リーズ・ユナイテッド所属の日本代表MF田中碧は、5月11日に国立競技場で行われた明治安田J1リーグ第16節の鹿島アントラーズ対川崎フロンターレで解説を担当。自身の古巣の試合で、日本サッカーと海外サッカーの文化の違いに言及している。


 川崎OBである中村憲剛氏とともに、NHKの中継で解説を務めた田中。試合中、話題が日本と欧州の応援スタイルに及ぶと、2024/25シーズンにイングランド2部リーグの舞台でプレーした日本代表ミッドフィルダーは、「無理に海外を真似する必要はない」「ひとりひとりの歌(チャント)があるJリーグも素晴らしい」などと発言。Jリーグクラブのサポーターが創り出した独自の応援文化に対して、ポジティブなコメントを残している。

 この発言内容はネット上で拡散。川崎の下部組織出身であり、ドイツ2部リーグでもプレー経験のある田中のコメントに説得力があるとして、多方面から同選手に対する称賛や感謝のメッセージが相次いでいる。

 また、田中は実況アナウンサーから川崎時代のチームメイトや同クラブに関する質問を何度も受けたものの、古巣に肩入れせず、終始中立の立場を徹した。それだけに、同選手の解説に対して鹿島サポーター等からも概ね受け入れられているようだ。

 AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)で準優勝とタイトルには届かなかったものの、日本サッカー界に好影響を与えた川崎。鹿島戦では田中の元チームメイトであるMF家長昭博が途中出場も、1-2で敗れている。

 田中やMF守田英正(スポルティングCP)、DF板倉滉(ボルシアMG)など、日本代表選手が欧州で活躍しているだけに、様々な観点から日本サッカーと欧州サッカーが比較されている。ただ、田中は日本のサッカーファン等に対して、日本独自のサッカー文化を大事にすることを望んでいるかもしれない。
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