2024明治安田J2リーグ第12節。4月27日にユアテックスタジアム仙台で行われたベガルタ仙台VSジェフユナイテッド千葉の試合は、MF田口泰士とFWドゥドゥが得点し2-0で千葉が3試合ぶりの勝利を手にした。


試合翌日には仙台戦のスタメン組が公開練習を行い、ストレッチポールでの柔軟や軽いランニングメニューをこなす選手たちからはリラックスした表情が見られるなど、前日の勝利がチームの雰囲気にも良い影響を与えていると感じさせた。

ここでは、DF久保庭良太・GK藤田和輝の両選手が練習後の取材で語った今節の手応えや自身の課題について紹介する。

ジェフユナイテッド千葉が無失点勝利!久保庭・藤田が語るチームの底力【現地取材】

DF久保庭良太「千葉の底力をサポーターに見せたかった」

ー第10節の大分トリニータ戦(1-1)、第11節のブラウブリッツ秋田戦(1-2)とホームで勝ち切ることができない試合が続きましたが、仙台戦にはどのような気持ちで臨みましたか?

久保庭:秋田戦はショッキングな負け方をしてしまったので、アウェーの仙台戦はしっかりと勝ち切り千葉の底力をサポーターのみなさんに見せる必要があると思っていました。守備面では絶対にゼロで抑えるという気持ちでしたし、複数得点できたという意味でも良い試合運びができたのかなと思います。

ー3試合ぶりのクリーンシートについてはどのように考えていますか?

久保庭:そうですね。失点しなければ負けることはないので、ディフェンスラインが耐えることができれば昨日みたいな追加点のチャンスを作り出せると思っていました。仙台戦も苦しい時間帯を乗り越えて、カウンターで一発があったので、次も継続していきたいです。


ー前半のうちにキャプテンのDF鈴木大輔選手が負傷交代してしまうというアクシデントもありましたが、そこからご自身のなかで意識の変化はありましたか?

久保庭:大輔さんがピッチにいるといないとでは全然違うということを痛感しました。ただ、最終ラインでリーダーシップを取ってくれる大輔さんが外れたことで、自分がやらなければいけないという気持ちは、より一層強くなりました。

ジェフユナイテッド千葉が無失点勝利!久保庭・藤田が語るチームの底力【現地取材】
ー「2024ちばぎんカップ」の柏レイソル戦(2-1)からコンスタントに出場することができていますが、自信にもなっているのでは?

久保庭:そうですね、練習のなかでトライを続けていることが自信になっていると思います。また、出場を重ねるなかで、通用するところと課題となっている部分がハッキリとしてきたので、一試合一試合反省をして成長していきたいです。

ー具体的に、久保庭選手が思うご自身の課題とはどういうものですか?

久保庭:仙台戦は最終的に気持ちの勝負になると思っていたので、具体的なポジショニングの声掛けだったり、チームメイトへの声掛けを味方同士で常に切らさないことを意識して臨みましたが、それでもコーチングは大輔さんに比べるとまだまだ足りないです。ビルドアップの部分も徐々に向上していると感じますが、相手のフォーメーションや動きを見ながら自分が攻撃のスイッチになるようなパスであったりビルドアップをしていく必要があると思うので、自身の課題にしています。


ー次戦(いわきFC戦)に向けて一言お願いします

久保庭:いわきFC戦も厳しい試合になると思います。一人一人がハードワークをしてくる相手なので、そのなかでも熱くなりすぎず、自分たちが目指しているサッカーを体現できるように全員がハードワークして勝利という結果を届けたいです。

ジェフユナイテッド千葉が無失点勝利!久保庭・藤田が語るチームの底力【現地取材】

GK藤田和輝「目の前の試合に全力で勝ちに行く」

ー前節(秋田戦)後、とても悔しそうにしていたのが印象的でした。今節の仙台戦へは、どのような気持ちで臨みましたか?

藤田:いろいろな目標を持ちながら今年プレーしていますが、すべてを達成することができていないなかで、まずはチームの優勝という目標をより意識してプレーするようにしていました。今まではそれが少しぼやけた意識の中でやっている感じがあったのですが、今は練習の中からそのような目標を明確にして取り組んでいますし、それが自分自身の成長へと繋がると思っています。

優勝という目標を実現するためにどうすればいいかと考えたとき、やっぱり勝ち続けるしかないんです。仙台に勝つために練習から自分の足りないところを意識して、どれだけいいパフォーマンスを出せるかということを考えて取り組んだ結果が、少しでも出た試合なのではないかなと思います。


ー藤田選手は直近の試合でも好調なパフォーマンを維持しているように思います。自信がついてきたのでは?

藤田:うーん、どうでしょう…。仙台戦のパフォーマンスには満足していないですし、むしろ良くなかった部分の方が多かったという風に自分では思っているので、また練習から課題にアプローチしていきたいですね。

ー仙台戦を終えて、改めてご自身の課題は見つかりましたか?

藤田:ディフェンスラインとの連携であったりチームの流れや状況を見たプレーなど、言い出したらキリがないですけど、今週は特にヘディングの対応を練習から意識してやっていました。毎試合1本はセーブしないと勝てないと思っていたので、後半に良いセーブができたことは一つの収穫だと思っています。自分のなかでクロスからのヘディングシュートは課題として取り組んできたことなので、そこを試合で表現できたこともよかったです。
改めて、目標を持って目の前の試合に全力で勝ちに行くことが大切だと感じました。

ジェフユナイテッド千葉が無失点勝利!久保庭・藤田が語るチームの底力【現地取材】
ーGKとしてもクリーンシートには大きな意味があるのでは?

藤田:秋田戦の敗戦からチーム全員感じるものがあって、いろいろと改善してきました。身体を張ることや切り替えの部分、チームとして闘う姿勢が秋田戦以上にできるようになっていたと思います。ジェフのスタイル的には1点取られたら2点取り返すという攻撃的なスタイルですが、そのなかでもGKの自分はゼロにこだわり続けたいですし、それがチームのためにも、自分自身の価値を証明するためにも大切だと思っています。

ー「価値を証明する」という想いは、パリオリンピックに向けたものですか?

藤田:パリのことは意識してやってきましたが、今回U23アジアカップ(AFC U23アジアカップカタール2024)を外れたことで、そこを意識しすぎることもあまり良くはないのかなと思うようになりました。当然オリンピックに行きたいという想いはありますし目標にもしていますが、いま一番大事なことはチームの勝利に貢献することです。


これまでも、自分はチームでのパフォーマンスが評価されて選出してもらえていたと思っています。難しい問題ですが気持ちの整理もちゃんとついているので、まずは毎週の試合に勝ち続けて優勝という結果をつかみ取ることができればいいと思っています。

ー優勝を目標として掲げるうえで、これからは何が大切になってきますか?

藤田:優勝を目標にするならもう負けは許されない。仙台戦で負けていたら、その目標は修正する必要があったかもしれない。それでも、仙台相手にあれだけ押し込まれる時間帯があっても勝てたことはチームの底力だと思います。力はあるけど勝てないという状況が続いていたので、これを機に勝ち続けることのできる集団にならないといけないし、もっと自分にも貢献できることがあると思っています。


実際、仙台にも強度では負けていたので、練習からさらに強度をあげて、チーム全員でやっていかなくてはいけません。どんな相手でも、自分たちのサッカーをすることや強度で上回ることを徹底していくためにも、このモチベーションを持続させることが大事になってくると思います。

ジェフユナイテッド千葉が無失点勝利!久保庭・藤田が語るチームの底力【現地取材】

昇格プレーオフ圏内入りなるか

千葉は次節、ハワイアンズスタジアムいわきでいわきFCと対戦する(5月3日16時開始予定)。第12節終了時点で5位のいわきFC(勝ち点19)に勝利できれば、現在10位の千葉(勝ち点17)は順位を上昇させられるだけでなく昇格プレーオフ圏内入りの可能性もある重要な一戦だ。

両チームともにハードワークを徹底した強度の高い試合になると予想されるが、目指すは2試合連続の無失点勝利。ゴールデンウィーク中もJリーグの熱戦から目が離せない。