ドイツでも今年は2月の最終週に各地でカーニバルのパレードが開催されます。
ドイツのカーニバルと言えば、マインツをはじめとしたライン川流域の都市で開催される賑やかなお祭り騒ぎのカーニバルを想像する方が多いかもしれません。
しかしドイツのカーニバルは地方ごとに様々な特徴があり、同じカーニバルでも場所によって雰囲気が全く異なるのです。
特に黒い森で開催される伝統的なカーニバルでは、ナロと呼ばれる愚者の面を被った人々が街の中を練り歩き、ライン川流域で開催されるどんちゃん騒ぎのカーニバルとはまた違った面白さがあります。
今回はそんな黒い森の中にある街、フィリンゲンのカーニバルを紹介します。
この地方ではカーニバルを「ファスナハト」または「ファスネット」と呼びます。ナロ達の体には大きな鈴がいくつも付けられており、彼らが歩くたびに「ジャンジャン」と少し不気味な鈴の音が轟くのです。
ナロ達の顔をよく見てみると、皆それぞれ微妙に違う表情をしています。微笑んでいる様なナロもいれば、おどけたような顔をしている者もいて、見ていてとても興味深いです。
彼らは「ホーッホッホッホ」と笑っているような声を出したり、「ナリ―!ナロ!」と言いながらお菓子や飴を投げていきます。ナロ達に同じように掛け声とかければ、こちらにお菓子を投げてくれるのです。
中にはひげを生やしたナロも。彼はおそらく上の立場にいる役人を表しているのかもしれませんね。
こちらの女性たちが身につけているのは、フィリンゲンの伝統衣装です。頭の被り物がとても可愛らしく、そのにこやかな表情に合っています。
また赤ちゃんを乳母車に乗せているお母さんたちのパレードもありました。乳母車に乗っているのは、本物の仮装した赤ちゃんです!乳母車も昔のものを再現した作りになっており、大きな車輪がレトロ感を出していて素敵でした。
こちらにいる馬は耳に太いソーセージが掛っています。ちょっとコミカルな姿で思わず笑ってしまいますね。
気を付けないといけないのが、このいたずらっ子たちです。手に持っている木のおもちゃが伸びてきて、あっという間に帽子を取られてしまいます。帽子はすぐに返してくれますよ。
古くからの伝統が息づく黒い森のカーニバル。今年の開催は、2月27、28日に各地でパレードが予定されています。2月後半といえどドイツはまだまだ寒いので、寒さ対策には注意が必要です。
そしてカーニバルが終わればドイツの春もすぐそこです。
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