか。

小片 分かる。それがめんどくさいから私はいつも1人でどっか行っちゃうんです(笑)。一度だけ頑張って「何日空いている?」って聞いて、それがダメだったら諦めます(笑)。

広瀬 リサちゃんとは仕事仲間としてしか接してこなかったので、積極的に遊ぶっていう発想がないんですよね。なんというか……リサちゃんと遊ぼうってあんまりならない(笑)。

小片 うん。友達って感じがしない。

──ストレートな表現! 小片さんはよく遊んだりする人はいますか?

小片 いません(笑)。でも、あかねちん(羽賀朱音)とはたまに遊びます。それこそ「何日と何日と何日が空いているよ」って聞いてもいないのに教えてくれるんですよ。「へー、そうなんだ」って返しますけど。

広瀬 ヤバイ。そんなこと言われたら私、一生誘えなくなる!

小片 私の気が向いて、そういえばこの日空いているなっていうときに連絡をして、遊んだりします。

広瀬 そのシステムすごい……。私も頑張って1年以内にリサちゃんと遊びたいと思います(笑)。
▽広瀬彩海(ひろせ・あやか)
1999年8月4日生まれ、神奈川県出身。O型。ニックネームは「あやぱん」。こぶしファクトリーの頼れるリーダー。アイドル好きなことでも知られており、気になった子には積極的に声をかける。こぶしファクトリーオフィシャルInstagram:kobushifactory_official

▽小片リサ(おがた・りさ)
1998年11月5日生まれ、東京都出身。A型。ニックネームは「りさまる。」。つばきファクトリーのしっかり者のサブリーダー。ただし気分屋なため、メンバーも「謎すぎる」と口にするほど。つばきファクトリーオフィシャルInstagram:tsubakifactory_official
▽「Hello! Project 2019 SUMMER beautiful/harmony」が7月13日(土)上野学園ホール(広島)よりスタート

2人の対談は前ページまでで終わりだが、このページではボーナストラックとして2人が「最近ハマっているもの」をそれぞれに語ります。

広瀬彩海が最近ハマっているのは<オレンジジュース>
ハマっているもの……何だろう? あ、オレンジジュースです! 年齢なのか、最近、胸焼けと胃もたれをすぐ起こすんです(笑)。昔は朝から甘いものをガンガン食べていたんですよ。フレンチトーストとか。でも今は重ためのチーズリゾットとかを食べるとすぐ胃もたれしちゃう。牛乳がすごく好きでよく飲むんですけど、それも胸焼けするようになっちゃって。なので、胃もたれした朝はオレンジジュースを飲んでいます(笑)。経口補水液とかも試したんですけどダメでした。オレンジ以外受け付けないって胃が言っているので、ずっとオレンジを飲んでいます。

小片リサが最近ハマっているのは<食パン>
気になっているのは食パンです。こないだ、「乃が美」の高級食パンを初めていただいたんですよ。ずっと気になってはいたんですけど、私は行列に絶対に並びたくないタイプなので食べたことがなくて(笑)。それで、たまたまいただいたときに、これはすごく美味しいぞということに気づいて。トーストしないで食べるんですけど、耳が美味しかったです。それからちょっとしてから、あかねちんに違うお店の食パンをもらったんです。それもすごく美味しくて。これはちょっと色んなところに行って食べてみたいなと思って、どこがいいだろうって検索したりしました。
編集部おすすめ