25周年を迎え、盛り上がりを見せているハロー!プロジェクト。実に2000曲以上ともいわれる膨大な音楽を創作し続けてきたが、今夏にかつての楽曲のMVを大量にYouTubeのアップフロントチャンネルで公開を始めた。
ハロプロ黄金期のアイドルたちの意外な共演や、その後のハロプロを支えたエースたちの若き日も見ることができる。公開された映像と曲の中から、とりわけ貴重なお宝シーンをピックアップしてみたい。

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子どもたちの人気者だったミニモニ。やW(ダブルユー)に続いて、00年代後半に新しく子どもの憧れになったのが、モーニング娘。久住小春だった。2006年にアイドルアニメ『きらりん☆レボリューション』で月島きらり役で主演声優デビューすると、「月島きらり starring 久住小春」名義で『恋☆カナ』にはじまる作品の主題歌をリリースしていく。

これが久住のソロ活動の始まりだが、『きら☆レボ』と連動した彼女の活動はさらに広がっていく。作中で月島きらりと観月ひかるがユニットを結成すると、観月役の萩原舞とリアルでも『きら☆ぴか』を組み、『ふたりはNS』『はなをぷーん』をリリース。まだハロプロキッズメンバーだった北原沙弥香・吉川友とも劇中と同じユニット『Milky Way』を組んで『アナタボシ』『タンタンターン!』(2008)の2曲を歌っていた。これら月島きらりとしてのソロ曲や、ユニット曲のMVもしっかり公開されている。

 
ハロプロとアニメのタイアップは本作の後にも『しゅごキャラ!』などでのケースがあるが、現役メンバーが声優としても出演していたのはこの『きらりん☆レボリューション』だけだった。声優として演じ、キャタクター名義で歌って踊るというアイドルアニメに定着した方程式を先取りしたような久住の活躍を、アップフロントグループはしっかり歴史の1ページに加えてくれている。

ハロプロに通底する、独特な曲のネーミングセンスや奇抜な衣装のセンス、いわゆる“トンチキ”な楽曲のMVも公開されてきた。その極致ともいえるのがハロプロ研修生による『おへその国からこんにちは』(2013)だろう。今夏に一挙公開されたMVの中では、最も新しい曲になる。

歌はいきなり浜浦彩乃の「なあ、みんなへそんとこよろしく!」との台詞で始まり、「おへその国」とは一体なんなのか?との疑問が頭の中をぐるぐるしたままリスナーは曲の中毒性に絡め取られていく。とはいえファンにとってこのMVがたまらないのは、デビューした多くのメンバーの研修生時代の姿が見られること。既存グループに昇格したメンバーもいれば、こぶしファクトリーつばきファクトリー、BEYOOOOONDSの創設メンバーになった研修生もMVの中で踊り、時にカメラでアップされて笑顔を見せている。

牧野真莉愛・佐々木莉佳子・段原瑠々・井上玲音・山岸理子・一岡伶奈…すっかり各グループの核になった彼女たちがまだアイドルの卵だった時代のことや、デビューせずにハロプロを離れたメンバーの存在も動画で思い出すたびに、ハロプロファンは感慨にひたれるのだろう。

四半世紀の歴史を重ねて、親子二代のファンも珍しくなくなったハロプロ。数多くの楽曲が現役メンバーによるライブはもちろん、ファンによる非公式のイベントやネット上でのコピーダンスでも継承されてきた。今回公開された楽曲は、トータル2000曲以上のハロプロ楽曲のまだまだ一部だが、それでもメンバーの表現力や音楽性の多彩さ、年月を経ての成長ぶりなど発見づくしで好奇心は尽きない。
これこそがハロプロが25年間続いてきた魅力の源だろう。
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