お笑いコンビ「はんにゃ」の川島章良さんが5月に出版した“だしダイエット本”が話題になっている。結婚直前の2014年11月に腎臓がんが発覚し、年末には摘出手術を受けた。
元々、暴飲暴食で太っていた川島さんがダイエットを始めたのは、その大病を患ったことも大きな影響を与えているという。病気の話から、それが与えた人生観の変化、そして3カ月で12キロ痩せたという具体的な“だしダイエット”の方法までを聞いた。(2回連載の2回目)

【写真】3カ月でマイナス12キロ、川島さんの衝撃のビフォーアフター写真

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──5月に出版した『だしパックを入れるだけ! がまんなしでやせるはんにゃ川島の魔法のだしパックダイエット』(扶桑社)の反響はいかがですか?

川島 おかげさまで好評で、発売1週間で重版が決まりました。「ダイエット食なのに家族全員で美味しく食べられる」「健康的に痩せられる」という声もちょこちょこいただいています。

──もともと川島さんは「だしソムリエ1級」を持っているそうですが、どうして取得しようと思ったんですか?

川島 おそらく芸能人で誰も取っていなかった資格だからです。同じ理由で、他にも「こども成育インストラクター」「離乳食インストラクター1級」「幼児食インストラクター」「食育アドバイザー」「おひるねアート講師」「ベビーサインパパアドバイザー講師」「お弁当学マスター認定講師」「入浴検定」「ダイエットインストラクター」「和ハーブ」の資格を持っています。
食が好きなので、食関係の資格が多いですね。

──YouTubeでは「かわだしクッキング」を配信していますが、こちらは始めてすぐに反響はあったんですか?

川島 それが最初は本格的にだしを取っていたんですけど再生数が伸びなかったんです。いろいろ試行錯誤した結果、動画再生数が伸びるのは簡単な料理と、男飯みたいな料理だったんです。なので、だしパック料理を思い付いたんですよね。ただ結果的に動画再生数が伸びたのはオムライスやカルボナーラで、だしは関係なかったんですけどね(笑)。

──今はどれぐらいのペースで動画を上げているんですか。


川島 週2で更新しています。

──どうやってレシピを考えているんですか?

川島 料理系のインスタを幾つもフォローしていまして、その中から「俺だったらこうする」って思ったものをメモって、それを元にレシピを考えます。

──川島さんは料理の腕前も素晴らしいですが、料理人を目指したことはないんですか?

川島 実はあるんです。オヤジの実家が京懐石の店を70年以上やっているのもあって、僕自身も小学3年生の頃から料理をしていました。オヤジのお兄さんが吉兆さんで10年修行して実家に戻ってきたんですけど、その関係で吉兆さんの弟子ルートがあったんです。なので中学卒業して吉兆さんに修行に行く選択肢もあったんですよ。
ただ進路を考えていたときに、漫画『味いちもんめ』の連載をリアルタイムで読んでいて、和食の世界はきつい仕事だなと思ってやめたんです(笑)。

──ということは小さい頃から舌は肥えていたんですか?

川島 親から聞いたんですが、食事に冷凍食品が入っていると、それに気づいて文句を言ってたらしいです。

──吉本芸人の中でも、川島さんはYouTubeを始めたのは早いほうでしたよね。

川島 このコロナ禍でバーッとYouTubeを始めた芸人が増えましたけど、僕が始めたのは2018年8月 なので、カジサックさんより早かったんです。なので吉本芸人YouTuberということでは僕が先輩です。チャンネル登録者数は僕が5万人、カジサックさんが204万人なので40倍以上も差がついていますけどね(笑)。
ただ、「かわだしクッキング観てます」って男性から声をかけられることは増えています。あと視聴者層が40代から50代が多くて、男女比率は半々ぐらいで、はんにゃファンとは違う層が観てくれているのも実感しますね。

──YouTubeとテレビで見せ方などの違いはありますか?

川島 YouTubeのテンポって、めちゃめちゃ早いんですよ。それって編集だけではどうにもならなくて、しゃべり自体も早口じゃないといけないんです。そもそも僕は早口で、仕事では意識的にゆっくり話すようにしているので、YouTubeでは普段に近いテンポでしゃべっていますね。

──今回の書籍の出版もそうですが、川島さんは芸人としての活動を続けながら、吉本坂46のメンバーであり、幅広い資格を取ったり、全国で公演をしたり、YouTuberに挑戦したりと様々な活動をされています。
幅広い活動をしようと思ったきっかけは何だったんでしょうか?

川島 2014年11月に腎臓がんが見つかって、2014年末に摘出手術を受けて。そのときに、いつ死んでも後悔がないように、できるだけ自分のやりたいことをやろうと思ったんです。

──腎臓がんが発覚したときはどんな気持ちでしたか?

川島 腎臓がんは、症状が分かりにくくて転移しやすいんです。なので、お医者さんからは手術後も5年は危険かもしれないと言われていました。その5年間は、誰かががんになったって話を聞いたり、テレビでがんに関する番組を見たりするだけでも恐怖心がありました。ただ腎臓がんがきっかけで2年前から講演会もやらせていただいて、そのときの経験が役立っています。
僕、2019年は吉本で一番、講演会をやっていた芸人なんです。月に4本は講演会に行ってましたからね。

──それはすごい!

川島 それまで1位だったのは入江(慎也)さん。(千原)せいじさんも多かったそうです。でも、お二人がいろいろやらかしてしまった結果、僕が1位になったんです(笑)。今年もトップの座を狙おうと思ったら、このコロナ禍があってできなくなってしまったんですが……。

──どういうところに呼ばれることが多いんですか。

川島 まず保険会社ですね。あと病院。お医者さんや患者さんが700人ぐらい集まる中で講演会をしています。極力パワポやプロジェクターを使わないようにしています。物に頼ってしまうと、どこでもできないなと思ったんです。主催者側も用意する物が多いと大変じゃないですか。どこでもできるストロングスタイルを目指そうと思って、マイク1本でやっています。いずれは、だしパックダイエットに関する講演会もやりたいので、ご興味のある方は吉本までお願いします(笑)。

▽『だしパックを入れるだけ! がまんなしでやせる はんにゃ川島の魔法のだしパックダイエット』
著者:川島章良
発行元:扶桑社
発売日:2020年5月27日
定価:1,430円
独自に考案した「かわだしダイエット」で、3か月で12kgの減量に成功した川島章良さんの著書。なぜだしがダイエットに良いのかという論理的な話から、祖父は京懐石の料理人で、自身もYouTubeでだしを使った様々な料理を紹介している川島さんだからこそできる、具体的なだしを使ったダイエット料理のレシピも多数公開している。
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