2016年、AKB48第16期生オーディションに合格。2017年12月8日に正規メンバーに昇格すると、2022年3月25日にAKB48を卒業するまでチームKの一員として活躍した安田叶。
現在は元NMB48矢倉楓子と共に、新規アイドルユニット2組をプロデュースする「kawaii land プロジェクト」にプロデューサーとして携わっている彼女に、AKB48を卒業した理由や、セカンドキャリアを中心に話を聞いた。

【写真】5年間AKB48メンバーとして活躍した安田叶 撮り下ろし写真【8点】

小学3年生の頃からAKB48の大ファンになり、握手会やコンサートに足繁く通っていた安田は、AKB48が初めて東京ドームのステージに立った2012年8月24日開催の「AKB48 in TOKYO DOME ~1830mの夢~」初日公演を観て感銘を受け、「私も人を笑顔にするお仕事をしてみたい」とアイドルを志す。

「いろいろなオーディションを受けたんですけど、なかなか合格できず、中学3年生の夏に最後のチャンスだと思って受けたのが『第16期生オーディション』でした。それに合格したので、芸能系の高校に進学して、AKB48の活動をメインにした日々が始まりました」

年長から小学6年生まで続けたチアリーディングと、中学時代からAKB48加入まで2年間続けたヒップホップの経験を活かしたダンススキルで、研究生時代から存在感を示した。2017年12月8日に正規メンバーに昇格すると、ダンスの難易度が高いことで知られるチームKに所属。安田自身、チームK所属を熱望していたので、念願が叶った昇格だった。その後、順調にアイドル人生を送っていた彼女は、高校3年生の進路選択で大きな決断をする。

「ギリギリまで高校卒業後の進路を迷っていたんですけど、1月にダンスの専門学校に行こうと決めました。ありがたいことに『ダンスが上手い』と評価していただいていましたが、あくまでAKB48の中でのことですし、実力がないことも自覚していました。外の世界に出たら通用しないのは分かっていましたし、それが悔しくて……。ダンスが好きだからこそ、もっと極めたいなと思って決断したんです」

専門学校ではヒップホップやジャズ、バレエなど、幅広いジャンルを学んだ。

「有名な先生たちが揃っていましたし、当然のことながら生徒も上手い子しかいないので、たくさんの刺激をもらえました。
出会いにも恵まれて、私がお仕事で学校に行けない日は動画を送ってくれたり、分からなかったことを教えてくれたり、人の温かさにも触れることができました。ちょうどコロナ禍になってしまい、家で過ごすことも多かったんですけど、その時期はお家でダンスの練習をしたり、SHOWROOMの配信をしたりと、やれることを頑張って。AKB48もダンス曲が増えていたので、専門学校で学んだことも活かすことができました」

コロナ禍になって、将来について考える時間も増えた。2022年は二十歳になる節目の年で、専門学校も卒業する。

「1年ぐらい、ずっとAKB48を卒業するタイミングを考えて、家族やマネージャーさんにも相談していました。その時に、もっとダンスを極めたいという気持もありました。同時に、外に出ないと学べないこともあるし、一歩外に出ることによってたくさんの方に出会える可能性もあるし、刺激をもらうことも多いのかなと思ったんです。AKB48の活動は楽しかったけど、どこかで区切りはつけなきゃいけないと思って、成人を迎える今だと思って卒業を決断しました」

2022年3月24日に開催した卒業公演は様々な思いが溢れた。

「ずっと好きだったグループに入って活動できていたこと自体が夢のような時間だったので、本当にあっという間の5年間で。この日でメンバーと一緒に活動できるのも終わりだと考えると、寂しさと楽しさといろんな感情が混じって……。しかもメンバーが泣いている姿を見たら堪えきれずに涙が出ました。自分の卒業公演では、絶対に春ソングの『桜の木になろう』を歌おうと決めていたんですが、その夢も叶って最高の一日でした」

AKB48卒業後は表に出る仕事はせずに、自分を見つめ直す毎日だった。


「ダンスを続けながら、一旦アイドルからは離れて、今までやってこなかったことに挑戦しようとアルバイトをしながら、自由に自分がやりたいことをしながら楽しく過ごしていました。この1年間、何をしてたんだろう? って不思議なくらい1日が早くて。今までとは全く環境が違うので、接客だったり、言葉遣いだったり、新たに学ぶことも多くて。

そこで、改めてAKB48ではすごく恵まれた環境にいたんだなっていうのを実感しました。グループで活動していると、マネージャーさんを始め、スタッフの方々がいろいろなことをやってくださっていて。当たり前ですがAKB48を卒業すると、全てを自分でやらなきゃいけないので、それまでいた環境のありがたさを感じました」

AKB48を卒業して約1年、知り合いを通じて元NMB48の矢倉楓子と共に、新規アイドルユニット2組をプロデュースする「kawaii land プロジェクト」にプロデューサーとして参加しないかという打診を受ける。

「ずっとAKB48の大ファンで、いつしか自分もアイドルになりたいと考えて、その夢が実現して、憧れだったチームKに所属して。その経験を活かして教えられることもあるんじゃないかなと思っていたんです。そんな時に今回のお話をいただいて、チャレンジしようと参加を決めました。『kawaii land プロジェクト』で私が目指すのは『本格派ボーカル&ダンス・ガールズグループ』。

小さい頃からチアリーディングやヒップホップをやったり、AKB48の活動をしながらダンスの専門学校に通ったり。今でもパフォーマンスをするのが大好きなので、歌やダンスが好きな子を集めて、パフォーマンス重視のグループを作っていきたいです」

今回のプロデュースも含めて、今後は表舞台に出る人たちを支える立場になっていきたいと考えている。


「ステージに立つこと、パフォーマンスをすることが大好きなので、ダンスのお仕事に関わっていきたいですし、人を支えるお仕事にも興味があります。アイドル経験を通して、自分がステージに立つよりも、人を裏で支えるほうが向いているのかなっていう気持があって。だから今回の『kawaii land プロジェクト』に参加したのもあります。まだまだ、そこまでの実力ではないかもしれないですけど、ゆくゆくは結成するグループの振り付けも担当したいですね」

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