【関連写真】映画【推しの子】より、齋藤飛鳥らスペシャルビジュアル
同エピソードでは、黒川あかねと有馬かながライバルとして切磋琢磨しながら演技力を競い合う様子が見どころとなるが、それぞれの担当声優である石見舞菜香と潘めぐみの“演技対決”という見方もできそうだ。
「2.5次元舞台編」では、伝説の刀をめぐって登場人物たちが抗争を繰り広げる王道の少年マンガ「東京ブレイド」を舞台化するため、役者や関係者が奔走する……というストーリー。そこで実力派ぞろいの役者集団・劇団ララライのエースである黒川は、“負けヒロイン”的な立ち位置の鞘姫、新生B小町のメンバーにして元天才子役の有馬は、主人公の配下となる少女・ツルギ役を演じる。
キャラクターが劇中劇のキャラクターを演じるというだけでもややこしいが、さらに黒川と有馬は稽古を通して演技力が高まっていくため、その変化も表現しなければならない。声優にとっては、この上なく演技力を試される展開と言えるだろう。
とはいえ黒川役の石見と有馬役の潘は、いずれも演技力の高さに定評がある声優だ。まず石見に関しては、ほかでもない『【推しの子】』の1期で“神演技”を見せ付けたことが記憶に新しい。
それは恋愛リアリティーショー番組「今日は甘口で」の様子を描いた第7話。控えめな性格の黒川が豹変し、伝説のアイドル・アイのしゃべり方を再現し始める……というシーンを、石見は完璧に再現してみせた。その演技について、原作の作画担当・横槍メンゴは「あかねのアイの演技すごい。あの一瞬でアイに再会するアクアの気持ちになってしまい、泣きそうになった」とX上で絶賛していた。
石見は現在26歳でキャリア的にはまだ若手だが、ほかにもさまざまな作品で爪痕を残している。
また2018年に公開された岡田麿里監督のアニメ映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』では、初主演にして“数百年の寿命を持つ長命種の少女”という難しい役どころに挑戦。壮大なスケールの物語に負けない、迫力のある演技を披露していた。
若手随一の演技派である石見に対して、潘は実力とキャリアを兼ね備えた声優だ。いわゆる“カメレオン声優”の系譜で、どんな役柄でもこなしてみせる演技の幅の広さを武器としている。
有馬かな役からは想像がつかないかもしれないが、まず潘が得意としているのが未成熟な少年の声。『HUNTER×HUNTER』のゴン=フリークス役、『キャプテン翼』の沢田タケシ役、『デジモンアドベンチャー』の高石タケル役、『フルーツバスケット』の草摩紅葉役など、数々の作品で少年役を演じてきた。
その一方、『俺物語!!』のヒロイン・大和凛子のような王道の美少女役を演じても一切違和感がないのがすごいところ。さらに個性が強い女性キャラクターを演じるのも上手く、『スキップとローファー』に出てくるひねくれものの女子高生・久留米誠や、『ちはやふる』で演じた恋愛気質で裏表のある花野菫などは、その演技力がよく発揮されていた。
ちなみに今期のアニメでは、シュールギャグ作品『しかのこのこのここしたんたん』にて、奇想天外な言動を繰り返す謎のシカ少女・鹿乃子のこ役を演じているのだが、こちらもインパクト絶大な役柄だ。
石見も潘も、それぞれに高い実力をもつ声優であることは間違いない。
【あわせて読む】【推しの子】実写化で注目されるあのシーン、アニメ版で築いた高い期待値を超えられるか