【写真】セントチヒロ・チッチの撮り下ろしカットと映画場面カット【14点】
※インタビュー(1)「嫌われようが、言いたいことは全部言って帰ろうと決めていた」はこちらから。
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――映画『らいか ろりん すとん』で、候補生のトト・パーティン・トトさんを指導している際に、「殻を破る」というお話がありましたが、チッチさん自身どのように「殻を破れた」のでしょうか?
チッチ BiSHに入ったときは、猫100匹以上かぶっていて、人に好かれたい、頼ってほしい、人気者になりたい、そういう気持ちが強かったんです。でもBiSHの活動の中で、いろんなことがあって、どうでもよくなった時期があって、メンバー、お客さん、スタッフさんも含めて、みんなのことを嫌いになった瞬間がありました。誰しも生きていたら、学校でも職場でも、そういう瞬間ってあると思うんですよ。
――よく分かります。
チッチ そのときに、私のことが好きじゃなかったら無理して好きになってもらう必要もないし、自分の好きなように生きて、それで嫌いになられても別にいいし、みたいなことを考えたんです。やりたいことをやっている私を好きになってくれて、応援してくれる人がいるなら、その人のためにやりたいって気持ちの切り替えがあって、自分の殻を破れたんですよね。いろんなものを脱ぎ捨てた瞬間でした。そこから、あんまり物事を怖がらなくなりましたね。
――周囲との関係性も変化しましたか?
チッチ かなり変わりました。ゴマをすらなくなりましたし、私が言いたいことを言えるようになったことで、BiSHチームを始めとした大人の人たちも気持ち良かったみたいです。
――何度かメンバーの卒業・加入があって、現在の6人体制になるまで紆余曲折もありました。
チッチ 今の6人は奇跡的なバランスだと思いますし、運命的なものも感じます。でも、あの時期に、あのメンバーがいたからこそ、生まれた曲や思い出もたくさんありますし、それで今のBiSHがあるんです。
――メンバー変更などがありつつも、着実に成長して、ファン層も拡大して、はたから見ると順調に思えます。
チッチ 私たちからしたら全く順調じゃなかったですし、大きな苦しみも経験して、何度も挫折を味わって、一歩ずつ進んできて今があります。とんとん拍子にいったわけではなくて、山道を登ってきて、ちょっとずつ光が見えてきて。
――ゴールはあるんですか?
チッチ BiSHには憧れとか、ライバルとか、目指すものがないんですよ。それはBiSHの性格もあるし、BiSHという存在もかなり特殊なので、そこがすごく良かったなと思っていて。戦うべき敵は自分たちしかいないし、いつでも未知の世界を目指すだけで、それがエネルギーになっています。ゴールが分からないからこそ、何でもできるのがBiSHの良いマインドになっています。BiSHはどんなときも開拓者でいないといけないんですよね。
※インタビュー(3)「私の言葉でその子の人生も変わってしまうかも」はこちらから。

▽『らいか ろりん すとん-IDOL AUDiTiON-』
1月15日(金)よりテアトル新宿ほかにて全国順次公開
監督:岩淵弘樹 バクシーシ山下 エリザベス宮地
プロデューサー:渡辺淳之介
撮影:岩淵弘樹 バクシーシ山下 エリザベス宮地 白鳥勇輝
出演:BiSH BiS EMPiRE CARRY LOOSE 豆柴の大群 GO TO THE BEDS PARADISES WAgg オーディション候補生
配給:松竹 映画営業部ODS事業室/開発企画部映像企画開発室
2020年/82分/ヴィスタサイズ/2.0ch ステレオ/(C)WACK.INC
『らいか ろりん すとん-IDOL AUDiTiON-』公式サイト
http://rolin-ston-movie.com/