中国シャオミは2026年3月2日、独ライカカメラ監修のスマートフォン「Leica Leitzphone powered by Xiaomi」の国内発売を発表しました。ライカカメラはこれまで、日本でシャープが開発し、ソフトバンクが販売する「LEITZ PHONE」シリーズを展開していました。
シャオミが日本でも「Leitzphone」を販売
日本市場でスマートフォン新機種の積極投入を続けるシャオミですが、2026年3月5日にも新たに、2つのスマートフォン新機種を国内投入しています。
その1つは、2026年2月28日にグローバル展開が発表された最上位のフラッグシップモデル「Xiaomi 17 Ultra」です。2025年に国内で販売された「Xiaomi 15 Ultra」の後継機に当たり、ライカカメラと共同開発した非常に高い性能を持つカメラに大きな特徴があります。
実際、Xiaomi 17 Ultraの広角カメラには、最新の1インチイメージセンサー「Light Fusion 1050L」を搭載し、さらに「LOFIC」と呼ばれる技術を採用することで、花火のように暗い中で強い光が発せられる場面でも、白飛びを抑え明暗を明確に表現できるようになりました。望遠カメラも、2億画素のイメージセンサーに加え、新たに75~100mmの可変式光学ズーム機能を搭載することで、より鮮明なズーム撮影が可能となっています。
そしてシャオミはさらにもう1つ、「Leica Leitzphone powered by Xiaomi」も国内投入しています。こちらはXiaomi 17 Ultraをベースにしながら、カメラだけでなく本体デザインなどもライカカメラが監修した、よりライカカメラらしいデザインのスマートフォンとなっています。
実際、Leica Leitzphone powered by Xiaomiには、赤いライカカメラのロゴが刻印されているほか、側面のフレームも滑りにくいローレット加工が施されたアルミフレームを採用。さらに、カメラリングは回転させてズームやフォーカスの調整などができる仕組みを備えています。
そうした高い性能とライカらしいデザインなどが評価を受け、国内では発売から約1カ月で予定販売数がすべて完売となり、3月31日からは追加で100台を予約販売するなど、販売はかなり好調な様子です。
ただ、日本でLeitzphoneという名称を聞いて、多くの人が思い起こすのは「LEITZ PHONE」シリーズではないでしょうか。
コンセプトはLeica Leitzphone powered by Xiaomiと共通しており、シャープ製のフラッグシップモデルをベースにしながら、デザインやカメラのフィルターなどでライカカメラらしさを多く取り入れているのが特徴。2021年発売の「LEITZ PHONE 1」から2024年発売の「LEITZ PHONE 3」まで、3機種が発売されました。
ですが今回、シャオミからLeica Leitzphone powered by Xiaomiが世界市場に向けて発売され、日本でも販売することを考えれば、今後シャープがLEITZ PHONEシリーズを開発することはないものと考えられます。
ですが、シャープはライカカメラと2020年から協業を開始しており、2022年に提携したシャオミよりも先にライカカメラとの関係を構築していました。それにもかかわらず、ライカカメラ監修スマートフォンの開発がシャープからシャオミに移ったのはなぜかといえば、この5年間でLEITZ PHONEに関わっていた2社を取り巻く環境が大きく変わったことにあるのではないか、と筆者は見ています。
5年で大きく変わったシャープとソフトバンクの事情
その1つは、もちろんシャープです。2020年当時、シャープがライカカメラと協業した狙いは、ライカカメラの技術やブランドを生かしてフラッグシップモデルを強化することにありました。ですが、シャープが主戦場としている国内の市場環境が円安や政府の値引き規制などによって急速に悪化し、高額なハイエンドモデルほど売れなくなってしまいました。
それゆえシャープも、スマートフォンの主軸を売れないハイエンドモデルから、価格が安く確実な需要が見込める低価格モデルへと移しています。実際、シャープは2024年からAQUOS Rシリーズの戦略を大きく変えており、性能的にはミドルハイクラスながら、その分価格が安い「AQUOS R9」への注力を進める一方、最上位のフラッグシップモデル「AQUOS R9 Pro」は従来から半年遅れての投入となっていました。
その傾向は2025年により顕著となり、AQUOS R9の後継モデル「AQUOS R10」は順調に投入された一方で、AQUOS R9 Proの後継モデルは投入されず、最上位のフラッグシップモデルの系譜が途絶えてしまったのです。
そして、フラッグシップモデルへの注力が大きく落ちたことにより、シャープとライカカメラが提携する意味合いが薄まっています。それを示しているのが、AQUOS R9やAQOUS R10です。
両モデルは、ライカカメラ監修のカメラを搭載してはいるものの、それがアピールポイントの中心とはなっていませんでした。どちらかといえば、特徴的なデザインやAI技術を活用した機能などがアピールポイントなっており、ライカカメラ監修であることの重要性が弱まっていたことは確かです。
その一方で、世界市場でも大手でもあるシャオミは、現在もフラッグシップモデルの開発に旺盛で、カメラ関連の機能強化にも積極的に取り組んでいます。そのためライカカメラとしても、シャオミとの関係を強化した方がビジネス的メリットが大きいと判断し、ライカカメラ監修スマートフォンのパートナーを変更したものと考えられます。
そしてもう1つ、ソフトバンクの端末戦略が大きく変化したことも、一連のパートナー変更には大きく影響したものと考えられます。なぜなら、そもそもLEITZ PHONEシリーズはソフトバンクがライカカメラに話を持ち掛けて実現した企画でもあるからです。
ソフトバンクがLEITZ PHONEシリーズを手がけた背景には、端末メーカーの減少が大きく影響していました。ソフトバンクは長年、豊富なラインアップを持つスマートフォン大手のサムスン電子との取引が途絶えていたため、消費者にアピールできる魅力的な端末の調達に苦労してきた経緯があります。
とりわけ2021年は、ソフトバンクとの関係を強めていたLGエレクトロニクスがスマートフォン事業からの撤退を表明したことで、顧客獲得につながる魅力的な端末の確保が、一層大きな課題となっていた時期でもあります。それゆえ、ソフトバンクは顧客を引き付け、他社との差異化につながるスマートフォンをみずから企画する必要があり、その成果の1つがLEITZ PHONEシリーズだったわけです。
ですが、ソフトバンクは2025年にサムスン電子との関係を回復し、同社から安定的にスマートフォンの供給が受けられるようになったことで端末調達の課題が一気に解消。LEITZ PHONEシリーズの継続にこだわる必要がなくなったことも、パートナー変更には大きく影響したのではないでしょうか。
そして今回の動きによって、今後ライカカメラは提携のメリットが薄くなったシャープとさらに距離を置く一方、シャオミとの距離をより一層近づけることは間違いありません。そのことが両社のビジネスにどのような影響を及ぼすのかが、今後の関心を呼ぶところかもしれません。
佐野正弘 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。 この著者の記事一覧はこちら











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