残すところ2ヶ月弱で欧州大手リーグ(プレミアリーグ、セリエA、ラ・リーガ、ブンデスリーガ、リーグ・アン)の2020/21シーズンも幕を閉じ、夏の移籍期間に突入する。
今年も多くの選手の売買が予測されているが、なかでも注目を集めそうなのは、バルセロナのリオネル・メッシをはじめとする、ビッグクラブにおいて未だ契約更新をしていないスター選手達の移籍の行方である。
ここでは、バルセロナ、ユベントス、レアル・マドリード、バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティ、パリ・サンジェルマン、チェルシーにて、現時点で契約更新を行っておらず、今夏移籍の可能性がある注目のスター選手8人の状況をまとめてみよう。

リオネル・メッシ
2020年8月に行われたチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝。バルセロナがバイエルン・ミュンヘン相手に2-8で敗北を喫すると、すでに不安定だったアルゼンチン代表FWリオネル・メッシとフロントとの関係が大きく悪化。2020年夏の移籍市場では高い確率で同選手が移籍すると予想されていた。
昨夏は最終的にバルセロナに残ることとなったメッシだが、同クラブとの契約は2020/21シーズン終了で満了となり、現在マンチェスター・シティやパリ・サンジェルマン(PSG)などのクラブが移籍先候補に浮上している。
しかしながら、先月7日にかつてバルセロナ会長であった(2003-2010)ジョアン・ラポルタ氏が再び会長に就任したことで、メッシがブラウグラナ(バルセロナの愛称)に残る可能性は高まったようだ。2人の間にある信頼関係は、メッシの移籍を塞ぐことができるだろうか?

ジャンルイジ・ブッフォン
今年1月28日に43歳となったユベントスの元イタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォン。この年齢となっても現役引退するつもりはなく、むしろメインGKとして活躍できる方法を探しているようだ。
ユベントスで多くの試合に出場するのは難しいことから、ブッフォンに残されている道は移籍のみだと思われる。夏の移籍市場ではアメリカやUAE(アラブ首長国連邦)など複数の他国クラブからのオファーが予測されているが、世界中のサポーターがブッフォンに夢見るのは同選手の発射台となったパルマへの復帰だ。
パルマのユニフォームを纏ったブッフォンは、1999年にUEFAカップ、コッパ・イタリア、スーペルコッパ・イタリアーナの3冠達成に大きく貢献し、同クラブに勝者の景色を見せた。

セルヒオ・ラモス
レアル・マドリードでの最多タイトル獲得選手ランキング2位であるスペイン代表DFセルヒオ・ラモス(1位は1953-1971年所属のフランシスコ・ヘント)。
2005年からマドリードのゴールを守り、リーガ5回(2006/07、2007/08、2011/12、2016/17、 2019/20)CL4回(2013/14、2015/16、2016/17、2017/18)など数々の優勝をしてきたが、今夏は契約満了に伴い同クラブを離れる可能性が高まっている。
基本的に35歳以上の選手には1年間の契約更新のみを提案する方針のマドリードだが、ラモスには2年契約を提示した模様。しかし、現行契約から年俸額10%を引き下げられることに対して同選手は不満を抱いているようで、契約更新は難航していると言われている。

ルカ・モドリッチ
毎年、移籍期間が近づく度にレアル・マドリード退団の噂が流れるクロアチア代表MFルカ・モドリッチは、現在も同クラブを離れずに活躍を続けている。
現契約は6月に満了を迎え、3月中旬にクラブと選手はすでに1年間の延長に合意している模様。しかしながら、公式発表がまだ行われず、今後のことは不明のままである。
2018年にバロンドールを受賞したモドリッチに現在興味を示しているのは、かつての所属先のトッテナム・ホットスパー(2008-2012)だ。スペインの『El Chiringuito TV』によると、トッテナムのジョゼ・モウリーニョ監督は、2020年12月にモドリッチに直接電話をかけ入団を進めている。

ジェローム・ボアテング
契約満了となるこの夏をもって、ドイツ代表DFジェローム・ボアテングはバイエルン・ミュンヘン時代の幕を閉じることとなるだろう。
バイエルンは、同選手との契約延長をしない決断をしたようで、現在セリエAのインテル、ユベントス、ミラン、ナポリ、またプレミアリーグのアーセナルとチェルシーが移籍先候補に浮上している。
ボアテングは10年前にバイエルンに加わり、ブンデスリーガ8回優勝(2012/13、2013/14、2014/15、2015/16、2016/17、2017/18、2018/19、2019/20)CL2回優勝(2012/13、2019/20)などに貢献している。

セルヒオ・アグエロ
先月29日、32歳のアルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロはマンチェスター・シティとの契約更新をせず、今シーズン限りで退団することが発表された。同選手のフリーでの獲得に向けて複数のクラブが動いていることが報じられている。
英メディア『Mirror』の予測によると、バルセロナ、インテル、アルゼンチンのインデペンディエンテ(2003年デビュー時の所属クラブ)、アメリカのインテル・マイアミへの移籍が考えられるだろう。
ユベントスもアグエロに興味を示しているという噂が流れていたが、伊メディア『Skysport』によるとその実現はないようだ。今夏ビアンコネーリ(ユベントスの愛称)は若手選手の獲得のみを予定しており、24歳以上の選手の入団は考えにくいとのことである。

エディンソン・カバーニ
昨夏パリ・サンジェルマン(PSG)との契約を更新せず、移籍市場最終日の2020年10月5日にマンチェスター・ユナイテッドに入団したウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニ。今夏はユナイテッドとの契約更新をしない可能性が浮上している。
ユナイテッドのオーレ・グンナー・スールシャール監督は次シーズンもカバーニの活躍に期待し、クラブに契約更新のやり取りを依頼している模様。
複数のメディアが報じるところによると、同選手はアルゼンチンのボカ・ジュニオールからのオファーに興味を示し、かつてユベントスやシティでプレーした元アルゼンチン代表FWカルロス・テベスとコンビを組むことを楽しみにしているようだ。

オリビエ・ジルー
今シーズンも終盤にして、現所属クラブとの契約を更新していない選手がもう1人いる。それはチェルシーのフランス代表FWオリビエ・ジルーだ。
クラブも選手もその件について一切のコメントを述べておらず、この長い沈黙こそ別れが近いことを意味していると捉える人も多い。
ユベントス、インテル、オリンピック・マルセイユなど、数多くのクラブが昨年からジルーの獲得に興味を示しているなか、4月3日の『ガゼッタ・デロ・スポルト」によると、ローマ退団の決意が報じられたFWエディン・ジェコの後任としてローマに移籍する可能性が高まっている。