2020年8月4日、マンチェスター・シティはバレンシアのU-21スペイン代表FWフェラン・トーレスを5年契約で獲得をした。彼は間違いなくプレミアリーグで大活躍することとなるだろう。
しかし、シティは2017年にユース選手であったジェイドン・サンチョ(現在ボルシア・ドルトムント)を手放さなければ、トーレスに2100万ポンド(約29億円)をかける必要がなかったかもしれない。
サンチョだけではない。マンチェスターの2つのクラブ、シティとユナイテッドは多くの若手選手を手放し、損したケースが複数ある…。

ポグバ
2009年から2012年にかけてユナイテッドのユース選手だったMFポール・ポグバは同クラブでプロデビューをし、わずか3試合に出場してからフリートランスファーでユベントスへ移籍した。
ビアンコネーリ(ユベントスの愛称)にとっては欠かせない存在となり、2015/2016シーズンからミシェル・プラティニ、ロベルト・バッジョ、アレッサンドロ・デル・ピエロなど、多くのレジェンドが背負ったエースナンバー10番を任されることとなった。
そして、2016年8月8日に再びユナイテッドに戻ることとなった。その移籍金は当時のサッカー界における史上最高額、1億500万ユーロ(約119億円)である。

ピケ
DFのジェラール・ピケは1997年に10歳の年でバルセロナのアカデミーに加入し、現在もそのクラブの歴史を描いている。
彼はずっとブラウグラナ(バルセロナの愛称)の選手だったわけではない。まだユース選手だった2004年にユナイテッドに移籍し、プレミアリーグのクラブでプロデビューを果たしたのだ。
しかし、ユナイテッドの監督だったアレックス・ファーガソンは彼にあまり注目してなかったようだ。出場チャンスに恵まれなかったピケはレアル・サラゴサ にレンタル移籍。その後スペインで育ててくれたバルセロナに戻ることとなった。
その日からピケはスペインのスーパースターとなった。

ラビオ
多くの人は知らないかもしれないが、現在ユベントス所属MFアドリアン・ラビオはプロになる前に数多くのユースチームを回ることとなった。その1つはシティだ。(2008年)
しかし、唯一ラビオにポテンシャルを感じたのはパリサンジェルマン(PSG)だった。2012/2013シーズン、監督であったカルロ・アンチェロッティは彼の才能を見極めた。ラビオはわずか17歳でPSGの選手としてプロデビューを飾ることとなった。
ラビオは未だに25歳だが、リーグ・アン優勝6回、クープ・ドゥ・ラ・リーグ(フランスリーグカップ)優勝5回、セリエA優勝1回など、すでに21冠のトロフィーを手にしている。

トリッピアー
ユナイテッドの2人のサポーターの間に産まれたものの、現在アトレティコ・マドリード所属DFキーラン・トリッピアーは10年ほど(1999-2008)シティのユース選手としてプレーをしていた。
しかし、トリッピアーはシティとプロ契約を結ぶことができたものの、同クラブではプロとして一戦も戦わずにバーンズリーへとレンタル移籍となった。
その時から彼の本当の力を発揮することとなる。バーンリー時代(2011-2015)にはチームの守備の要となり、170試合に出場することとなった。そして2015年6月にトッテナムへと移籍。2018/2019シーズンにはCL決勝戦までにたどり着くことができた。