ついに2024年が幕を開け、冬の新ドラマが続々とスタートしている。山下智久主演の『正直不動産2』(NHK)や、ネプチューンの原田泰造が“カタブツなおっさん”を演じている『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(フジテレビ系)など、さまざまな作品が注目を集める中、第1話からいきなり衝撃の展開を迎え、視聴者を騒然とさせたドラマも少なくない。


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たとえば吉高由里子主演の大河ドラマ『光る君へ』(NHK)は、まさにその筆頭だろう。同作は、かの有名な『源氏物語』を書き上げた平安中期の歌人・紫式部の半生を描いた物語。きらびやかな平安時代が舞台となっていることもあり、放送前は多くの人が“平安貴族たちの優雅でみやびなストーリー”を思い描いていたに違いない。

確かに第1話は、のちの紫式部となる少女・まひろ(落井実結子)と、彼女のソウルメイトとなる少年・三郎(木村皐誠/のちの藤原道長)との出会いが、光源氏と若紫の出会いをオマージュした形で描かれ、実にロマンチックな雰囲気が漂っていた。そう、三郎の次兄・藤原道兼(玉置玲央)がまひろの母親を刺し殺すまでは……。

もはや物語のラスト10分は、“みやびな物語”とは程遠い雰囲気。
母親を殺されたまひろは「道兼を捕まえて! 人殺しを捕まえて!」と泣きじゃくり、返り血を浴びた道兼はまるで鬼のような形相を浮かべる。そして兄のただならぬ様子を目撃した三郎は恐れおののき、思わずその場を離れるが、道兼の視界は三郎の姿を捉えてしまう……。もはやちょっとしたホラーサスペンスである。ネット界隈では、“平安バイオレンス大河”という呼び名すら生まれていた。

ちなみに脚本を務めた大石静の中には、かねてより「平安時代のイメージを変えたい」という思いがあったようで、同作のテーマとして“戦なしのセックス&バイオレンス”を掲げていた。そして初回から狙い通りの大反響を巻き起こしたわけだが、物語はまだ始まったばかり。
恐らくこれは、ほんの序章にすぎないのだろう。

“ラストが衝撃的”という意味でいえば、永野芽郁主演の月9ドラマ『君が心をくれたから』(フジテレビ系)も予想外の展開を見せ、多くの視聴者を驚かせていた印象だ。

自分に自信が持てない主人公・逢原雨と、そんな彼女が唯一心を通わせた男性・朝野太陽(山田裕貴)。真逆の名前を持つ2人をメインに据えたラブストーリーで、第1話では雨と太陽の出会いから再会に至るまでの経緯が丁寧に紡がれていた。

ここまで聞くと実に月9らしい恋愛ドラマに思えるのだが、同作もまた物語終盤で急展開を迎える。というのも再会したのも束の間、太陽が交通事故に遭い、生死を彷徨う展開に。
絶望を受け入れられない雨は、あの世の案内人・日下(斎藤工)と契約を交わし、彼の命を救ってもらう代わりに自身の「五感」を差し出すという過酷な運命を背負うのだ。

そもそも雨のそれまでの人生もかなり過酷なものだった。幼い頃から実の親に虐待され、学校ではいじめられる日々。ようやく夢を見つけてパティシエになるも、上司のパワハラに悩まされることになり、仕事を辞めて故郷に帰ってきたかと思えば、今度は「五感」まで奪われる始末……。こんなにもハードな人生を運命づけられた月9ヒロインは、今まで存在しただろうか。彼女の幸せを願わずにはいられない。


実は金曜ナイトドラマ『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系)の初回も、なかなか衝撃的なラストだった。同作には春田創一(田中圭)、黒澤武蔵(吉田鋼太郎)、牧凌太(林遣都)など、前作からのお馴染みのメンバーに加え、俳優の井浦新演じる和泉幸という新キャラクターが登場する。

この和泉がなかなかに謎めいた人物で、情緒もかなり不安定。しかも第1話のラストでは血だらけになって倒れているところを春田に発見され、その理由もわからないまま幕を閉じた。共演者の吉田いわく、和泉は「そうくるか!」となるキーパーソンらしいが、いったいどう物語に関わっていくのだろうか。

ちなみに現在、見逃し配信サービス「TVer」では、同作のスピンオフドラマ『春田と牧の新婚初夜』を配信中(1月11日時点)。
こちらも“ある意味”で衝撃的な内容となっており、ネット上でも「本編以上の衝撃!」と話題を呼んでいた。もちろん良いほうの意味で。

初回からインパクトのある展開で大きな注目を集めた新ドラマ。この先物語がどんな風に転がっていくのか、心の準備をした上で見守っていきたい。

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