高橋海人&森本慎太郎のW主演で話題となった『だが、情熱はある』(日本テレビ系)で、2人に負けじと存在感を放っていた富田望生。同作では南海キャンディーズ・しずちゃん役を務めたが、中盤からの出演にもかかわらず見事に作品になじみ、視聴者からも絶賛されていたのが記憶に新しい。
今回は、そんな“名バイプレイヤー”と呼び声の高い富田について、出演作や過去のインタビューなどをもとに深掘りし、最近ラジオでみせた新たな一面についても紹介したい。

【関連写真】高クオリティで話題、富田扮する南海キャンディーズ・しずちゃん

『だが、情熱はある』は、ザテレビジョンが2023年4~6月放送ドラマを対象におくる「第116回 ザテレビジョン ドラマアカデミー賞」で最優秀作品賞を受賞。オードリー・若林正恭と南海キャンディーズ・山里亮太の半生をもとにした同作は、主演の2人の細部まで妥協しない演技研究はさることながら、作品に込めた熱量が評価され、最優秀作品賞のほか、主演男優賞(高橋海人)、監督賞、ドラマソング賞、そして富田が受賞した助演女優賞と、5冠を達成した偉大な作品だ。

富田は連ドラには多数出演しているが、今回の受賞は初。「しずちゃんよりも小柄だが、醸し出す空気や話し方で寄せてきた」と高評価を得た。実際にしずちゃんからもらった言葉をお守りに撮影に臨んでいたという彼女。
受賞インタビューでは「私たちもものすごく情熱を持ってやっていましたが、情熱を持って見てくれた人が多かった」「助演女優賞はもちろんですが、作品賞を受賞できたことが最高にうれしい」と話していた。

受賞インタビューでは「(最初に監督とプロデューサーさんにお会いした際に)声質や体格など、私としずさんの違うところもどんどん指摘されました。でも、その言葉ですごく燃えましたし、さらに覚悟が決まった」「南海キャンディーズのネタを延々と見続け、バラエティー番組に出演されている映像も片っ端から見て、しずさんの口調や話すスピード、笑い方、目の動きなどをたたき入れていった」と話しており、負けず嫌いの一面も見せている。

そんな富田は、2019年『3年A組-今から皆さんは、人質です-』『なつぞら』、2020年『教場』などのテレビドラマや、2017年『あさひなぐ』、2018年『SUNNY 強い気持ち・強い愛』などの映画にも出演してきた実力派のカメレオン俳優。俳優デビューは、宮部みゆきの長編ミステリーを実写映画化した『ソロモンの偽証』シリーズで、役作りのために15キロも体重を増やしたという努力家でもある。

そんな俳優としての富田が、2023年7月15日、ニッポン放送が送る『オールナイトニッポン0(ZERO)』の週替わりパーソナリティに抜てきされた。
ラジオのパーソナリティを務めたのは約3年半ぶりだったというが、そこで彼女の新しい一面を知ったリスナーもいたはずだ。

番組では、冒頭から『だが、情熱はある』で共演した森本慎太郎に物申したり、南海キャンディーズ・しずちゃんからサプライズで届いたコメントに反応したりと耳を離すことができない内容ばかり。しずちゃんからのコメントに感動して号泣、豪快に鼻をかむ場面もあり、飾らない姿もみせていた。

そしてさらに盛り上がったのが、番組内で行われたカラオケ。声がかわいいと言われる富田が熱唱した中島みゆきの『化粧』や、相川七瀬の『夢見る少女じゃいられない』に、「心に響いた」と感動するリスナーが多数、「ラジオを聴いてもっと好きになった」という声もあがっていたほどだ。飾らない姿、誠実さ、温かい心根……目を引く俳優であることには理由があるのだと納得するのには十分すぎる2時間だったと言える。


『だが、情熱はある』で改めて演技力や熱量を評価された富田。最近では、8月30日に公開された東京都出身のシンガーソングライター・someiのデビュー曲『憂う門には福来たる』のミュージックビデオに出演。厳しいアシスタント業務をこなしながらプロのカメラマンを目指す主人公・ヨシノを演じている。音楽も好きだという彼女、これからもさまざまなメディアを通して新しい一面が見られることに期待したい。

【あわせて読む】『だが、情熱はある』しずちゃん“完コピ”で話題、富田望生というカメレオン女優の凄み