2021年に開業した星野リゾートの温泉旅館【界 霧島】。全ての客室から霧島高原と錦江湾に浮かぶ桜島を一望できる絶景の宿。
|その土地の魅力に触れる旅館ステイ
宿がある地域の魅力をブランドの名【界】に込めた温泉旅館です。界 霧島では神話や風土、文化や食を体験することでその土地の世界観に触れ、旅人の好奇心を刺激します。
▲神話が息づく高千穂峰の中腹にある宿です
霧島錦江湾国立公園内の標高約650メートルに位置する界 霧島。634メートルの東京スカイツリー(R)とほぼ同じ高さから霧島高原を見渡せるほか、気候によっては40キロ以上の視界を満喫できる絶景を誇ります。

▲フロントを飾る神話の逆さ鉾
装飾を抑えたフロントカウンターの背後には、薩摩和紙を使った日本の伝統模様 “麻柄” の立体アートが飾られます。さらに宿がある高千穂峰は『天孫降臨』神話の舞台で、山頂に降り立った瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が突き立てた逆鉾から着想を得たオブジェを、フロント前のベンチに再現。神話の世界への入口が現れたようなしつらえです。

▲スタッフのユニフォームにある霧島をイメージした柄
界のユニフォームの襟と袖には、宿のモチーフが表現されています。深い緑色はエネルギーをはらむ大地を表わし、図案のモチーフには天孫降臨神話が宿る高千穂峰や霧島連山、伝統工芸品の薩摩切子が採り入れられています。

▲高千穂峰を描いたタペストリーがかかるトラベルライブラリー
フロントから客室へ向かう途中にあるラウンジ兼トラベルライブラリー。

▲フリードリンクは地元のお茶で
宿がある霧島高原はお茶の名産地。鹿児島空港の周囲にも一面の茶畑が広がります。トラベルライブラリーには「プレミアム霧島煎茶」や「あさのか有機煎茶」などの霧島茶が用意され、滞在中はいつでも自由に飲むことができます。
|全室が眺望抜群「薩摩シラス大地の間」
49部屋ある客室すべてが地域の文化を感じられるご当地部屋の「薩摩シラス大地の間」。客室が桜島側に向いているので、気象条件がそろえば桜島の雄大な景色を楽しめます。そのうち露天風呂を備えた部屋は19室。湯船に浸かりながら霧島高原と桜島を望めます。

▲究極の眺望を満喫できる3室だけの特別室
大パノラマが展開するご当地部屋「薩摩シラス大地の間」の中でも、究極の眺望が満喫できる「薩摩シラス大地の間 特別室」は別格の景色に出会えます。ぐるりと3方向のパノラマが目の前に広がる客室で、露天風呂も付いた3室だけのスペシャルルームです。

▲霧島の大自然の中を空中浮遊しているような劇的空間
特別室には建物から張り出したガラス張りのパノラマルームを備えていて、柔らかなマットの上でくつろぎながら270度の絶景を満喫。写真左手の小高い峰が、ニニギノミコトが降臨し9本の逆さ鉾を突き立てた高千穂峰(1,574m)。神話の舞台を間近に見られる驚きの客室です。

▲シラス壁のヘッドボード
鹿児島県のほぼ半分の面積を占める火山性の噴出物「シラス」。水はけが良すぎるため、地質に合ったサツマイモやお茶が生産されるほか、保湿性に優れ、調湿機能や防臭効果があるので壁材としても使われます。壁には火山灰を使って霧島の山並みが描かれています。

▲鹿児島の伝統工芸品
館内や客室内には薩摩藩の重要な財源として奨励された伝統工芸品が飾られます。大島紬のアートや、天井の照明に取り付けられた薩摩切子、薩摩錫の花瓶などが部屋に彩を添えました。

▲優しい灯りの薩摩和紙の照明
江戸時代はじめから薩摩藩の財源として盛んだった和紙作り。客室を優しく照らす照明にも、花の模様が漉き込まれた薩摩和紙が使われています。

▲ルームキーには神話にまつわる薩摩ボタンが使われています
ルームキーには、鹿児島特有の白土(シラス)を焼いた薩摩焼「白薩摩」に、繊細な模様を描き込む薩摩ボタンがはめ込まれ、『天孫降臨』のワンシーンが描かれています。界ブランドの宿に必ず用意されるアメニティを包んだ風呂敷は、霧島の自然やお茶に通じる深い色でした。

▲チェックイン時にいただいた記念のカード
桜島の形に切り抜かれたカードには、食事の時間が書かれていました。

▲窓を開けると解放感抜群の露天風呂に
客室の露天風呂にも大浴場と同じ単純硫黄泉が注がれています。この日は見えませんでしたが気象条件がそろえば桜島も望めます。
|大浴場から眺める原風景
大浴場は客室棟から50メートルほど下だったすすき野原にある湯浴み小屋です。露天風呂からは原野が広がり、神話の時代から続く原初の風景を見ているような体験です。

▲温泉について学ぶ「温泉いろは」
温泉に詳しいスタッフが、湯浴み小屋での効果的な入浴方法を伝授してくれる無料の講座です。

▲湯浴み小屋へはスロープカーで向かいます
自動運転のスロープカーはエレベーターの操作に似ていて、片道3分半ほどで宿泊棟とすすき野原を往復しています。

▲すすき野原に佇む湯小屋へ向かいます
神話の時代がそのまま残っているようなすすき野原を、ボードウォークが湯浴み小屋へと続きます。春になると途中の桜が目を楽しませてくれるのだとか。

▲温泉を楽しむためだけに作られたようなシンプルな木造の内湯
温泉は数種類の源泉を使った混合泉で、泉質はpH5.6の単純硫黄泉。まずは37度のぬる湯で身体を慣らし、しっかり温まる41.5度のあつ湯を楽しむのがおすすめの入り方。

▲すすき野原が広がる露天風呂
湯船に体を沈めると、目の前のすすき野原がインフィニティバスのように広がって、まるで日本の原風景を見ているようなひと時です。

▲スロープカーの終点にある「湯上がり処」
湯上がり処はラウンジになっていて、椅子と寛ぐためのクッションが並び、屋外テラスにはテーブルが出ています。柚子レモン黒酢や温泉水、アイスキャンディーが用意されているので入浴前後の水分補給やクールダウンに最適です。そのうえ、窓の外に広がるすすき野原と湯浴み小屋は、いつまでも見ていたくなる風景です。
|多彩な “霧島体験” が待っています
雄大な眺望を満喫しながら焼酎とオリジナルアイスのペアリングを楽しんだり、体が目覚める朝の体操や、躍動感たっぷりの演舞披露など、霧島の味や伝統を楽しむ時間がちりばめられています。

▲眺望の素晴らしいビューテラス
フロントがある3階にはビューテラスが24時間オープン。客室とは雰囲気の違う広い開口部からは広大な霧島高原を見晴らせます。夜にはファイアーピットに火が灯り、遠くに輝く街の灯りや鹿児島空港の照明を見られます。

▲「だれやめセット」 1名¥1,300、15時~22時
ビューテラスや客室など好きな場所で楽しめる「だれやめセット」。“だれやめ” とは南九州の方言で晩酌のこと。大和桜酒造の焼酎「大和桜 紅芋」と、日置市にある梅月堂のラム酒が利いたアイス最中「ラムドラアイス」をセットで楽しめます。ハト燗に入った焼酎とのペアリングは美味しい組み合わせです。

▲上生菓子とともに霧島茶を楽しむ「茶一杯(ちゃいっぺ)」 ¥1,000
日本以上に海外で注目されている日本茶。鹿児島県姶良(あいら)市の「あじ福」による界 霧島オリジナル上生菓子と、霧島茶のセットです。チェックイン時にフロントで予約して、ビューテラスや客室などで楽しめます。薩摩焼の窯元「沈壽官(ちんじゅかん)窯」の茶器でいただくほのかな甘みのある煎茶に添えて、この日は桜島をイメージした春の上生菓子を用意。

▲神話を題材にしたご当地楽
毎晩9時15分からトラベルライブラリーで演舞仕立ての「天孫降臨ENBUヒを披露。天照大神(アマテラスオオミカミ)の孫である瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が、猿田彦(サルタヒコ)の案内で地上に降り立ち日本が建国する『天孫降臨』神話を、太鼓や神楽鈴を使い躍動感あふれる舞で披露。感動のひと時です。

▲体が目覚める「天孫降臨体操」
朝7時からは玄関前で『天孫降臨』をイメージした体操が行われます。神様が下界を見下ろしたり、地上に降り立つ仕草を採り入れた体操で、早朝の清々しい空気の中で鳥のさえずりを聞きながら、体を目覚めさせます。その後の朝風呂も気持ちよく、朝食も美味しくいただけます。
日本の国造りにかかわる『天孫降臨』神話に彩られた霧島の峰。星野リゾートの温泉旅館【界 霧島】は、神話と雄大な自然、地元の伝統工芸品にくわえ、霧島茶や鹿児島名産の焼酎など、五感で感じられる滞在を用意。遥かなる時を超える体験を、満喫してみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 予約・問:界 霧島 https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaikirishima/>