2022/23シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準決勝マンチェスター・シティレアル・マドリードは、奇しくも昨2021/22シーズンの準決勝と同カードとなった。昨シーズンは準決勝第1戦でシティがリードし、第2戦でマドリードが試合90分以降に3得点を決め逆転勝利している。

シティにとってリベンジ戦となった今CL準決勝。アウェイで迎えた1戦目(日本時間5月10日)を1-1で折り返すと、ホームでの2戦目(5月18日)は4-0と大勝。合計5-1のスコアだけでなく、内容を見ても圧倒的な力を見せつけ、見事に昨シーズンのリベンジを果たし決勝進出を決めた。同じく準決勝でミランを下したインテルとシティのCL決勝戦は、アタテュルク・オリンピヤト・スタドゥ(トルコ)にて、6月11日に予定されている。

ここではCL準決勝シティ対マドリード第2戦の試合スタッツと、同試合で勝利に貢献したMFロドリゴ・エルナンデス、MFジャック・グリーリッシュ、DFカイル・ウォーカーのスタッツを振り返り、どれほどの驚異的な内容でシティがリベンジを果たしたのか、振り返ってみよう(データ:Squawka Live、ESPN FC)。

【欧州CL】シティがリベンジ達成!準決勝レアル戦の半端ないスタッツまとめ

シティのスゴさを示すCL準決勝のスタッツ

  • マンチェスター・シティVSレアル・マドリード
  • 大会:UEFAチャンピオンズリーグ2022-23準決勝第2戦
  • 日時:2023年5月18日(日本時間)
  • 会場:エティハド・スタジアム
  • 試合結果:4-0

ハーフタイム終了時

  • 得点:シティ2-0マドリード
  • ゴール期待値:1.54-0.01
  • シュート数:13-1
  • 枠内シュート数:5-0
  • 相手ペナルティエリア内のタッチ数:24-2
  • 支配率:71.9%-28.1%

試合終了時

  • 得点:シティ4-0マドリード
  • ゴール期待値:2.68-0.45
  • シュート数:16-7
  • 枠内シュート数: 7-3
  • 相手ペナルティエリア内でのタッチ数:39-13
  • 支配率: 59.6%-40.4%

同試合前半のマドリードのスタッツは特に酷いものだったことが上記からわかる。ゴール期待値とは、チームがどれだけの得点チャンスを作り出せているかを数値化したものだが、前半のシティのゴール期待値が「1.54」なのに対してマドリードはなんと「0.01」。これはゴールになる可能性が「100回に1度」と予想されることを示している。

さらに前半マドリードは、シュートが1本、枠内シュートに関しては0本。シティが守るペナルティエリア内でのタッチ数もわずか2回だ。また、上記データ以外にもピッチを縦に3分割しゴールに近い部分であるアタッキングサードでのタッチ数もマドリードが10回、シティは196回と明らかな差が見られた。

対照的に、試合を通してシティのスタッツは驚異的と言えよう。特にマドリードが守るペナルティエリア内でのタッチ数を見ると、試合を通して39回とマドリードの3倍の数となっている。

さらにゴール期待値も「2.68」と高いことから、質の高い攻撃が繰り返されていたことが示されている。スコアだけでなく内容でもマドリードを上回り、リベンジを達成したことが一目でわかる数字となった。

では、そんなシティの大勝に貢献した選手の、突出したスタッツを挙げてみよう。

【欧州CL】シティがリベンジ達成!準決勝レアル戦の半端ないスタッツまとめ

MFロドリゴ・エルナンデス:支配率高に貢献

まずは中盤でボール保持に大きく貢献したシティのスペイン代表MFロドリゴ・エルナンデスのスタッツ。ポゼッション獲得数は同試合最多回数の11、タッチ数(124)とパス数(113)も試合最多で、さらにドリブル成功率が100%と驚異のスタッツを叩きだしている。支配率を高めることに大きく貢献したことがわかる。またそれに加えタックル成功率も100%と、守備でも重要な役割を果たした。

  • タックル成功率100%(3/3)
  • ドリブル成功率100%(2/2)
  • ポゼッション獲得数 :11(最多)
  • タッチ数: 124(最多)
  • パス数 :113(最多)
  • デュエル勝利数:7回
  • 空中戦勝利数:2回
  • チャンスを創出数:2回
  • ドリブルで抜かれた数:0回
【欧州CL】シティがリベンジ達成!準決勝レアル戦の半端ないスタッツまとめ

MFジャック・グリーリッシュ:チャンスメイク最多

次にドリブルを用いてシティのチャンスを多く作り出したイングランド代表MFジャック・グリーリッシュ。アタッキングサードで多くの仕事をした。ドリブル突破、ファウル獲得数、チャンス創出数が同試合最多であることから、ボールを持ちながら相手に驚異を与えていたことがわかる。

  • デュエル勝利数 :11回(最多)
  • ドリブル成功数:5回(最多)
  • チャンス創出数 :3回(最多)
  • ファウル獲得 :4回(最多)

ちなみにグリーリッシュは同試合以外でも多くのチャンスを作り、CLを通じては35回のチャンスメイクに成功。これはイングランド選手による1シーズンのチャンスメイク数最多記録となっている。

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DFカイル・ウォーカー:完封

最後にマドリードの攻撃を牽引するFWヴィニシウス・ジュニオールと対峙した、シティのDFカイル・ウォーカーを紹介しよう。

「現世界No.1ドリブラー」と称されるヴィニシウスは、圧倒的なスピードを活かしたドリブルを武器に、2022/23シーズンのラ・リーガで10ゴール9アシストという記録を残している。

9アシストはラ・リーガのアシストランク2位の数字だ。

そんなヴィニシウスと対峙したウォーカーだったが、CL準決勝第2戦見事な完封を果たしている。同試合ヴィニシウスが創出したチャンス数はゼロ。さらにイギリスメディア『Squawka』によると、ヴィニシウスがドリブル突破した数もゼロ。文字通りウォーカーが「完封」したことが数字でも明らかとなった。

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