第101回全国高校サッカー選手権大会が12月28日に開幕する。今年も日本サッカー界の熱い冬として、高校生たちによる熱戦が繰り広げられるだろう。

各都道府県代表48校(東京都は2校)がトーナメント戦で競い、高校サッカーの頂点が決まる。

優勝を目指す注目校をいくつかご紹介してきたが、ここでは同選手権における注目選手をピックアップしていこうと思う。今2022年度の選手権では、誰がブレイクするか。はたまたニュースターが誕生するか。個人のプレーにも注目していきたい。

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第101回全国高校サッカー選手権大会、注目選手まとめ

MF名願斗哉(履正社高校)

浪速のスーパードリブラー

履正社高校(大阪府)のMF名願斗哉。2023シーズンより川崎フロンターレに入団することが内定しており、これからが楽しみな選手の1人である。ストロングポイントは、左サイドから魅せるドリブル。左サイドを華麗に抜き去る光景を何度も見せてきた。元川崎所属の日本代表MF三笘薫(ブライトン)のドリブルを彷彿とさせる。

また名願はプレーだけでなく、意識の部分でも強さを見せる。昨年の選手権終了後のU17日本高校選抜選考合宿でのインタビューで「個人としては、結果を残して行けるような選手になりたいです。もちろん世代別の代表に入ってもできる自信はありますし、でもまだまだ自分に足りないところがあるので、自分の長所を伸ばして代表に入れるようにしたいです」と語った。

同年代にガンバ大阪ジュニアユースで一緒にプレーした高橋隆太(静岡学園→ガンバ大阪入団内定)や同じ大阪府の興國高校の宇田光史朗(興國高校→横浜FC内定)を意識しているのは間違いない。3年間の集大成として、ガンバ大阪ジュニアユース時代からの盟友西坂斗和(徳島ヴォルティス内定)らと全国制覇を目指す。

インターハイ全国ベスト8
強くなって帰ってきます。
応援ありがとうございました。
#神村学園#13 pic.twitter.com/4Imwyyj2kp

— 福田師王 shiou fukuda (@shiou40) August 20, 2021

FW福田師王(神村学園高校)

得点王の最有力候補

各年代別日本代表においてエースとして活躍してきている神村学園高校(鹿児島県)のFW福田師王。現U18世代におけるベストストライカーであることは間違いない。その能力は多方面で評価され、2022年春にはドイツの名門バイエルン・ミュンヘンやオランダの複数クラブの練習へ参加した。最終的に2023シーズンよりボルシアMGに加入することが決まっている。

そんなU18世代最高のストライカーでも、最終学年となる今年は苦しんだ。夏のインターハイ(全国高校総体)では、2回戦で履正社高校(大阪)に0-2で敗戦。試合後のインタビューで「自分のせいで負けた」と責任感を口にしている。事実インターハイ直前の神村学園高校は、新型コロナウイルスの影響で満足な練習ができる環境ではなく、明らかなコンディション不良であった。

福田にとって最後の選手権。

1年時から毎年出場しているだけに、盟友のMF大迫塁らと栄冠をつかむラストチャンス。未来の日本を背負うストライカーの選手権はどうなるか楽しみだ。

第101回全国高校サッカー選手権大会、注目選手まとめ

MF荒井悠汰(昌平高校)

高校No.1レフティー

異例にも、高校2年時に2023シーズンFC東京入団内定が発表された昌平高校(埼玉県)のMF荒井悠汰。全国デビューは高校1年時の選手権だった。個人でこじ開ける力とテクニックを披露し、直後から日本高校選抜に選出されるなど多くの期待が寄せられた。

2年時には怪我や体調不良に苦しみ、全国の舞台で十分に活躍することができなかった荒井。その悔しさが彼をさらに成長させた。2022年1月にはFC東京の沖縄キャンプに参加してプロのレベルを肌で感じ、自身の成長速度をさらに加速させたに違いない。

そのパンチ力や左利きは、昨2021年高校三冠(インターハイ・高円宮杯・選手権)を達成した青森山田高校のMF松木玖生(FC東京)を彷彿とさせる。奇しくも2023シーズンからFC東京の先輩後輩という立場になる。松木以上のインパクトを残す可能性を荒井は秘めているといえよう。

既にFC東京で試合出場も経験しており、これから日本を背負う選手になっていくクオリティを持っていることは間違いない。日本を背負う前に、まずは昌平高校で全国制覇を。

~お知らせ~

弊部に所属する阪田澪哉選手が2023シーズンにセレッソ大阪へ加入することが内定致しました。

加入に際し、阪田選手からコメントを頂いております。 pic.twitter.com/eP9WI9QbUi

— 東山高校サッカー部 (@Higashiyama_FC) March 26, 2022

MF阪田澪哉(東山高校)

偉大な先輩越えを目指すアタッカー

偉大な先輩の後を追いかける1人のアタッカーが東山高校(京都府)にいる。先輩とは日本代表MF鎌田大地(フランクフルト)のことだ。鎌田の後輩となるMF阪田澪哉は、2023シーズンよりセレッソ大阪に内定が決まった。鎌田の高校時代と比較すると、阪田の方が決定力と個で打開する能力が長けていると評価する者もいる。

特に高校2年時のインターハイでベスト8入りして以降、阪田の成長速度が加速した。持ち前のスピードに磨きがかかるとともに決定力が加わった。2022年6月にはU18日本代表候補に選出され、インターハイ京都予選決勝ではハットトリックを達成するなど、結果を出し続けている。

残るは選手権での結果である。今年の東山高校は史上最高のチームとされ、先輩鎌田を追い越す時がきたかもしれない。目指すは頂点だ。

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