いよいよパリ2024オリンピック競技大会(パリ五輪)が開幕する。7月26日から8月11日までの開催期間中、全32競技329種目の熱戦が繰り広げられる。
その中でも特に注目したいのが女子サッカーだ。昨年のFIFAワールドカップ(W杯)オーストラリア&ニュージランド大会では、FIFA史上最多の観客動員総数197万8,274人(1試合平均30,911人)を記録し勢いに乗っている女子サッカーは、オリンピックでも大いに盛り上がると予想される。



今大会の女子サッカー出場国は全部で12カ国。そのうち7カ国がFIFAランキングトップ10内の上位国だ。A・B・Cと3つのグループに割り振られ、総当たり戦から金メダルを目指す。強豪国が半数以上ということもあり、各試合でワールドクラスの迫力あるプレーが期待される。


この記事では、各グループの中でもFIFAランキング上位国(1位スペイン、2位フランス、4位ドイツ)のストライカー(FW)にスポットを当て、基本情報や特徴などを紹介していく。


※記事内のFIFAランキング順位は2024年6月14日発表のものに基づく


世界を熱狂させる強豪国の女子ストライカー3選【パリ五輪】

シルバーブーツに輝いたフランスの得点女王

FWカディディアトゥー・ディアニ

現所属クラブ:オリンピック・リヨン女子(フランス1部)
生年月日:1995年4月1日(29歳)
身長:167センチ
利き足:右


パリ五輪グループA所属国(FIFAランキング)

  • フランス(2位)
  • カナダ(8位)
  • コロンビア(22位)
  • ニュージーランド(28位)
現在FIFAランキング2位のフランス代表は、昨夏のW杯でPK戦の末オーストラリア代表に6-7と惜しくも敗退。その結果、意外とも思えるベスト8止まりとなった。しかし、同大会で注目度を上げたのがFWカディディアトゥー・ディアニだ。

当時のディアニはトレードマークだった青色の髪をなびかせ、ゴール前にあるボールを全て得点に変えてしまうほどのパワフルなシュートで周囲を釘付けにした。その得点率の高さから、ディアニは日本女子代表MF宮澤ひなたのゴールデンブーツに次いでシルバーブーツ賞を獲得している。パリ五輪では、銀のディアニと金の宮澤による”ブーツ対決”にも注目だ。


世界を熱狂させる強豪国の女子ストライカー3選【パリ五輪】

伝説のヘディングでドイツを牽引

FWアレクサンドラ・ポップ


現所属クラブ:VfLヴォルフスブルク女子(ドイツ1部)
生年月日:1991年4月6日(33歳)
身長:174センチ

利き足:左

パリ五輪グループB所属国(FIFAランキング)

  • ドイツ(4位)
  • アメリカ(5位)
  • オーストラリア(12位)
  • ザンビア(64位)
グループBには、FIFAランキング4位のドイツと5位アメリカが顔を揃えている。ランキング上では近しいレベルに感じられる2国だが、この距離感を突き放すようにドイツを牽引しているストライカーがFWアレクサンドラ・ポップだ。


2022/23シーズンのUEFA女子チャンピオンズリーグ(2022年10月19日-2023年6月3日)では、現所属のVfLヴォルフスブルク女子の重要なストライカーとしてチームを準優勝に導いており、昨年W杯では前述の宮澤、ディアニに続きブロンズブーツ賞を獲得した実力の持ち主だ。ポップの持ち味はチームを上げるエネルギッシュな気迫と、そこから放たれる強烈なヘディング!そして相手チームを脅かす左足のミドルシュート。なでしこジャパンとドイツが対戦することになった場合、まずはポップの調子をどうやって崩すかが鍵となりそうだ。

世界を熱狂させる強豪国の女子ストライカー3選【パリ五輪】

女王スペイン、最優秀若手選手賞に輝いた20歳

FWサルマ・パラジュエロ

現所属クラブ:バルセロナ・フェメニ(スペイン1部)
生年月日:2003年11月13日(20歳)
身長:174センチ

利き足:左

パリ五輪グループC所属国(FIFAランキング)

  • スペイン(1位)
  • 日本(7位)
  • ブラジル(9位)
  • ナイジェリア(36位)
昨夏のW杯で優勝を果たしたスペイン女子代表は、今回のパリ五輪が初のオリンピック出場となる。昨年の勢いをそのままに今年も世界の頂点に立つことができるのか、スペインの動きに世界中が注目していることだろう。
代表メンバーの多くがプレッシャーを背負う中で、弱冠20歳の若きFWサルマ・パラジュエロの役割や存在は大きい。

パラジュエロの冷静且つパワフルなシュート力、そして抜群のスピードと共に相手を惑わす独自のボール捌きは、チームを金メダルへと導く重要な要素となるだろう。パラジュエロの特出したスキルを世に広めたきっかけの一つが、昨年W杯での最優秀若手選手賞受賞だ。FIFAはパラジュエロについて「ワールドクラス・スキルの持ち主」として、卓越したドリブル技術とプレー中の視野の広さを評価している。スペインの対戦相手にとって、パラジュエロの壁を越えることは至難の業となりそうだ。

いよいよ明日7月26日に開幕するパリ五輪。
なでしこジャパンは初戦でスペイン代表と対戦。果たして日本はどこまで行けるのか!?日本代表への応援はもちろん、各国トップレベルの選手たちのプレーにも大注目だ!

サッカー日本女子代表:グループC ※以下、全て日本時間
編集部おすすめ