Googleは11月11日(米国時間)、写真管理サービス「Googleフォト」アプリへのAIを活用した複数の機能導入を発表した。AIによる自然言語検索機能「Ask Photos」が日本を含む100カ国以上で利用可能になるほか、米国で提供中の自然言語による写真編集機能が大幅に強化される。


Ask Photosは昨年米国で先行導入されていた機能で、従来のキーワード検索とは異なり、「昨年訪れた都市はどこ?」や「去年食べたパスタの写真を見せて」といった自然な表現で、より複雑な検索に対応する。AIが写真の内容や文脈を理解し、ユーザーの意図に沿った検索結果を提示する。今回のアップデートで100カ国以上に提供が拡大され、サポート言語に日本語を含む17言語が追加される。

会話型の写真編集機能は、これまで米国においてPixelスマートフォンなど一部のAndroid端末で提供されていた機能である。スライダーやツールを細かく操作する代わりに、「空をもっと青くして」「背景の人物を消して」といった音声やテキストによる指示で画像編集・加工を行える。

米国において会話型の編集機能がiOSアプリにも拡大され、さらに「Ask」ボタンが導入される。タップすると、チャット形式のインターフェースが現れ、表示中の個々の写真について「これはどこで撮影した?」「関連する他の写真を探して」といった質問をしたり、「背景をぼかして」といった編集指示をプロンプトで行える。

新機能として、フェイスグループ機能に登録されている画像を参照し、より精度の高い人物編集を行えるパーソナライズ編集が追加される。これにより、会話型の編集機能を用いて「Aさんのサングラスを外して、Bさんの目を開けて、Cさんを笑顔にして」といった複数の指示を一度に出すことが可能になる。AIはフェイスグループの他の写真を参考に、その人物らしい自然な笑顔や目元を生成・補完する。

今回の機能強化の多くは、Googleの最新の画像編集AIモデル「Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)」の統合によって実現している。これにより、ユーザーは自然言語による説明で自由に画像をアレンジし、思い通りのスタイルを適用できるようになった。


一方で、生成AIのプロンプト操作に抵抗を感じるユーザー向けに、AIテンプレート機能「Create with AI」が提供される。テンプレート形式で、「プロフェッショナルな証明写真を作成」「冬のホリデーカードに私を配置して」といったNano Bananaを用いてよく利用されている編集フローをワンタップで適用できる。Create with AIは、米国とインドのAndroidユーザー向けに提供が開始される。
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