明治安田生命Jリーグ2022シーズンが開幕してから2ヶ月が経過した。序盤戦から各所で白熱した戦いが繰り広げられ、下馬評を覆したクラブや期待されながらも低調なパフォーマンスに陥ったクラブなど評価は様々だ。
ここでは、Jリーグ英語版公式ホームページが発表したスタッツを基に、様々な側面から異彩を放った選手たちを紹介したい。「チャンスメイク数」「1試合あたり平均シュート数」「スプリント数」「トップスピード」「空中戦勝利数」における、4月23日時点の上位記録に焦点を当ててみよう。

チャンスメイク数
1位:マテウス・サヴィオ(柏レイソル)28回
2位:江坂任(浦和レッズ)24回
3位:神谷優太(清水エスパルス)、ジョルディ・クルークス(アビスパ福岡)22回
5位:鈴木優磨(鹿島アントラーズ)、アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)21回
ゴールを渇望する中で求められるチャンスメイク(シュートチャンスを作り出したプレー)数では、柏レイソルのMFマテウス・サヴィオが28回でトップの座に君臨。1試合平均3回以上のチャンスメイクに成功し、柏の中盤には欠かせない存在になった。
また浦和レッズのMF江坂任も、リーグ戦ここまですべての試合に出場し24回ものチャンスメイクを創出。トップ下も2トップも担え、浦和の攻撃に必要な存在だ。

1試合あたり平均シュート数
1位:ピーター・ウタカ(京都サンガ)4.2回
2位:レアンドロ(FC東京)4.0回
3位:武藤嘉紀(ヴィッセル神戸)3.8回
4位:上田綺世(鹿島アントラーズ)3.5回
5位:アレックス・シャルク(浦和レッズ)3.0回
1試合あたりの平均シュート数のランキングでは、京都サンガのFWピーター・ウタカが4.2回で1位の座をキープ。J1昇格の立役者であるウタカは、38歳という年齢ながら現在最も多いゴール数も記録中。常にゴールの可能性を探る姿勢が、平均シュート数・ゴール数の多さに繋がっていることだろう。
右腓腹筋筋挫傷により戦線離脱中のFC東京のMFレアンドロは、開幕節の川崎フロンターレ戦のみの出場にとどまるが、4本のシュート数をマークし2位につけている。

スプリント数
1位:藤井智也(サンフレッチェ広島)356回
2位:飯野七聖(サガン鳥栖)278回
3位:安西幸輝(鹿島アントラーズ)275回
4位:細谷真大(柏レイソル)、白井康介(京都サンガ)258回
試合中の活動量の指標の1つとして取り上げられるスプリント数(時速24km以上のスピードで1秒以上走った回数)では、サンフレッチェ広島のMF藤井智也が大差をつけての1位。右サイドという定位置を確保しリーグ戦ここまで9試合すべてスタメン出場しており、1試合あたり39回ものスプリントを繰り出す驚異的な記録だ。
また2位のサガン鳥栖のMF飯野七聖も、同クラブの特徴である走力やハードワークを体現するかのようなスプリント数を記録している。

トップスピード
1位:山岸祐也(アビスパ福岡)時速35.7km
2位:中島大嘉(北海道コンサドーレ札幌)、永井謙佑(FC東京)、藤井智也(サンフレッチェ広島)時速35.0km
5位:マテウス・サヴィオ(柏レイソル)、中山克広(清水エスパルス)時速34.7km
2022シーズンのスピードスターの称号は一体誰が勝ち取るのか。ランクインしたどの選手も時速30.0kmを軽々しく超えてきている中、アビスパ福岡のFW山岸祐也が時速35.7kmで先行。外国人ストライカーが名を連ねる福岡で、山岸は2トップの一角としてチームを支えている。
2位には北海道コンサドーレ札幌のFW中島大嘉、FC東京のFW永井謙佑、サンフレッチェ広島のMF藤井智也がそれぞれランクインし、時速35.0kmの記録をマークした。

空中戦勝利数
1位:パトリック(ガンバ大阪)80回
2位:荒木隼人(サンフレッチェ広島)53回
3位:谷口彰悟(川崎フロンターレ)40回
4位:鈴木優磨(鹿島アントラーズ)38回
5位:高橋祐治(柏レイソル)36回
Jリーグ最強のエアバトラーは誰か。空中戦勝利数は、ガンバ大阪のFWパトリックが他を寄せ付けない80回の勝利数でランキングトップとなった。精度の高いロングボールが供給できる要因もあるが、得意とするフィジカルを武器に前線で起点を作ることに成功している。
2位、3位にはサンフレッチェ広島DF荒木隼人、川崎フロンターレDF谷口彰悟とディフェンダーのランクインが目立つ。センターバックの重職を担いラインコントロールをする傍ら、適切なボール対応ができていると言えるだろう。