【写真】高いプロ意識を見せた、小田さくらの撮りおろしカット【10点】
──小田さんは先輩とも後輩ともうまく付き合っていて、俯瞰から物を見ているイメージがあるのですが、そこと猫を飼っていることの関係はあると思いますか?
小田 私自身がそうなのかははっきりわからないんですけど、他人の気まぐれに対して優しかったりする兄を見ていると、私にも猫と育った影響は出ているんじゃないかなと思いますね。そもそもの性格もあるかもしれないですけど、兄はすごく理不尽なことにも対応できるだろうし。
──小田さんは理不尽なことに怒ったりしますか?
小田 大人になってからは「これに耐えることがグループのためかどうか」という話になってくるので、「この理不尽を飲み込むことでモーニング娘。が雑に扱われてしまうかもしれない」と思ったら「これは変だ」と人に言ったりすることは増えたけど、基本的には「そういう人もいるよな」「自分はこういう思いを人にさせたくないな」と思って終わることが多いです。
──そこで怒らないのは、怒っても仕方がない猫たちと一緒に過ごしてきたからなんでしょうか。
小田 そうですね。猫だったら、何をしてもこっちが悪いじゃないですか。だからまず自分が何をしたかを考える癖はあります。人とうまくいかないことがあったときも、「あの人ひどい」じゃなくて「何をしたからこういうことを言われてしまったんだろう」と考えることが多いのは、もしかしたらそういう思考の流れが癖付いているのかもしれないです。
──信頼関係を築く中で、人でも猫でもなかなか心を開いてくれないことがあると思うのですが、小田さんだったらどう近づきますか?
小田 その人にとって空気のようになって、いてもいなくても変わらない人になるように努めることが多いかもしれない。
猫に対してもそうです。心を開かない猫に対してはちょっと距離を置いて隣に座ってスマホをいじって、でも触りはしないみたいなことをします。無言で、ただなんとなく近くにいる人になるんですよ。
「あ、大丈夫なんだろうな」と思ってくれるのを感じたら、人に対してはまず頼ること。自分が不安に思っていることや「これって◯◯だっけ?」「何時からだっけ?」と簡単なことを聞いたりしますね。猫の場合は手の甲とかを出して自分の匂いを嗅がせて、猫が手に顔をこすりつけてこない限りは触らないです。
──待つのが大事と思いつつも、例えば新人が入ってきたり、新しい家族ができると構いたくなりますよね。
小田 そうですね。私も新人に対してそうで、でも絶対に他の人からもいろいろ詰め込まれているはずなんですよ。
──最近モーニング娘。’23にも新メンバーが入りましたが、おふたりに対してもそうなんですか?
小田 そうですね。撮影をしていて、すぐに実践できることは言ったりするけど、スタンスやモー娘。のルールの話をすると、他の人からも詰め込まれているから覚えられないと思うので、それは教育係と呼ばれている子に任せたり、もしくは大人が教えることだから関わらないでおいたりします。
──言おうと思ったら、いくらでも話せてしまいますもんね。
小田 本当にそうなんですよ。でもそうしたら私もどきみたいな育て方をしちゃうじゃないですか。そうしたところでその子のよさを潰すとしか思えないんですよ。だからその子らしく育ってくれればと思っています。
──では、もしもモーニング娘。
小田 羽賀朱音ちゃんはモーニング娘。’23の中でもバランサーというか、メンバーとの距離感のバランスをすごくうまく取っている子なので、猫になったとてそうなんじゃないかな? ちゃんと我が家のお姫様・セイラちゃんを立て、ちゃんと吉の遊び相手をして、ちゃんとクマと戦い、ちゃんとのぶおにくっついて寝てあげるみたいなことができるんじゃないかなと思いますね(笑)。
──逆に合わなそうな方はいますか? やっぱりセイラさんと合うかどうかが大事ですよね。
小田 本当に、石田(亜佑美)さんだと思います(笑)。すごく素直な方なので、猫・石田さんがセイラちゃんを心から可愛いと思うことができたらうまくやっていけます。でも万が一、「本当にこの子がトップオブトップか?」とちょっとでも思ってしまったらうまくやっていけないんじゃないかな。そもそも猫っぽい人ですし、自分の気分に正直なので、そういう人がうちの正直な猫たちとつるんだらいろいろ大変そうです(笑)。波長が合えば親友になるし、0か100という感じですね。
(取材・文/東海林その子)
▽小田さくら(おだ・さくら)
1999年3月12日生まれ、神奈川県出身。A型。モーニング娘。11期メンバーとして加入、グループきっての歌姫として活躍している。
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