女優の瀧本美織が、ABEMAオリジナルドラマ『死ぬほど愛して』に出演中だ。『金田一少年の事件簿』の天樹征丸による原作をドラマ化した本作は、魅惑的な殺人鬼との「愛」と「狂気」にまみれた純愛サスペンス。
成宮寛貴演じる“理想的な夫”神城真人をひたむきに愛しながらも彼への疑念に揺れる妻・澪という難役に挑んだ瀧本に、役への向き合い方や「子どもの頃からたくさん拝見していた方」と語る成宮との共演エピソード、和やかだったという撮影現場の裏側を聞いた。(前後編の前編)

【写真】濃厚な濡れ場シーンにも挑戦、『死ぬほど愛して』場面カット【5点】

──まずは本作への出演が決まった時の心境を聞かせてください。

瀧本 私は子どもの頃から成宮さんの作品に慣れ親しんでいて、テレビなどでたくさん拝見していた方だったので、そんな成宮さんの復帰作でご一緒できるという喜びがまずありました。しかも夫婦という、近しい関係での共演。原作の漫画も読ませていただいて、すごく激しいストーリーだなと感じましたが、台本になった時にもポイントを抑えつつ素敵にまとまっていたのが印象的でした。現場に入ってみてからは、皆さんとの化学反応が毎日すごく刺激的で、面白い日々でした。

──成宮さんにお会いした時の印象はいかがでしたか。

瀧本 本当にチャーミングな方です。現場ではいつも明るくいてくださるので、すごく頼りにしていました。ずっと真人としていてくださったので、成宮さんが演じてくださったからこそ、私も真人として愛すことができたんだと思います。

──澪という役柄についてはどのように感じましたか。

瀧本 演じていく内に、澪は色々な人に影響されて生きてきた人なんだなと感じました。
演じていて心情の乱れや波もありましたが、物語を通して見ると、「こういう流れになるのは普通だよね」と思いました。やっぱり真人を疑っている澪の精神状態は良くなかったと思いますね。

──成宮さんと役について話し合うことはありましたか。

瀧本 成宮さんに限らずどなたともですが、話し合って作るというより、シーンの中でお互いの気持ちを交換していく、ということが多かったです。今回の作品でも、最後まで澪を演じてみて、彼女にはちゃんと芯があって、ブレない強さがある人なんだなと思うようになりました。

──特に印象に残っているシーンはありますか。

瀧本 澪は、涙を流すシーンが人一倍多かったですよね。例えば最初のカラオケのシーンは、元々ワンコーラスだけを歌う予定で、真人が歌い出した時に澪は呆然としていてほしい、という演出だったんです。いきなり泣くのではなく、気持ちが作られていく流れがあったので、2番に入ってから自然と涙が出てきました。すると監督がカットをかけて、「よし、2番も使おう」と言ってくださった、と。それは間接的に聞いたことだったんですが、役者の心意気を汲み取ってくださり、とても嬉しかったです。

──感情的には苦しいシーンも多いように思いますが、撮影現場の裏側はいかがでしたか。


瀧本 すごく和やかでした。チームワークが良くて、本当に信頼して撮影することができました。みんなで同じ方向を向いて、いいものを作ろうという思いが、内側からにじみ出ているような現場でした。

──成宮さんについて、新たに知った一面はありましたか。

瀧本 真人として見ている視聴者の方はびっくりされるかもしれませんが、成宮さんはすごくチャーミングな方なんです。例えば、クッションに向かって話しかけたりしていました(笑)。

──それはどういう場面で?

瀧本 撮影で呼ばれた時にクッションを持っていたりすると、それを置いて行く時に「チョン♪」みたいな(笑)。そういう可愛らしいところがちらほらあって、「なんて可愛い方なんだろう」と思っていました。

──たしかに意外です(笑)。お話も色々されたんですか。

瀧本 最初の方に家のシーンを4、5日かけて撮っていたので、メイク部屋も一緒でしたし、ご飯もずっと一緒に食べたりしていたので、本当に生活を共にしているような感じでした。その間に色んなことをお話しました。


▽瀧本美織(たきもと・みおり)
1991年10月16日生まれ、鳥取県出身。2010年公開の映画『彼岸島』のオーディションに合格しヒロイン役で女優デビュー。その後、NHK連続テレビ小説『てっぱん』ヒロイン(2010年)、ジブリアニメ『風立ちぬ』ヒロイン・里見菜穂子役(2013年)、などを務める。『死ぬほど愛して』では、殺人鬼の顔を持つ夫を愛しながら、疑念に揺れる妻を好演している。

【あわせて読む】成宮寛貴主演『死ぬほど愛して』、瀧本美織の“指舐めシーン”に反響「ギャップがすごい」
編集部おすすめ