8月31日をもってAKB48から卒業する川本紗矢(21)。川本といえば2013年11月に行なわれた、第1回AKB48グループドラフト会議において5チームから指名がかかった逸材。
人より牛の数が多いという北海道の田舎で生まれ育ち、中学3年生より国民的アイドルグループで活動すること6年半。その思い出を語ってもらった。

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――卒業について考え始めたのはいつぐらい?

川本 二十歳になってからですね。それまでがむしゃらに一生懸命活動してきたんですけど、二十歳を越えて今後について考えるようになり、そこで卒業というワードが浮かびました。最終的に卒業を決断したのは半年前です。

――周りの人には相談しました?

川本 マネージャーさんとか、ささいな悩みにも相談に乗ってくださる先輩の横山由依さんに相談しました。横山さんからは、辞めずにこういう選択肢もあるんじゃないと言っていただいたり。でも、卒業するってなったら応援するよと言ってもくださって。

――横山さんはいろんな人の卒業を見てきましたからね。卒業発表はAKB48公式YouTubeサブチャンネルの生配信番組内でやりましたが、あれはどういった経緯で?

川本 2月ぐらいに卒業発表をいつするかという話をして、本来は劇場公演でファンの方の前で発表したかったんですけど、新型コロナウィルスの感染拡大で公演ができなくなって、配信で発表することになりました。配信だとファンの方の反応が見られないので、どんな雰囲気になるのか不安だったんですけど、SNSでの反応を見ると「最後まで応援するね」とか、前向きな声が多かったのでよかったです。

――発表するときはどんな気持ちでした?

川本 おうちからの配信だったから、発表の瞬間に電波が途切れたらどうしようって(笑)。


――その心配がありましたね! さて、それでは活動を振り返りましょう。川本さんはもともとAKB48の大ファンだったんですよね。

川本 今も実家の部屋にはポスターがたくさん貼ってあります。中学生の時に母親と札幌までAKB48のコンサートを見に行って、その後、AKB48に加入して同じステージに立った時には、ものすごく感動したのを覚えています。

――地元は酪農が盛んで、人より牛のほうが多いと、加入した当初はよく話題になってました。

川本 そうなんです。学校の全校生徒も50人ぐらいで、それよりAKB48のメンバーの人数のほうが多いんですよ(笑)。だから最初は現実感がなかったです。

――川本さんはデビューしてからの勢いがすごかったですよね。初めて参加したAKB48グループのじゃんけん大会でいきなり3位(2014年9月)になったり。

川本 びっくりしました。でもあの時、さらに驚いたのがAKB48のシングル曲『希望的リフレイン』の選抜入りの発表。
うれしい気持ちはあったけど、実力が追いつけていない感があって、ここにいていいのかなって、不安がいっぱいでした。先輩方に支えてもらって何とか活動できていました。

――特に印象に残っている出来事は?

川本 「豆腐プロレスThe REAL」(2018年2月)への参加と、JKT48との交換留学で、ジャカルタへの短期留学(2018年9月)したことです。プロレスは挙手制だったんです。見たことなかったけど、面白そうだなって。その後、みんなで両国国技館へプロレスの試合を見に行ったんですけど、すごくて。あんなことできるのかなって。でもそれからみんなで試合に向けて毎日トレーニングをして。部活じゃないですけど、青春を感じられた出来事でした。

――JKT48への交換留学はどうだったんですか?

川本 劇場公演にツアー、握手会も参加させてもらって、1カ月間だったんですけど、すごく濃かったです。言葉は難しかったけど、はるごん(仲川遥香)さんや日本人とのハーフのメンバーに助けてもらって、自己紹介とか簡単な挨拶はできるようになりました。あとインドネシア語の歌詞も必死に覚えました。
それまで人生で留学しようって考えたことなかったけど、経験できてよかったです。JKT48のメンバーはみんな明るくて、私も性格が明るくなった気がします。

――この6年半で苦労した時期ってありますか?

川本 4、5年前ですかね。なにか特別な出来事があったわけじゃないですけど、すごく辛い時期があって。ストレスの発散もできなくて、親に当たったり、今思い返しても戻りたくないです…。

――どうやって解決したんですか?

川本 あまり覚えてないんですよね。でもその頃は何でもネガティブに考えちゃうタイプだったので、考え方を変えて明るく生きようって。そこから元気に活動できるようになったのかなと思います。

――最近はチームでも引っ張る立場になりつつありましたよね。

川本 ずっと後輩って気持ちだったんですけど、チーム4になって気づいたら先輩側になっていて、パフォーマンスやMCをちゃんとしなきゃいけない立場なんだなって。先輩から教えてもらったことを後輩に伝えようって意識を持つようになりました。

――今後はどんなことをやっていくんですか?

川本 今までAKB48の中でしか活動していなかったので、外に出ていろいろとやってみたいなって。
まだこれって言えることはないんですけど……。

――北海道に戻ったりは?

川本 よく聞かれるんですけど、まだ東京にいます! 挑戦したいことがいっぱいあるので、改めて活躍を見せられたらいいなって思います。

――卒業についてメンバーの反応は?

川本 仲の良い谷口めぐちゃんや込山榛香ちゃんには事前に話していて、めぐは「想像していたより寂しい」って泣いてくれたり。JKT48のメンバーもSNSに「頑張って」とか「寂しいよ」ってコメントをくれたり、AKB48に入らなかったら出会うことのなかった仲間がたくさんできてよかったなって思います。

――では、最後に応援してきたファンにコメントをもらえますか?

川本 今までいろんな活動をさせてもらって、そのいろんなタイミングで私のことを知って応援してくださって…。アイドルにならなかったら、こんなにたくさんのファンの方と出会うことはなかっただろうし、また、たくさんのメンバーがいる中で私を応援してくれたことには感謝の気持ちしかないです。

――振り返ってみて、理想のアイドルになれましたか?

川本 ファンの頃は前田敦子さんとぱるる島崎遥香)さんが憧れで、そういう先輩方を理想とするならなれていないと思うけど、でもファンの方が応援してよかったって思えるアイドルになれてたらいいなって。

――きっとなれていると思います。最後に、アイドルになってよかったですか?

川本 よかったです! たくさんの経験をさせていただいて、8月末の卒業公演も笑顔で楽しい気持ちで卒業できたらいいなって思います。

▽川本紗矢
AKB48チーム4所属、ドラフト1期生。1998年8月31日生まれ、北海道出身。童顔純朴フェイスで加入当初からファンの人気を集め、選抜メンバー入りは6回。
「豆腐プロレス」では「モーモー川本」のリングネームで活躍。ニックネームはさやや。
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