アップアップガールズ(仮)の古川小夏森咲樹佐保明梨新井愛瞳がグループの卒業を発表したのは10月23日のことだった。2011年の結成から、いやそれ以前のハロー!プロジェクトエッグ時代を含めるとおよそ15年以上にわたって同じ道を歩いてきた5人のメンバーたちはここで別の道へ進むこととなる。


アプガ(仮)メンバーがそれぞれ後輩グループ、アプガ(2)メンバーと対談する“闘魂伝承企画”4回目は、パフォーマンス隊長・古川小夏とアプガ(2)の“あざとい担当”島崎友莉亜の対談をお送りする。

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──アプガ魂闘魂伝承企画、今回は古川小夏さんと島崎友莉亜さんの対談です。

古川 私からしまちゃんに譲れるもの一番なさそうですけどね、キャラ的に(笑)。

島崎 そんなことないですよ~(笑)。

──島崎さんは昨年の3月にアプガ(2)に3期メンバーとして加入されましたが、アプガ(仮)や古川さんのことはどう見ていたんですか。

島崎 私はアイドルをさせていただく中で、10年続けてずっと愛されるグループになりたいっていう夢があるんです。アプガ(仮)さんは、実際に10年目に突入されて日々メンバーとファンの方がいい関係性を作り上げていて、まさにアイドルの理想形だなって思うんです。それに、私、古川さんの表現力が大好きなんです。生誕祭のパフォーマンスを見て、自分に表現力が足りていない部分もあるので、古川さんみたいになりたいと思っています。

古川 うれしいー! これ、言わせてないですからね(笑)。

──特に古川さんのパフォーマンスでどんなところが好きですか?

島崎 すごく大きなダンスで、活き活きされているのが、遠くから見てもすごいなって思います。

古川 ありがとうございます。
私も身体が小さいので、みんなと同じ動きだと埋もれちゃうんですよ。だから、人より大きく動くのは昔から意識していますね。

──ちなみに、せっかくの機会ですから、島崎さんから古川さんに聞いみたいことがあれば質問してみましょうか。

島崎 私は、感情を前に出して気持ちを届けるっていうのが得意じゃないんです。古川さんはライブで人に気持ちを伝えるとき、どんなことを意識されていますか。

古川 うーん、私の性格上あまり上手く伝えようとかは考えたことがなくて(笑)。まずは見ている人にこちらが楽しんでいるのが伝わればいいなと。自分が本当に楽しんでいたら、素直な気持ちが出ると思うの。

──島崎さんは、ステージで自分の気持ちを出すのに照れがあったりしますか。

島崎 そうなんです。

古川 素直な気持ちを出すのを恥ずかしがらないことは大事かもしれない。お客さんは、こちらの楽しい気持ちや焦っている気持ちを知りたいと思うんです。
変に楽しんでもらおうって考えすぎちゃうと難しいから、素直な感情が滲み出ちゃうくらい感情を豊かにした方がいいんじゃないかな。

島崎 確かにアプガ(仮)さんのライブって、生きているライブって感じがするんです。いつもいろんな感情になるんです。

古川 うれしい。アプガ(仮)のライブはみんなの素直な気持ちが滲み出ているから、それがしまちゃんにも伝わっているんだと思う。

島崎 はい。やっぱり、ライブってそういうことなんだなって改めて思いました。アプガ(2)も、表現を見せたいというよりも、もっと気持ちを伝えていきたいなと思いました。

──とはいえ、アプガ(仮)もライブ巧者となるまでに時間はかかりましたよね。

古川 かかりましたよ。もともと私たちはハロプロエッグという軍隊育ちなので(笑)、なんでもきちんとやらなきゃって発想だったんです。だからアプガ(仮)になって逆に乱すことが分からなくて、最初ずっと、君たちには個性がないって散々言われていました。
すごくきれいにやってしまっているんだな、だから面白味がないんだなって、当時はかなりの悩みでした。

──それが解決したきっかけはあったんですか?

古川 雑誌で、元・メロン記念日の柴田(あゆみ)さんと対談させてもらったんです。そのときにライブで個性が出せないっていう悩みを相談していたんですが、その悩みがあまりにも当時、本気すぎて、みんな泣きながら相談してしまったんです(笑)。だってメロン記念日は個性の塊じゃないですか。そしたら柴田さんが、「ステージに出てしまえばそこは自分たちのものだから、何も気にしないでいいんだよ。自分の好きなようにやればそれが個性になってくるから」って言ってくださって、それですごく気持ちが楽になったんです。

──先輩の言葉が心に響いたと。

古川 ハイ。その頃は、自分の中で、あれをやったら怒られるかもしれないとか、ずっと怒られる前提で厳しく育ってきたので、ライブでこれやったら楽しいなって考えたことがなかったんですよ。だから、柴田さんの言葉で、ライブは楽しむものって根本を改めて気づかされたんですよ。私たちには衝撃の言葉だったし、一番欲しかった言葉でした。それからたくさんライブをやっていく中で、とにかく伸び伸びやろうって気持ちでやっていったら、いつの間にかこうなっていましたね。


──結果、灼熱のライブ軍団になっていったと。今の話を聞いて島崎さんはどう感じましたか。

島崎 私もずっと個性がないって悩んでいて、作ろうと思っていたんですよ。でも、個性って作るもんじゃないんだなと思いました。

古川 そうだよ。だって柴田さんの担当知ってる? ナチュラル担当だからね。周りが濃すぎて素が担当ってそれも衝撃でした(笑)。だから、しまちゃんも楽しんでいくうちに自然と個性が出てきますよ。

島崎 ハイ!

──さて、このたび古川さんは卒業を発表されましたが、改めてその理由を聞かせてもらえますか。

古川 私はハロプロエッグをクビになったときに、演技や他のことをやろうと思ってたんです。それがアプガ(仮)に誘われて、気がついたらここまでやっていたみたいな(笑)。もちろんライブは楽しかったですし、思いっきりがんばったし。
あと、ここで辞めたら今までやってきたことが無になってしまう、それが悔しいって気持ちもすごくありました。で、10年、本当にたくさんのことを経験してきた今の自分が違うことをやったらどんなことができるんだろうって、次のことを見たくなったんです。だから満足感もありますし、充分走りきったかなって気持ちなんです。

──なるほど。島崎さんにとって先輩たちが卒業するのはショックですか?

島崎 ショックだし寂しい気持ちです。でも、卒業を発表されてからたくさんの人の反応の見ていると、アプガ(仮)さんは本当に愛されているグループだなって感じました。しかもメンバーのみなさんが、お客さんを悲しい気持ちにさせるんじゃなく楽しい気持ちに持っていっていて、それがアプガ(仮)さんらしくてかっこいいいなと思いました。だから、これから一緒に活動させていただいた時間を大切にして、私もアプガ魂をしっかり持ってがんばっていきたいです。

古川 頼もしい言葉ですね~。これから、卒業する4人は前を向いて新しい道に歩いていきますし、残ってくれる関根(梓)がアプガ(仮)を楽しみながら引っ張っていってくれたらいいなと思っています。アプガ(2)は、最近ほんとに同じアイドルとしてかっこいいなと思うんですよ。そんなアプガ(2)がいてくれるから、私たちも安心して卒業できるなって思うんです。
しまちゃんも、あまり気負いすぎず、素直に気持ちをぶつけながらアイドル人生を楽しんでもらえたらうれしいです。がんばってください。

島崎 ありがとうございます! 古川さんは、アイドルを卒業されて新しい道に進まれると思うんですけど、古川さんはとても人望もあると思うんです。私が何か言える立場じゃないんですけど、これからも素敵な笑顔でがんばってください。

古川 ありがとう。
▽メンバー卒業までのアップアップガールズ(仮)
古川小夏、森咲樹、佐保明梨、新井愛瞳の4名がグループの卒業を発表したアップアップガールズ(仮)。11月10日(火)には5人体制最後のアルバム『6thアルバム(仮)』をリリース。また、12月17日(木)Zepp Tokyoにて5人最後のライブ「アップアップガールズ(仮)FIVE SOUL FOREVER」を開催、CSテレ朝チャンネルにて生放送も決定している。なお、グループに残る関根梓は、新メンバーオーディションの合格者とともに新体制を作っていく。
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