この試合が今シーズンのリーグ戦で初の先発出場となったDF松田陸。中断期間後もスタメンとしてピッチに立ち続けるためのアピールに燃える松田に訊いた。
※パリ五輪開催により、7月14日(第24節終了後)から8月3日(第25節開催)まで約3週間リーグ戦が中断となる。

チャンスが来ていたなかでの敗戦
この日は4日間のオフを終えて初の練習日だったが、松田に身体の重さはそれほど感じられない。練習の最後に行われたシャトルランメニューもきっちりとこなし「飼っている猫たちとのおうちデートでリフレッシュできた」と語って自身の好調をアピールした。天皇杯3回戦のFC東京戦(2-1)では120分間を闘い抜き、その後中3日で行われた熊本戦にもフル出場した松田。「どうしても身体の重さはあった」と語るが、DF久保庭良太やDF鈴木大輔の負傷により右利きセンターバック(CB)が不足している千葉にとって、松田の存在は必要不可欠だ。
松田自身も「チャンスが来ている」と語っているように、リーグ折り返し後にようやく掴んだスタメンは何としてでも死守したいところ。そんな想いで望んだ熊本戦を、松田は次のように振り返った。

課題のクロス対応
「自分たちにとって嫌なエリアに入ってくる選手が多くて、選手の受け渡しがうまくいかずに90分間苦戦しました。ジェフは守備からショートカウンターという流れが強みとしてあるなかで、前から行く守備がハマらずに、結果としてリズムが生まれずに攻撃がうまくいきませんでした。しかし、それでも自分たちは勝たなければいけませんでした」熊本戦で千葉は決定機をつくらせてもらえなかった。ここまでは4-2-3-1を基本にリーグ戦を戦ってきたが、熊本戦は4-4-2の布陣で挑んでいた。
また、この試合における2失点はいずれもクロスボールからのヘディングによるものであり、中断期間中に見直しを図りたいポイントのひとつでもある。クロスボールの対応について松田は「ゴールエリアの前をしめるか、そもそも上げさせない対応が必要ですが、1失点目はサイドを変えられたこともあり準備が遅れてしまいました。中断期間を使って、そこの改善をしていきたいです」と語る。
また、身長175㎝とCBとしては決して大柄ではない松田にクロスボール対応で意識していることを尋ねると「落下地点を予測して先に飛ぶことで相手を飛ばさないように工夫しています。それから、なるべくフィジカルコンタクトの闘いにならないように、立ち位置も工夫しています」と生き残るための術を明らかにした。

中断期間について
千葉は東京ヴェルディからDF山越康平、ジュビロ磐田からDF小川大貴を期限付きで獲得しており、松田にとってスタメンの座は確約されたものではない。そのため試合に絡むことが増え、コンディションも上向きになっているタイミングでの中断期間は決してポジティブなものではないはずだ。そのことを松田に訊くと、飄々とした態度で考えを教えてくれた。「僕はやり続けるしかないですし、それがチャンスに繋がることをここ数試合で実感できました。もちろん中断期間については、このまま次の試合を迎えたいという想いもあった。でも、それならもう一回アピールすればいいのだけのこと。あまりネガティブになりすぎずに、練習から強度を出せば問題ないと思っています」と自信を覗かせる。
「監督はしっかりと見てくれていますし次の試合まで時間はあるので、もう一度スタメンになれるように身体を一からつくりたいです」と中断期間をさらなるパワーアップの機会にすることが大切だと意気込んだ。

自分たちらしさを取り戻せるか
次節となる第25節は8月3日にニッパツ三ツ沢球技場で行われ、千葉は横浜FC(現3位)と対戦する。現時点での順位を考えれば、優勝争いに食い込むため何としてでも勝ち点3を奪い取りたい。しかし、ホームで行われた第14節の横浜FC戦(1-0)同様、厳しい闘いが予想される。「熊本戦は自分たちらしさを出せなかった。そこが一番大事だと思っていますし、出せている試合は勝利できているというデータもあります。中断期間の練習から、その部分を取り戻そうということはみんなで話し合い共有もしています」
「自分はバックラインをどこでもできるのは強みですし、もしも出ることがあれば、どのポジションであっても自分の良さを出したい。負けられない試合が続くと思うので、全部勝ちたいです」と次節に向け絶対勝利を誓った松田。
千葉が中断期間を充実したものにできたかどうかの答え合わせは、次節以降の結果次第。リーグ戦では2試合連続黒星を喫しているが、よりパワーアップした松田がチームを勝利に導き復調の一助となることを期待したい。