マリオットインターナショナルのホテルブランド“オートグラフコレクション”は、オートグラフ(=サイン)のように、唯一無二のユニークなサービスを提供する240を超えるホテルの集合体。今回は、東京・竹芝にある【メズム東京、オートグラフ コレクション】が用意する世界中ここだけの個性あふれる体験と、隠れた注目ポイントにスポット当てて紹介します。
メズム東京には驚きがいっぱい!
【メズム東京、オートグラフ コレクション】はTOKYO WAVESをコンセプトに、ゲストの五感を魅了するラグジュアリーホテルです。そのユニークな体験は、眺望、音楽、ファッション、料理、サービスと多岐にわたり、ゲストのホテルステイに彩りを加えます。
▲東京・竹芝のウォーターフロントに立つメズム東京 <写真提供:メズム東京、オートグラフ コレクション>
その立地もユニーク。ホテルは複合施設の「ウォーターズ竹芝」にあり、お隣は「JR東日本四季劇場[春]/[秋]」。海側は水辺の風景とボードウォークを楽しめる広場になっていて、目の前には浜離宮恩賜庭園が広がります。ホテル横の桟橋から水上バスに乗れば、お台場や両国、浅草へ、水路でアクセスできる便利さも魅力です。

▲驚きの光景は、レセプションのある16階でエレベーターを降りた時。真正面に東京スカイツリーが立っています
エレベーターを降りると鼻をくすぐるフレグランスの香り。そして遠くにそそり立つ東京スカイツリーのシルエット。日常から非日常へとゲストのスイッチを切り替える、心憎いばかりの演出です。

▲ロビーラウンジの窓には東京の景色が広がります
16階のロビーからは東京の水辺の景色を一望。眼下には浜離宮恩賜庭園が広がり、汐留の高層ビル群や東京スカイツリー、隅田川など、ウォーターフロントのパノラミックな光景が楽しめます。そして夜になれば隅田川に架かる築地大橋や勝鬨橋のライトアップも見事です。
魔法をかけて魅了するホテル
メズマライズ=「魔法をかけて魅了する」という言葉から名付けられたメズム東京。開業準備から携わってきた総支配人の生沼久氏こそ、その魔法をかけた張本人と言える存在です。

▲総支配人の生沼久氏
物心ついたころにはバイオリンを始め、ピアノは7歳から。将来の夢は音楽家だったという生沼氏。高校時代にはイギリスのミュージシャン、デビッド・ボウイに心酔し、大学では髪を金髪に染めバンド活動に夢中になったとのこと。そして服も遊びもカルチャーも、流行は全部を追いかけた青年だったとか。今でも前髪を上げてサイドを流す髪型“ポンパドール”にこだわります。「そんな体験の多くがこのホテルになっているんです」。

▲生沼氏がこだわるファッションや髪型は、スタッフの容姿にも現れます
ホテルのスタッフは、メズムという世界観を体現する表現者として“タレント”と呼ばれます。舞台挨拶をする俳優たちのように、胸に手をあてて挨拶をする凛々しい姿が印象的。タレントのユニフォームは、ヨウジヤマモトのユニセックスなブランド「Y’s BANG ON!」をベースにした特注で、男女とも同じデザインを着こなします。
さらにプロのメイクアップアーティストにより、東京のモードスタイルを体現するY’s BANG ON!のユニフォームに似合い、かつタレント1人ずつの顔かたちに合わせたメイクと髪型が決められています。タレントによってはメッシュを入れたり金髪にするなど、通常のホテルではありえない個性を表現しています。
最高の音響システムとゲストの心を掴む音楽
音楽家を目指し、バンドに明け暮れた生沼氏。ホテルのコンセプトを作るにあたり、まず初めに考えたのが音楽。開業の1年以上前、最初に購入した備品がビンテージ・ピアノというのも生沼氏らしさです。さらに館内の音響機器や選曲にもこだわります。

▲どこにいてもいい音で、いい音楽を聴けるサウンドシステム
ヤマハの高音質な音響機器を導入し、音響設計は専門家に依頼。隣接するロビーとレストランの音楽が交わらないよう設定するほか、ロビーと同じ空間にあるフロントは、ゲストとのやりとりに支障が出ないよう、音楽が流れ込まない音響設定をしています。

▲ロビーの天井の黒い梁には、目立たない棒状のラインアレイスピーカーをマウント。ロビー全域に明瞭なサウンドを均一に放射します
ゲストの会話の邪魔をせず、最高のシステムで質の高い音を聴けるラウンジやレストラン。選曲はジャズやポップなどジャンルにとらわれず、昼間は軽快な曲に振り、夜はビートの効いたリズムがキュレーターのセンスで選ばれます。館内で流れる音楽に、ぜひ耳をかたむけてみてください。

▲毎晩19時と20時30分の2度、ロビーで開催されるライブパフォーマンス「ショーケース」。生沼氏が一目ぼれしたビンテージ・ピアノが活躍する夜もあります
演奏者はプロ・アマ・学生を問わずオーディションで選ばれ、曲のジャンルは自由。そして演奏の条件は「演奏者が一番テンションの上がる曲を、思う存分弾くこと」。
絵画の世界感をアフタヌーンティーとカクテルに
“画家のアトリエ”をコンセプトにしたバー&ラウンジ「Whisk(ウィスク)」では、世界的な名画を題材にしたアフタヌーンティーやミクソロジーカクテルを用意。好奇心を刺激されるひと時を過ごせます。

▲バー&ラウンジ「ウィスク」
人気のアフタヌーン・エキシビジョン“午後の展覧会”は、世界的に有名な絵画をテーマにしたアフタヌーンティーを用意。写真は2023年3月31日まで行なわれているオーストリアの画家クリムトの「接吻」がテーマ。過去には、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」やダ・ヴィンチの「最後の晩餐」など、クリエイティブなスイーツや画家の生きた時代に触れられるセイボリーを用意します。

▲人気のアフタヌーン・エキシビジョン
バータイムも創造性豊か。もちろんビールやウイスキー、カクテルなどもありますが、ユニークな体験ができるのは、有名な絵を題材にしたカクテルやノンアルコールモクテルの“ミクソロジーカクテル”です。

▲ゴッホの名画「ひまわり」をカクテルで
ひまわりの花はドライパイナップル。テキーラをベースにパイナップルジュースやレモンジュースが使われ、ヒマワリの蜂蜜がアクセント。フォトジェニックなカクテルです。
“アルジャントゥイユの庭で制作するモネ”をオマージュしたジンベースのカクテルは、画家のパレットに見立ててフルーツのピューレを絵の具のように落とし愉しむ趣向です。

▲印象派の巨匠クロード・モネが7年間を過ごし、数々の風景画を描いたパリ郊外の町の名がつけられたカクテル「アルジャントゥイユ」
このほか北斎の「神奈川沖浪裏」やムンクの「叫び」、ミレーの「落穂拾い」など、名画をイメージした多彩なアートカクテルを提供。カメラの用意もお忘れなく。
他ではできない食事体験「シェフズ・シアター」
本格的なフレンチを、シェフの劇場空間にみたてたレストラン「Chef’s Theatre(シェフズ・シアター)」でいただきます。多彩なアラカルトはもちろんですが、絶対的にクリエイティブで、ここでしか食べられないランチとディナーのコースには注目です。
世界に知られる物語をテーマに作り上げたコース料理は、観劇をするように料理を味わうアヴァンギャルドな試みです。現在提供されている「ロミオとジュリエット」の他、過去には「オペラ座の怪人」や「オズの魔法使い」を用意。物語の前半をランチで、後半をディナーで楽しむ“味の劇場空間”です。

▲シェフズ・シアター
「シェフズ・シアター」の隈元香己シェフは、ホテルメトロポリタン エドモントで2008年の北海道洞爺湖サミットの総料理長を務めた中村勝宏ムッシュに師事。自身もサミットの厨房に立っています。フレンチの命とも言われるこだわりのソースはことに絶品。王道のフレンチを味わえます。
そのうえ物語に合わせて盛りつけられた料理は味の予測が困難なため、口に入れた瞬間に驚かされる趣向です。物語の主人公になったつもりで“味の冒険”を楽しんでみてください。

▲2023年5月31日まで提供される「ロミオとジュリエット」。ディナーのアミューズは、ロミオが宿敵ティボルトを刺し殺してしまうシーンからはじまります
「メズムブレックファスト」は、栄養価の高い野菜を使ったフランス定番のお惣菜や、人気の自家製デニッシュなど、味と素材にこだわった料理を楽しめるフルブッフェスタイルの朝食です。

▲「メズムブレックファスト」
朝からワクワクするメニューが「五感ドリンク」。5種類の飲み物が五感を刺激して身体の目覚めを呼び起こします。発酵飲料の「コンブチャ」、身体をととのえる乳酸菌飲料「ミルージュ」、繊細な味わいの「水出し玉露」、バルサミコ酢の入ったぶどうジュースで嗅覚と舌先が目覚める「ビネガードリンク」、そしてさわやかな酸味と甘味が楽しめる「温州みかんジュース」が並びます。

▲5種類の味で五感が目覚める「五感ドリンク」
シェフズ・シアターのこだわり料理と言えば、厳選した素材で作られる他では食べられないオムレツです。10数種類もの卵の中から吟味された平飼いの高級卵を、エシレバターで焼き上げたオムレツは中身がフワフワ。好みの具材をオーダーするとシェフが目の前で調理します。ぜひじっくりと味わってみてください。
さらに、話題のべーカリー「シニフィアン シニフィエ」の自家製酵母を使って焼き上げた深い旨味と程よい酸味が楽しめる「シニフィアン・サンドイッチ」も注目です。

▲濃厚なビスクソースをたっぷりかけていただいたオムレツは絶品。日替わりで提供されるラクレットチーズのソースも甲乙つけがたい美味しさです
ブッフェには、自家製の日替わりスープも用意。

▲「手間ひまかけた滋養たっぷりのダブルコンソメスープ」は貴重な体験になるはずです
白さにこだわった「yumiko iihoshi」のテーブルウェアは、業務用ではとても珍しいマットカラー。ホテルユースが可能な耐久性をだすため、1年以上かけて開発されたこだわりの品。購入も可能です。

▲静謐な美しさをまとう「yumiko iihoshi」のテーブルウェア
客室に宿るメズム東京のスピリット
客室は物語に例えられ、40平米の「chapter 1」から180平米の「chapter 4」まで4タイプの間取りを用意します。開放感抜群のバルコニーを備えた、浜離宮恩賜庭園を一望できる客室が人気です。特に注意を払ってほしいものが、タオルやルームウェア、バスソルトなど、高機能な製品をそろえていること。何気なく使うものにも最高の機能を求めるホテルの意思が伝わります。

▲一部の客室に飾られたベアブリックをスマホでフラッシュ撮影すると、NINJAINKで模様が現れダルマに変身します

▲スタンダードタイプの「chapter 1」は、ツインとキングベッドの2タイプ。40平米
アフタヌーンティやカクテルは絵画をモチーフにする半面、ホテルの客室に定番となっている絵などのアートは、一部の客室を除いて飾りません。最も素晴らしい画は、窓の外に見えるからです。

▲開放感抜群のバルコニーもメズム東京だからこそのビュースポット
窓すら開かないホテルが多いなか、広いバルコニーを備えたホテルは東京ではたいへん貴重。昼間も夜も明方も、水と緑、高層ビル群とが調和する景色を望めます。

▲五感を魅力する象徴として、全ての客室にはデジタルピアノを用意します
客室に備えたタブレットには、ピアノ初心者のためのチュートリアルや、本格的な楽譜が納められるほか、照明やエアコンの操作、部屋に用意された猿田彦珈琲の淹れかたや抹茶の点てかたなどもプログラムされています。

▲シックな雰囲気のパウダールーム
客室のタオルは、ラグジュアリーホテルでよく見る大きくて厚手なものではなく、ミニマムながらも吸水性が1.5倍以上ある浅野撚糸が開発した「スーパーZERO」を使用。水分をよく吸収するほか、乾燥が早いうえ、軽くて扱いやすい高機能なタオルです。
着物を思わせる帯で留めるバスローブ兼部屋着の「KIMONOローブ」は、吸水性が高く速乾性に優れるニットを採用。生地が分厚くゴワゴワしているバスローブにくらべ、サラリとした軽い着心地と特別感のあるデザインが、上質な気分を盛り上げてくれます。

▲軽やかな薄手の部屋着は驚きの着心地で、購入するゲストも多いとか
1599年に製塩業を創始した馬居化成工業が運営する「NEHAN TOKYO」の入浴剤エプソムバスソルトは、純度99.99パーセントという最高純度の硫酸マグネシウムを含み、スポーツ選手などが凝りや疲れをほぐすアイテム。バスタブに注いで魔法をかける趣向です。

▲ホテル専用に開発された「NEHAN TOKYO」のエプソムバスソルト
通常ホテルで使うボディタオルは細長いタオル型で、洗ううちに延びてしまいますが、こちらは二重構造になっていてほぐれることがなく、洗いやすさと泡立ちも抜群。固すぎず柔らかすぎず、ストレスフリーで洗えます。生沼氏は自宅でも利用しているとか。持ち帰って家でも使うべき逸品です。

▲身体を洗うボディタオルにも驚きが

▲アメニティを納めたボックスは、全ての製品を取り出すと、こんなカードがみつかります。食の冒険? 芸術の発見? それとも音楽の興奮? 続きはまたメズム東京で!
新しくオープンしたホテルには、総支配人の個性とアイデアが込められていると言われます。マリオットインターナショナルのホテルブランド【メズム東京、オートグラフ コレクション】も、そんなホテルのひとつ。音楽、ファッション、料理、数々の設備や備品、そしてタレントたちのホスピタリティ。その全てを見逃すことなく、体験してみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 予約・問:メズム東京、オートグラフ コレクション https://www.mesm.jp>