欧州サッカー界での直近の大きな話題と言えば「クリスティアーノ・ロナウドの交代出場拒否事件」の一言に尽きるだろう。10月20日に行われた、プレミアリーグ第12節のマンチェスター・ユナイテッドトッテナム・ホットスパーとの試合で事件は起きた。

ユナイテッドのエリック・テン・ハフ監督が、2-0で迎えた同試合終盤、控えにいたポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドに交代出場を指示。しかし、C・ロナウドはそれを拒否し、試合終了のホイッスルが鳴り響く前にスタジアムを後にした。同監督はこれを「許され難い行為」と強く非難。懲戒処分が決定し、C・ロナウドがトップチームから除外されることが発表された。

しかし、このような「選手としてあるまじき行為」はC・ロナウドだけに限ったことではないのも事実。よくある話なのである。ここでは、これまでに試合出場拒否をしてきた欧州選手たちをご紹介したい。

C・ロナウドだけじゃない…試合出場を拒否してきた欧州選手たち

ラヒーム・スターリング(当時リバプール)

リバプールとの契約延長を拒否

2022/23シーズンよりチェルシーでプレーするイングランド代表FWラヒーム・スターリング。彼が脚光を浴び始めたのは2010年から所属したリバプール(2010-2015)であった。2014/15シーズン途中のこと。新契約締結に向けたリバプールのアプローチに対し、スターリングはそれを拒否。マンチェスター・シティが水面下で獲得を切望しており、本人も乗り気だったからだった。

これをきっかけにリバプールとスターリングの関係は崩壊の一途をたどることに。

さらにプレシーズンツアーへの帯同を自ら拒否したスターリングに、一部のサポーターが激怒し警察が捜査に乗り出す事態にまで発展。結果2015年7月に、シティへの完全移籍を発表している。

C・ロナウドだけじゃない…試合出場を拒否してきた欧州選手たち

ディミタール・ベルバトフ(当時トッテナム・ホットスパー)

ロンドンダービー出場を拒否

アレックス・ファーガソン監督がマンチェスター・ユナイテッドを率いていた2008年、同クラブは当時トッテナム・ホットスパーに所属する元ブルガリア代表FWディミタール・ベルバトフ(2019年引退)の獲得を主張していた。このニュースがトッテナムのダニエル・レヴィ会長の逆鱗に触れることに。レヴィ会長がベルバトフの放出を頑なに否定したことをきっかけに、ベルバトフ自身はチェルシーとのロンドンダービーの出場を拒否している。

レビィ会長はプレミアリーグに対してユナイテッドの移籍取引に関する苦情を申告したが、その想いは到底通じることはなく、移籍市場最終日となる2008年8月31日に、ユナイテッドでベルバトフとの大型契約が締結された。

C・ロナウドだけじゃない…試合出場を拒否してきた欧州選手たち

ディミトリ・パイェ(当時ウェストハム・ユナイテッド)

ウェストハムでのプレーを拒否

現在リーグ・アンのオリンピック・マルセイユに所属するフランス代表FWディミトリ・パイェ。2015年から2017年には、プレミアリーグのウェストハム・ユナイテッドに所属した。

EURO2016ではフランス代表として最も輝きを放った選手であり、大会終了後もウェストハムでの活躍に期待を寄せる人も多かったが、週給10万ポンド(約1700万円)の新たな契約では十分と言えず、2017年1月に早々とマルセイユへの復帰(1度目は2013-2015)を決断。その間パイェはウェストハムでのプレーを拒否し続けた。

拒否した理由の1つとして、当時チームを率いていたステファン・ビリッチ監督の守備的なサッカーに飽き飽きし、楽しみを見いだせずにプレーしていたことを暴露している。

C・ロナウドだけじゃない…試合出場を拒否してきた欧州選手たち

リヤド・マフレズ(当時レスター・シティ

ストライキを敢行

現在マンチェスター・シティに所属するアルジェリア代表FWリヤド・マフレズ。2018年1月、当時所属していたレスター・シティ(2014-2018)でストライキを敢行している。マフレズ自身がシティへの移籍を希望するも、レスターがそれを拒絶したためだった。

その間、マフレズはトレーニングにさえも現れなかったが、クラブへ2週間分の給料を返納しトップチームに合流することができて一件落着。それでもシティへの移籍の夢を諦めることはできず、最終的に2018年夏に満を持してメガクラブ(シティ)への移籍を実現させた。

編集部おすすめ