【写真】辰巳奈都子のエレガントな撮りおろしカット【10点】
「“グラビア卒業”とか“芸能界復活”とか言われることが多いんですけど、自分としては別にお仕事から離れたいと思ったわけではないんです。単純にお仕事が減っちゃったというのもあるし、私も性格的にもがくことができなくて……。のほほんとしているというか、『石に噛り付いてでも!』ってガツガツできない。何をやっても悲壮感が出ないのが一番の悩みかもしれませんね(笑)。
バラエティに出るのも簡単ではなくて、出演が決まるまでは、事前のアンケートの段階で出演見送りになるようなことが続いていたんです。そうすると自分の中でもお仕事に対するモチベーションが下がっちゃって、だったら私生活を充実させようと躍起になった時期もありました。そこで海外旅行にハマったんですよ」
一時期、辰巳のInstagramでは優雅に海外旅行を楽しむ様子や超高級食材を駆使した料理の写真が並んでいた。本人は「いつも飛行機はエコノミークラス。向こうでも大都市でブランド品を買い漁っているわけではなく、郊外の穴場スポットで安く楽しんでいるだけ」と弁明するが、それだってお金がかかるはずだ。
こうした疑念について『アウト×デラックス』(フジテレビ系)で「お金の出どころが気になる元グラビアアイドル」と突っ込まれると、10代の頃から美食会に参加しており、そこで知り合った社長や弁護士などの高額所得者から支援を受けていると説明。暗にパトロンの存在を匂わせたのである。
「とは言っても、みなさんが想像するようなパパ活とか港区女子みたいな感じではなかったですよ。もちろん私としては応援してくださるのはありがたかったけど、いつまでもこんなことが続かないのもわかっていました。そのときは芸能界以外の場所でも生活できるように、エステの学校に通って資格を取ったりもしていたんです。
でも、そうやってお仕事から離れた生活を送っていると、頑張っている同世代の活躍が眩しく見えてくるんですね。たとえば戸田れいちゃんなんて細かいお仕事や撮影会もずっと全力で頑張って続けていたから、すごく刺激を受けました」
辰巳の芸能キャリアは14歳で「自ら原宿へスカウトされに行った」ことから始まっている。映画『スウィングガールズ』やドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)に出演するなど女優として活躍し、10代後半になるとグラビアアイドルとしてブレイクした。
「学園ドラマに出ていた頃は『亀梨くん、カッコいい~!』くらいの遊びみたいな感覚で、職業として真面目に取り組むという意識は全然なかったです。グラビアに出始めた頃も似たようなもので、『海外に連れていってもらって楽しい~!』などと浮ついた気持ちでいました。ひとつの作品が出来上がるのに、どれだけ大勢の方が関わっているかなんて想像もしていなかったんですよね。だけど、当時はそれでよかった部分もあるのかも。あまり深いことを考えずにビーチで『イエ~イ!』とかはしゃいでいたら、無邪気に楽しんでいる雰囲気が誌面にも反映されますから」
グラビア撮影は「楽しいことしかなかった」と振り返る。
「“人が見たいもの”と“自分が見せたいもの”って違うじゃないですか。だから撮影ではプロの方たちに任せて、見てくださるみなさんのニーズに寄せていきたいんです。露出に対する抵抗感もないから、出し惜しみはしません。一時期、アイドルグループのグラビア台頭によって出るようになってグラビアアイドル全体が厳しくなったことがあるんですよ。それでも頑張り続ける子はいたんだけど、私はそこで踏ん張れなかった。そのことを少し後悔しているんですよね。あそこで、もっと頑張れたんじゃないかなって」
パチンコ番組で岸明日香と共演した際、彼女のプロ意識に辰巳はショックを受けたという。いかにも模範的アイドルといった様子で、礼儀正しさが徹底されていたのだ。撮影は朝から長時間に及んだが、岸は完璧な振る舞いを最後まで崩さない。
「それまでのことを振り返ってみて、私は同じくらい真剣にお仕事に取り組めていたのかなって……。お仕事が減ったのは時代の流れとか年齢のこともあったかもだけど、それ以上に自分の姿勢にも問題があったんじゃないかと反省したんです。そんな当たり前のことに気づくのに、ずいぶんと遠回りしましたが(苦笑)。ここからは気持ちを入れ替えて、目の前のことに一つひとつ取り組んでいきたいです」
今後はグラビアやバラエティにも力を入れつつ、「料理系のYouTubeも始めてみたい!」と息を弾ませる。バラエティ番組では「高級食材研究家」などと紹介されたが、実際は単価を抑えた料理も得意なのだと胸を張る。
「料理は昔から好きで、オールジャンル得意です。お酒を飲みながらライブ配信とかしても楽しいかもしれませんね。お酒は週2~3のペースで、友達や家族と飲むことが多いかな。でも毎回、1人でワイン3本くらい開けちゃうんですよ。当然、記憶はありません(笑)。今の時代って、人が集まると必ず写真を撮られるじゃないですか。
辰巳の新たな可能性に期待したいところだ。
(取材・文/小野田衛)