毎年冬になると、日本サッカー界における重要な大会がはじまる。全国高校サッカー選手権大会である。

今年で101回目を迎える同大会は、高校サッカーをする者にとって最大の目標となる大会だ。

今2022年は12月28日に開幕戦を迎え、2023年1月9日までの開催が予定されている選手権。ここでは開幕を前に、第101回全国高校サッカー選手権大会における注目校の後編を紹介しよう。プロと違い、毎年チーム編成が大きく変わっていく高校チーム。果たして2022年はどんなドラマが待っているか。高校生たちの熱い冬が始まる。

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— 破天荒 浜松開誠館 (@kaiseikanfc) November 13, 2022

浜松開誠館高校

満を持して登場、サッカー王国の新王者

選手権出場は4年ぶり2回目となる浜松開誠館高校。静岡県予選では、高円宮杯JFAU18プレミアリーグWEST(通称プレミアリーグ:4月2日~12月4日開催)所属の静岡学園高校を準決勝で撃破。決勝では古豪藤枝東高校に2-0で完封勝利した。

直近だとプレミアリーグ昇格を懸けたプレーオフ決勝で、昌平高校(埼玉県)を相手に負けはしたものの非常にパワフルなゲームができることを証明。浜松開誠館らしさといえば、守備と攻撃の両方の強度が高いことがいえる。特に左MF前田康尋と右MF若尾直哉のスプリントは見物である。

代表経歴がある選手が所属するわけではないが、各選手がハードワークできる力こそが魅力の浜松開誠館。

サッカー王国静岡の復活は彼らの手にかかっている。まず目指すは、選手権初戦突破である。

11月12日に選手権大阪予選決勝が行われました!
興國高校に2−1で勝利することができました⚽️
得点者は小田村優希選手、名願斗哉選手です pic.twitter.com/cxHIPEFSTr

— 履正社高校サッカー部/RISEISHA high school football club【公式】 (@risei_hs_soccer) November 13, 2022

履正社高校

大阪の雄は輝くのか

興國高校、東海大付属大阪仰星高校、阪南大学高校、大阪桐蔭高校などの強豪がひしめく大阪も、予選からの激戦エリアである。その大阪府予選を勝ち上がったのが履正社高校だ。

今2022シーズンから高円宮杯JFAU18プレミアリーグWEST(通称プレミアリーグ)に復帰し、チームとしての完成度に磨きをかけている。注目されたインターハイ(全国高校総体:7月24日~30日開催)は、3回戦で淞南工科大付属高校(神奈川県)に敗れるという周囲の期待に対して物足りない結果となった。

チームのストロングポイントは、各ラインに強烈な選手がいるバランスの良さである。まずDFに西坂斗和、東尾大空、加藤日向が構え、MFで名願斗哉が占め、最前線でFW古田和之介が引っ張る。この4人はガンバ大阪ジュニアユース出身で、らしいパンチ力を持っている。特に古田はプレミアリーグWESTで得点ランキング2位につけ、選手権でもブレイクが期待される点取り屋だ。

名願が川崎フロンターレへ、西坂が徳島ヴォルティスへ入団が内定しているため2人の注目度が高いのが当然だが、大阪の雄はチーム力の高さで選手権優勝を目指す。

第101回全国高校サッカー選手権大会、注目校まとめ【後編】

昌平高校

7年連続プロ輩出、強豪校の1角へ

昌平高校(埼玉県)の強さの秘訣は育成組織にある。今シーズンはMF荒井悠汰(FC東京)とDF津久井佳祐(鹿島アントラーズ)2名のJリーグへの入団が決まった。特に荒井は、すでにFC東京で公式戦(ルヴァンカップ)デビュー済みだ。

また下部組織にあたるFCラヴィーダというチームがあり、今年の3年生はこのチーム出身者が多い。中学3年時にクラブユースU15で全国ベスト8になっている。

攻撃が持ち味とあって、得点が取れると一気に勢いにのるチームといえよう。今夏インターハイにおける1試合平均得点は脅威の3.5得点。高円宮杯JFAU18プリンスリーグ関東(通称プリンスリーグ関東)においても、鹿島アントラーズユースや浦和レッズユース以上の得点を記録し、自慢の攻撃力を発揮している。

もちろん守備面も十分。それを証明するかのようにプリンスリーグ関東ではリーグ最小失点でフィニッシュ。自慢の攻撃に守備力がついた2022年。目指すは選手権初優勝である。

【試合結果】
11/12(土)
選手権千葉県予選
決勝
日体大柏 2-0 市立船橋

⚽️オウイエウィリアム(川崎フロンターレ)
⚽️古谷柊介(柏レイソルA.A.TOR'82)

️寺村啓志(柏レイソルA.A.TOR'82)
️オウイエウィリアム

優勝&選手権全国大会出場

応援ありがとうございました! #k9 pic.twitter.com/cSYcqOiM5U

— 日体大柏高校サッカー部 (@NK_soccer_) November 12, 2022

日体大柏高校

激戦区千葉県を勝ち抜いた強さは本物

千葉県の選手権出場校はここ9年、市立船橋高校と流通経済大柏高校の2強時代が続いていた。その牙城を崩したのが今回初出場となる日体大柏高校である。

地元の柏レイソルと2015年より相互支援契約を結び、選手や指導者の交流が行われ、レイソルアカデミーの1つとして強化を進めてきた。

その強化が実を結び、2021年初めてプロ選手を輩出。今年はFWオウイエ・ウイリアムの柏レイソルへの入団が内定している。

しっかりボールを繋ぐスタイルの攻撃で、上述のウイリアムと主将のFW吉田眞翔の2トップに注目が集まる。目指すは、選手権「初出場・初優勝」である。

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