2000年代半ばにグラビアデビューすると、あどけない顔立ちと、小柄ながらもメリハリのある肉感的なボディーでブレイク。人気グラビアアイドルとして活躍する一方で、明るいキャラクターがお茶の間に受けてバラエティーでもひっぱりだこ。
さらには俳優としても、ドラマ・映画・舞台と数多くの作品に出演したたしろさやか。2017年よりフリーランスとなり、最近はTikTok動画がじわじわと人気を集めている。小学生の頃から芸能以外の道を考えたことがなかったという彼女に、波乱万丈な半生を振り返ってもらった。

【写真】まだまだグラビアに意欲的なたしろさやか 撮り下ろし写真【7点】

俳優活動を本格化させようと、30歳になったのを機にフリーの道を選んだたしろ。事務所にいた頃からの繋がりで、舞台や映画の仕事はあったが、なかなか思うような結果が出なかった。フリーになって早々にギャラの未払いトラブルにも巻き込まれて前途多難だった。


ホリプロのときは給料制だったので、お金周りのことは全部会社に丸投げしていたし、世の中に未払いなんてあるんだ、やっぱりフリーって大変なんだと身に沁みて感じました。未払いに関してはホリプロ時代にお世話になった制作会社だったので、当時のマネージャーさんに相談したら、電話をしてくれて。分割払いではありましたけど無事に解決して、ありがたかったです。正直、ギャラは言い値と言いますか、私の今の価値はこうなんだと受け止めるきっかけになります。その価値がどんどん上がっていけば、それなりのギャラをいただけると思うし、やりがいにもなりますね」

2020年、関西ローカルのドラマで主演のオファーを受ける。ところがコロナ禍で撮影は無期限で延期になってしまう。


「撮影期間中の予定を開けていたのに、お仕事が一切なくなって途方に暮れていたら、知り合いから、『ポコチャ(Pococha)という配信アプリがあるんだけどやってみないか』と声をかけていただいて。それまで配信アプリの存在すら知らなかったんですけど、私にとって表舞台のうちの一つだと思って始めてみたら、これが大きかったんです。

それまでイメージDVDや写真集の発売イベントぐらいしか、ファンの方とお話する機会がなかったので、すごく楽しくて。これまでのファンはもちろん、ポコチャで私を知ってくれて新たなファンもついてくれました。ポコチャでは私の中で“明るく楽しくピンク枠”というモットーを決めていて(笑)。グラビアをやってきたのが強みになっていますし、それを楽しんでくれるリスナーさんも多くて、今もポコチャは基本毎日続けています」

フリーになってからはAbemaTVの麻雀番組出演を始め、麻雀関係の仕事も増えた。


「ホリプロを辞める直前ぐらいに、私と小島瑠璃子ちゃんで一緒にやっていた『田代県立小島高校』(アイドル専門チャンネルPigoo)という番組で、プロ雀士になろうという企画があったんです。そのときに初めて麻雀のルールを知って、やってみたら、めちゃくちゃ面白くて。もちろん1回の企画でプロになれる訳はなかったんですけど、プライベートでも麻雀をやるようになって。

今はMリーグもあって、タレントからプロ雀士になる方も増えましたが、私が麻雀を始めた7、8年前は、まだ麻雀を打てる女性タレントは珍しかったんです。打てたとしても公言している人が少なかったので、自分の特技として活かせると思って麻雀が好きですと口に出していたら、麻雀の番組に呼んでもらえるようになって。2019年と2020年には『新春オールスター麻雀大会』(AbemaTV)で決勝まで進出しましたし、麻雀店のイベントなどにも呼んでいただけるようになりました」

ポコチャと麻雀が、さらに新たな仕事を引き寄せた。


「たしろさやかと麻雀が打てるという、麻雀店のイベントがあって。私のポコチャのリスナーさんが来てくれたんですが、その方のご家族がオートレースの番組に携わっていて、『良かったらオートレースの番組に出てみませんか?』と繋いでくださったんです。リスナーさんからお仕事をいただいた珍しいパターンです。振り返ってみると、私は人の縁に恵まれているんですよね。2021年に出したデジタル写真集『愛の波濤』も、編集の方が、過去に私が伊集院光さんのバラエティー番組に出ていたのを見て、いずれ一緒にお仕事をしたいと思ってくださったらしくて、このタイミングで声をかけていただいたんです」

デジタル写真集『愛の波濤』は、たしろにとって9年ぶりのグラビア挑戦だった。

「写真集の撮影に初めて体を絞りました。
もともと二十代の頃よりは5,6キロ体重が落ちていたんですけど、痩せようというより、引き締めることを意識しました。9年ぶりですけどブランクは感じませんでしたね。俳優をやりたいとホリプロを飛び出したんですけど、やっぱり私はグラビアに向いているんだなという感覚がありました。ニーズがあれば、これからもグラビアはやっていきたいですね」

今年4月1日からはTikTokを始めて、精力的に更新している。

「周りからは早く始めたほうがいいと言われていたんですけど、何かきっかけが欲しいなと思っていて。キリよく年度始まりの4月1日に始めました。
TikTokのモットーは“エロ面白い”。お尻でも、胸でも、出せるところは全力で出していこうと(笑)。あとは基本的に同じ音源を使わない、なるべく同じ服装をしない、撮り溜めをしないという自分内ルールを設けています。

ただ自分では渾身の動画で絶対にバズると思ったらスコーンと滑ることもあるし、逆に『こんな動画がバズるの?』みたいなこともあります。自分の思惑と、求められているものに差があって、難しいなと思いつつ、すごくやりがいがありますね」

今後も俳優業をベースに起きつつ、麻雀、オートレース、さらにパチンコなど、ギャンブル系の仕事にも力を入れていきたいという。

「お芝居に関しては、コロナ禍でもレッスンに通い続けていましたし、どんな状況でも準備を怠らないのがプロだろうというのが自分の中のモチベーションでした。ドラマの撮影が延期になってしまったときも、また次に使っていただけるかもしれないと前向きに考えました。私は馬鹿ポジティブなんですよね(笑)。

いろんなお仕事をさせていただいていますが、私の中で一貫しているのは、私と関わった人たちには、いつでも笑顔でいてほしいということ。だから、これをやりたい、あれをやりたいと自分から仕事を選ぶのではなく、面白い、楽しいと感じてもらえるのであれば何でも挑戦したいですね」

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