第85期B級2級順位戦(主催:毎日新聞社・朝日新聞社)は、5回戦全5局の一斉対局が東西の将棋会館で行われました。このうち羽生善治九段(1勝2敗)と北浜健介八段(2勝1敗)の一戦は103手で羽生九段が勝利。
快勝で2勝目として上位陣争いに踏みとどまりました。
○こだわりの角交換振り飛車

郷田真隆九段・青嶋未来七段・斎藤明日斗六段の3人が4勝0敗で首位グループを形成する今期のB級2組。上を見る戦いを続けるために両者負けられない戦いが続きます。後手の北浜八段がダイレクト向かい飛車を選択して始まった本局は先手の羽生九段が乱戦志向の角打ちで応戦。とはいえすぐの戦いは回避され、じっくりとした駒組みが始まりました。

羽生九段の駒組みは自然そのもので、自玉そばに連結させた4枚の金銀の堅さが強み。対して駒効率で対抗したい北浜八段は地下鉄飛車からの端攻め逆襲を準備して戦いのタイミングを見計らいました。本格的な戦いが始まったのは夕食休憩前後のことで、羽生九段が後手陣に馬を作ったのを見た北浜八段が玉頭戦をスタート。形勢は先手有利で推移しています。

○お手本通りのダイレクト向かい飛車破り

実戦的な絡みつかれ方をした羽生九段ですが慌てません。敵玉そばに打った金香両取りの桂打ちが期待の反撃で、後手の攻めの主役である香を抜いてしまえば自玉を見ずに攻めに専念することができます。以降が羽生九段の独擅場となったことを思うと、北浜八段としては序盤で自陣四段目に上がらされた左金の活用に工夫が必要だった可能性が残ります。


優勢に転じてからも羽生九段の攻めに乱れはありませんでした。終局時刻は22時53分、最後は攻防ともに見込みなしと認めた北浜八段の投了で羽生九段の2勝目が決定。全体を振り返ると奇をてらわない駒組みで堅さの実利を手にしつつ、後手の左の金銀を遊び駒にさせたままうまく戦機をつかんだ羽生九段の自然な指し回しが光る快勝譜となりました。

注目の次回6回戦は10月28日(水)に各地の対局場で予定されています。

水留啓(将棋情報局)
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