AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)ラウンド16でヴィッセル神戸と対戦する光州FCをはじめ、韓国サッカークラブのホームスタジアムは、以前から劣悪なピッチコンディションで話題に。FW石田雅俊(大田ハナシチズン)や元イングランド代表FWジェシー・リンガード(FCソウル)らがピッチコンディション悪化によるパフォーマンスへの影響を訴えていたが、韓国の選手会からも改善を訴える声が挙がっているという。


 韓国のサッカースタジアムにおけるピッチコンディションを巡っては、2024年9月にソウルで開催されたFIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選の韓国代表対パレスチナ代表で、試合後に韓国代表FWソン・フンミン(トッテナム・ホットスパー)が「アウェイの方がピッチコンディションが良いのは残念」と漏らして話題に。韓国メディア『フォーフォーツー』は、2024年夏にジュビロ磐田から大田へ復帰した石田のコメントを紹介していた。

 「韓国のスタジアムはピッチコンディションが良くないから、まわりが見えない。ボールタッチ、ボールコントロールに気を遣う必要があるし、ミスすることもある。日本とは全然違う。日本のスタジアムは芝の状態が良い。プレー環境は、韓国1部リーグよりもJ3リーグの方がずっと良いくらいだ。初めて韓国に来た時は問題なかったけど、最近は酷くなっている。プレーに影響が出るのは致し方ない」

 またリンガードも「プレミアリーグでは、パスが足元にきちんと届くかどうか心配する必要はない。だが韓国では、そのことについて気を遣う必要がある。良いサッカーをするためには、良好なピッチコンディションが必要不可欠だ」と、芝の状態の悪さを問題視。

 こうした声が相次ぐなか、韓国プロサッカー連盟は2025シーズンのリーグ規定で以下のようなルールを設けている。


 「正常な試合を開催できないほど、ピッチコンディションが深刻な不良である場合、韓国プロサッカー連盟がホームとアウェイの会場を変えるか、ホームチームに中立地を探す義務を課すことができる」

 これらにくわえて、韓国メディア『聯合ニュース』が3月4日に報じたところによると、韓国プロサッカー選手協会は「我々は選手が経験した劣悪なピッチコンディションに関して深刻な懸念を表明する。芝の質が過度に損なわれた状況で試合が行われれば、選手の安全が脅かされ、最高のパフォーマンスを発揮することが難しくなる」と声明を発表。

 選手会のキム・フンギ事務総長は、「真冬の厳しい寒波、夏のうだるような暑さと季節風による雨のため、芝生の管理が容易でないことは選手会と選手たちの共通認識。それでも多額の投資によるピッチコンディションの改善は必要だ」とピッチの環境改善を訴えたほか、「Jリーグは秋春制で(降雪地域へのクラブに対する支援として)100億円を用意してる」と、スタジアムや練習場などの環境整備という観点から、Jリーグを比較対象に挙げている。
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