
RoomClipユーザーの素敵なキッチンを紹介する「憧れのキッチン」連載。
今回は、ご夫婦で焦らずじっくり家とインテリアづくりを楽しむBlossom24さんに、セルフリノベーションされたというキッチンのこだわりや魅力をお伺いします。
仕事は外資系航空会社の客席乗務員、夫と二人暮らし。2021年3月今の家を購入。コロナ禍で夫婦揃って出勤が減り、家にいる時間が多かったので、18か月かけて壁の漆喰を除いた全ての部屋、キッチン、お風呂を全て自分達でリノベーションしました。休みの日はゆっくりお料理したり、お庭のお手入れをして過ごします。
夫婦でつくった、究極のシンプルスタイル
イギリス在住のBlossom24さんご夫婦のお住まいは、文化や歴史を感じるファニチャーとモダンなディティールが違和感なく手を取り合う素敵な空間です。ダイニングの壁の四角い開口から覗いているのが、今回拝見させていただくキッチン。まるで絵画のような絵になる空間にはどんなこだわりや思いが詰まっているのでしょう。まずは、キッチンづくりのテーマから教えてください!
Blossom24さん「極力遊びをなくし統一感を突き詰めながら、採寸からデザイン、製図、組み立てまで全て自分たちだけで仕上げました。最大のテーマは『つまらないほどシンプルなデザイン』。それと併行して、収納が多く取れる仕様にもこだわっています。メインカラーは絶対にグレージュと決めていたので、ワークトップや壁、オーブンはそれに合う色で選んでいます。」
■イマジネーションが膨らむ独立した空間

『つまらないほどシンプル』でも、そこへのこだわりが深いからつまらないどころか奥深い……その矛盾になんだか心がくすぐられます。シンプルって、真っ白なキャンバスのように想像力を制限しません。だからそれは、毎日にワクワクというスパイスを絶え間なく注いでくれるのではないでしょうか。
そして、Blossom24さん宅のキッチンは一部がダイニング側にひらけていますが基本は独立型。
■キーワード1 強い想いを込めた、つまらないほどのシンプルさ


「ユニットのドアのサイズやデザインが、全て同一になるように心がけました。プロのキッチンデザイナーの方からは横デザインのユニットなども勧められたのですが、統一感を持たせるために『つまらないほどシンプル』がデザインの軸だったことがあり、お断りさせていただきました。冷蔵庫もこのユニットの中に収納して、とことんノイズレスに仕上げています。」
■キーワード2 ひと目惚れし、待ち焦がれたスプラッシュガードのタイル


「オーブンレンジのスプラッシュガードをガラス1枚にするか、タイルにするかは最後まで悩みました。数軒のタイル屋さんを見て周り、ひと目惚れしたのがこのタイルでした。スペイン製で、コロナ禍に被ったこともあり入荷は1か月遅れ。諦める寸前でしたが、なんとかできあがりました。タイルの間のセメントも白ではなく、グレーにしたのがこだわりです。」
■キーワード3 ほんのりレトロにアクセントを添える、見せる収納棚


「全体的にシンプルなキッチンにしましたが、アクセントは欲しかったのでDIYで見せる収納棚を追加しました。少しレトロっぽくしたかったので、棚の支え板も頑張って曲線に糸のこで切り出しました。」
キッチンをもっと素敵にするためのアドバイスがあれば教えてください

「とにかく資料をたくさん集めて、自分の好みを知ることがまず最初に大切だと思います。
まとめ: シンプルは奥深い

Blossom24さんご夫婦が目指した『つまらないほどシンプル』は、その言葉とは裏腹にお話を聞けば聞く程奥深いことが分かります。セルフリノベーションでそれを突き詰めているというのも注目すべきポイント。キッチンづくりの可能性の広さを実感しました。
『これが一般的、これとこれを組み合わせた方がいい』こうした既定路線も確かに大切ですが、そこから一歩遠のいて見える景色もやっぱり魅力的。ふたつを組み合わせてもきっと面白い化学反応が得られます。でもまずはアドバイスにもあるように、自分の好みのスタイルを焦らずじっくり見つけてみてください。Blossom24さんご夫婦の工夫やこだわりは、憧れに近付け、理想を超えるためのヒントになってくれるはずです。
執筆:RoomClip mag 編集部