新型コロナウイルスの影響で外出自粛が余儀なくされていた数カ月。最もバズったとして注目をあびたのが、“ひま粒し”という奇行を投稿し続けたアイドル・吉川友だ。
だが、ひま粒しが吉川の奇行の始まりではない。これまでに残してきた“伝説”を本人とともに振り返る。(3回連載の1回目)

【写真】取材当日に駅で購入したトウモロコシを抱く吉川友

──イチゴの種、キャビア1瓶、ごま団子など食べ物の“粒”を執拗に数え続けることがニュースになり話題を呼んでいます。吉川さんの変わり者ぶりも世間に浸透したのでは?

吉川 そういう言われ方は心外ですね。大体、どういうことですか! 「破天荒アイドル」とか「奇人伝説」とか……。最初に言っておきますけど、私はアイドルとして「超」がつくほどの正統派ですから。キワモノみたいな扱いでイジらないでほしいです(笑)!

──失礼しました。しかし、今回は内部関係者からのタレコミ情報も多く寄せられておりますので。噂の真相を明らかにしたいと思います。

吉川 内部のタレコミ情報? どうせアプガですよね? いまいち納得いかないんですけど、いい機会なので私の正統派アイドルぶりを証明します!

──まずはライブMCに関して。あれだけテキトーで、その場の勢いに任せてしゃべっているだけに思えるMCなのに、実は事前にこと細かく内容を決めているのだとか?

吉川 この噂は本当ですね。特にデビューしてから3年くらいは台本ガチガチの状態で、そこから一言一句でも外れるのが許せなかった。
句読点の位置すらも、あらかじめ決めていたこととズレるのが嫌なくらいで。こう見えて私、完璧主義者なんですよ。ただライブだと、話している途中でファンの人からの茶々が入ったり、噛んじゃったり。それで組み立てが崩れちゃうんですね。それでもなんとか戻そうとするけど、焦ってますますヘロヘロの状態になり……。

──アドリブに弱いんですか?

吉川 超弱い! たとえば『有吉反省会』(日本テレビ)に出ると、有吉弘行さんは台本にない流れで話を振ってきたりするんですね。だけどこっちは前日の夜にそらで覚えるくらい台本を読み込んでいるから、うろたえるわけですよ。「おいおい、そんなの事前に聞いてないよ!」って。ぱいぱいでか美さんは、そういうとき瞬時に対応しているから本当にすごいなって思います。結局、私って根が真面目なんです。

──この調子でいきましょう! 吉川さんはモーニング娘
オーディションを受け、残念ながら落ちてしまいました。なぜ先生に言われた課題曲を聴き込まなかったんですか?

吉川 これはねぇ……今だから明かせる舞台裏があるんですよ。「何回聴いてきたの!」って先生から怒られたとき、たぶん求められる模範的な答えは「100回です!」とかだったと思うんです。だけどあの限られた時間の中、フル尺でそんなに聴けるはずないじゃないですか。そもそも「Bメロのこの部分が苦手だな」と思ったら、その部分ばかり繰り返し聴きますし。だから先生の質問に対して「う~ん、フル尺で計算したら大体これくらいに相当するかな」という意味で「13回」と答えました。私としては誠実に答えたつもりだったんですよ。

──ただ結果的には先生の怒りに火を注ぐことになり、テレビ放映を通じて世間でも炎上しました。

吉川 もうトラウマですよね。私にとって13というのは悪魔の数字。いまだにロッカー番号とかで13を見るとギョッとしますから……。

>>(2)に続く(23日11時30分公開)

(取材・文/小野田衛)
▽吉川友(きっかわ・ゆう)
1992年5月1日生まれ、茨城県出身。
A型。2007年にハロプロエッグに加入、アニメ『きらりん☆レボリューション』(テレビ東京系)内のユニット「MilkyWay」としても活動し、2011年にソロデビュー。
Twitter:@kikkawa_you
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