昨2024シーズンは新指揮官に北欧クラブで実績のあるマティアス・ヘグモ氏を招聘し、さらに選手も2022シーズンのJ1得点王FWチアゴ・サンタナや運動量と得点力を兼ね備えたMF渡邊凌磨といった即戦力を複数獲得した浦和レッズ。タイトル獲得を目指しスタートを切ったが苦戦を強いられ、2023シーズンに指揮を執ったマチェイ・スコルジャ監督へとシーズン途中に緊急交代し、最終的に13位と不本意な順位で終えていた。


同じ轍を踏まぬため、また6月に控えているFIFAクラブワールドカップ2025(以下クラブW杯)に向けてさらなる補強を実施。国内で確かな実績を残している選手を複数獲得したことに加え、海外に期限付き移籍していた選手の帰還や新たな外国籍選手の獲得にも成功し新シーズンを迎えている。そして始まった今季、開幕当初こそやや勝ち点が伸び悩んだものの、第5節の初勝利から調子が上向き第10節以降はホームの強さも見せながら5連勝を達成。現時点で4位につけ中盤戦へと突入している。

そんな好調の背景には、もちろん昨年あるいはそれ以前からチームを支える選手たちの活躍もあるが、新戦力たちの働きもまた大きい。ここでは、今冬浦和へ加入した選手のうち、リーグ戦で出場機会のあった選手について活躍度を5段階で評価していく。なお、期限付きから復帰の選手は対象外とした。

浦和レッズ冬の補強効果は?新加入選手の活躍度を5段階評価【J1リーグ2025】

MFマテウス・サヴィオ

評価:★★★★★

今冬Jリーグ内移籍した選手の中でも最上位クラスの目玉となったのが、直近6シーズン柏レイソルの攻撃を牽引してきたMFマテウス・サヴィオの移籍だ。昨年はチームが最終17位とあわやJ2降格という状況にありながらもサヴィオ自身の存在感は変わらず、J1リーグベストイレブンにも選出されるなど改めてその実力の高さを示していた。

浦和への移籍を選んで迎えた今季は、開幕直後こそなかなかゴールに絡めず苦しんだが第8節の清水エスパルス戦で1ゴール1アシストを挙げると以降復調。ここまで2ゴール4アシストの活躍で新天地でも攻撃のキーマンとして躍動している。

圧巻のシュート技術や局面を打開するパスやドリブルと攻撃時の働きはもちろんのこと、豊富な運動量を活かした献身的な守備でも違いを見せつけられるのが魅力。すでに欠かせない選手の1人になっており、納得の存在感を放っていることから評価を文句なしの「5」とした。


浦和レッズ冬の補強効果は?新加入選手の活躍度を5段階評価【J1リーグ2025】

MF金子拓郎

評価:★★★★☆

2023シーズン途中に北海道コンサドーレ札幌からクロアチアのNKディナモ・ザグレブへと期限付き移籍し、自身初の海外挑戦をスタートさせていたMF金子拓郎。そのシーズン、移籍するまでに札幌で挙げたゴールは8つ。アシストも4つとまさしく中心選手として活躍していたことからJリーグでの実績も申し分ない選手と言えよう。

そんな金子は今冬ベルギーのKVコルトレイクから浦和へと完全移籍で加入。ますますキレを増したドリブルを武器にここまで15試合とほぼ全試合に出場し、第12節のサンフレッチェ広島戦では自陣からのカウンターの場面で最後冷静にGKをかわしてのシュートで先制点をもたらし勝利の立役者となっている。今後も必ずや右サイドの主軸となるであろう働きをすでに示していることから評価を「4」とした。

浦和レッズ冬の補強効果は?新加入選手の活躍度を5段階評価【J1リーグ2025】

DFダニーロ・ボザ

評価:★★★★☆

2023シーズンの第一次マチェイ・スコルジャ監督体制と言えば、現在もチームの守備の中心であるDFマリウス・ホイブラーテンと昨季途中に移籍したDFアレクサンダー・ショルツを軸とした鉄壁の守備を武器に4位と上位着地に成功していたことが記憶に新しい。残念ながらショルツに加えDF明本考浩やDF酒井宏樹らの移籍により守備陣の顔ぶれは変化したが、今冬加わった新たな外国籍選手の存在が彼らの穴を埋めるものとなっている。

ブラジルのECジュベントゥージから加わったDFダニーロ・ボザは、ここまで16試合すべてに先発出場。ホイブラーテンと2人で新たな浦和の壁として強固な守備陣を形成している。第11節の横浜F・マリノス戦では1点差に詰め寄られたのち終了間際にダメ押しの得点で加入後初ゴールをマーク。チームの勝利に大きく貢献している。昨夏に続き冬にも複数の選手が去った守備陣に安定をもたらす活躍を見せていることから評価を「4」とした。

浦和レッズ冬の補強効果は?新加入選手の活躍度を5段階評価【J1リーグ2025】

MF松本泰志

評価:★★★☆☆

昨年はサンフレッチェ広島で36試合に出場し、3ゴール2アシストを挙げたMF松本泰志。豊富な運動量と巧みなポジショニングを武器に数字以上の存在感を発揮していたことは間違いない。
広島の2位フィニッシュに大きく貢献した松本だったが、今冬は浦和への移籍を選んだ。

ここまで16試合すべてに出場し1ゴール1アシストをマーク。直接ゴールに関わる働きがやや少なく見えるものの、主にトップ下や3列目で活躍を見せている。同じく新加入選手であるMFマテウス・サヴィオやMF金子拓郎と比較して攻撃面での貢献度から評価を「3」としたが、守備面の働きを含めまだまだこの先チームに馴染むことでさらなる活躍が期待できる選手であるのは間違いない。

浦和レッズ冬の補強効果は?新加入選手の活躍度を5段階評価【J1リーグ2025】

FW長倉幹樹

評価:★☆☆☆☆

2024シーズンのYBCルヴァンカップにおける得点王であり、今冬アルビレックス新潟から下部組織時代を過ごした浦和へと加入したFW長倉幹樹。昨季までで移籍したFWブライアン・リンセンや引退したFW興梠慎三の穴を埋めるような活躍が期待されたが、ここまではリーグ戦9試合に出場も先発はなくそれに伴ってゴールも1つのみと苦しいシーズン序盤となっている。クラブワールドカップもあることから活躍の場が与えられるのはまだまだこれからともいえるが、現状チーム内でポジションを得られていないことから評価を「1」とした。
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