そんなドイツの美城から今回紹介するのが、ドナウ川のほとりに佇むジグマリンゲン城。ドイツからオーストリア、ハンガリーなどを経て黒海へ注ぐドナウ川の上流に位置し、川越しに臨む壮麗な城の姿は息をのむほど美しいです。
ジグマリンゲン城について以前紹介した際は内部の撮影が禁止されていたため外観のみの紹介でしたが、現在は城内撮影が可能。素晴らしい調度品が並ぶ各部屋の様子を、順を追ってみていきましょう。
ジグマリンゲン城は、ドイツ皇帝を輩出した名門ホーエンツォレルン家の筋を引くホーエンツォレルン・ジグマリン家が所有するお城。元あった要塞跡に城が建てられたのは12世紀のことで、17世紀の改修により現在のようなルネサンス様式へと変貌を遂げました。
巨大な城内には380もの部屋があり、その一部が城博物館として一般に公開されています。

さて、城内への入口となるのがこの中庭。

城の入口には、一家の紋章が誇らしく掲げられています。

入ってすぐのエリアは、派手さを抑えた優雅な雰囲気。階段手すりの模様や街灯風のランプなど、細かい所にまで手が込んでいるのが分かります。

一家の肖像画が飾られたサロン。

そんなサロンとは対照的に、重厚な雰囲気が漂うのは応接の間。ここでゲストを迎え入れたほか、カードゲームなどが興じられたのだそうです。

写真の左側に写っているソファーにも注目を。かつて貴族の女性はスカートの幅が広いドレスを着ていたため、そんな女性ゲストでもゆったり座れるようにソファーもかなり大きめになっています。

食事の間は、壁や天井の装飾、いくつも掛けられた巨大なシャンデリアなど、とにかく全てが豪華。ちなみに城内は、現在でもジグマリン家の祝賀パーティーといった行事などに使われる事があるのだそうです。
こんな豪華なお城でパーティーだなんて、まさにドイツ名門一族のすごみを見せつけられているようでもあります。

食事の間から続くのは、歴代城主の肖像画がかかげられた「祖先の間」。それまで「騎士の間」だったものを18世紀に改装した部屋で、ここには26枚の肖像画が掲げられています。

さて、豪華絢爛な部屋の数々を見た後は、武器庫を訪れるのも忘れずに。甲冑や砲弾、剣がずらりと並ぶ様子は迫力たっぷりです。
ドナウ川のほとりに立つ壮麗なジグマリンゲン城。ドイツのお城はアクセスが面倒な所も多いですが、こちらは駅から徒歩5分と行きやすいのも特徴です。
ドイツ皇帝を輩出した名門一家のお城で、つかの間の非日常な世界を味わってみてはいかがでしょうか。
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