SKE48北川綾巴の卒業公演が21日(土)、名古屋のSKE48劇場で開催された。Wアンコール後の卒業セレモニーでは盟友・松本慈子が手紙を読んだ。

9月いっぱいでの卒業を発表している北川綾巴は、2012年に6期生としてSKE48に加入。16thシングル「12月のカンガルー」では表題曲センターに抜擢され、2017年からはチームSリーダーも務めている中心メンバー。松本慈子は北川の約1年後輩のドラフト1期生で、チームSの副リーダーを務めている盟友だ。

仲良し「慈巴(じっぱー)」コンビの相方の卒業に、松本は涙をこらえながら語りかけた。(手紙は一部抜粋)

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綾巴さんへ

私が一緒に過ごしてきた北川綾巴という人は優しさの塊でできています。

いつか綾巴さんが言っていた言葉「今まで自分が活動してきて辛いことがあった時、他のメンバーにこんな辛い思いはしてほしくない」。
その言葉の通り、初選抜で緊張しているメンバーを見かけた時には、真っ先に声をかけてその子に寄り添ってあげていました。それは私がチームSに昇格した時も。チームに同期がいなくて一人ぼっちだった時、緊張をほぐしてくれようと、綾巴さんも人見知りなのに、たくさん声をかけてくれましたね。

初期の頃は、お互いチームの末っ子でわちゃわちゃして、楽しく毎日を過ごしていましたね。でも月日は流れて、お互いがチームのリーダーと副リーダーを担うようになりました。いざ自分たちがみんなをまとめる立場になった時、どうすればいいのかお互い分からへんくて、たくさんチームのことで話し合うようになりましたね。
綾巴さんはめちゃめちゃ優しいから、けして厳しいことを言って、まとめるタイプではなかったけど、その分、一人ひとりに愛を持って接し、みんなをまとめてくれました。

振り返ってみれば綾巴さんがリーダーとしていちばん大変な時期にちかは何もしてあげられなかったです。話を聞いてあげることも、辛い時に側にいてあげることも。先輩が少ないチームやからなかなか相談する先輩も少なくて、一人でたくさん抱え込んでいたんだなぁと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

その上、リーダーの重圧だけではなく、エースとしてセンターに立つプレッシャー、様々な番組でのMC、たくさんの重圧を背負ってきて、そんな中でも後輩や私の前では絶対に弱いところを見せへんかった綾巴さん。

アイドルが好きでアイドルになったのに、いざなってみると、楽しいことだけじゃなくて、辛いことの方が多かったと思います。
前にいる人には前にいる人の悩みがあって、後ろにいる人には後ろにいる人の悩みがあります。誰もが上を目指すからこそ悩みはつきものです。みんながみんな、納得することなんてなかなかないし、いい言葉だけじゃなくて、悲しくなる言葉もたくさん言われたことがあると思います。心で一つひとつ受け止めて、多くのことを綾巴さんは乗り越えてきたんだなって改めて思いました。

チームSとして、同じチームでずっと活動することができてホンマに幸せでした。それだけでもすごいことやけど、欲を言えば一緒にSKE48の選抜に入りたかったです。


ずっと一緒におって、選抜として活動している綾巴さんがめちゃくちゃ眩しかったです。いつか自分も同じところに行くんだって思って頑張って、やっとちかが掴むことができた時、そのシングルを歌うメンバーの中に綾巴さんはいませんでした。

一作前の「Stand by you」で選抜に入ることができていたらって、今さら後悔しても遅いけど、何回も何回も悔やみました。いつもちかが夢を叶えるまでに時間がかかりすぎてしまい、一緒に選抜に入るという夢を叶えられへんくてごめんなさい。

綾巴さんは今まで出会ったリーダーの中で一番、一人ひとりのメンバーに愛情を注いでくれて、誰よりもチーム愛が強くて、世界で一番優しいリーダーやったって私は思います。

ありがとうを何回言っても足りひんくらい感謝の気持ちでいっぱいです。
ちかにとって綾巴さんは世界で一番幸せになって欲しい人です。友達でもなく、親友でもなく、綾巴さんはちかの相棒です。改めて卒業おめでとうございます。

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手紙を読み終わった後、メンバーの山内鈴蘭に「綾巴、慈子ね、『綾巴さんとの思い出いっぱい作るんだ』『今日まで泣かへん』ってずっと笑顔で過ごしてきたの。だから最後、ハグしてあげて」と促され松本慈子を抱きしめた北川綾巴。チームの後輩たちに見送られ次の道へ歩き出した。