2025明治安田J1リーグで現在18位の横浜FCは、6月1日に開催される第19節で浦和レッズ(現5位)と対戦する。試合前日の5月31日に囲み取材を行った。


5月25日に行われたJ1第18節柏レイソル戦(1-1)では、前半19分に相手のミスを見逃さなかったFW鈴木武蔵がゴールを奪い、横浜FCが先制に成功。その後は柏に押し込まれ、同32分には先日日本代表に選出されたFW細谷真大に同点ゴールを許してしまう。後半に入り、セットプレーからチャンスを創出するも追加点は奪えず、その後は柏にボールを握られる時間が増えピンチを招くも、なんとか追加点は阻止して試合終了。上位相手に貴重な勝ち点1を獲得した。

ここでは、横浜FCの四方田修平監督が取材で語った現在のチーム状況や次節・浦和戦の戦い方、要注意選手などについて紹介する。

横浜FC四方田監督「浦和の前線は2チーム分」攻撃陣を警戒【J1リーグ2025】

「強度の高いトレーニングが出来た」

ー6連戦が終わり、通常日程に戻りました。今週のチームの様子はいかがでしたか?

四方田監督:連戦の疲れは少なからずありましたが、2日間のオフを挟んでしっかりリフレッシュして集まってくれたと思います。そういった意味では今日含めて3日間、次のモチベーションを非常に高く持って強度の高いトレーニングが出来たと思っています。

ーリフレッシュを含めて、という形ですか?

四方田監督:そうですね。久しぶりに連休を取れたので、気持ちを切り替えて今週は良い雰囲気で取り組めたのかなと思います。

ー浦和戦に対しての準備はもちろんですが、6連戦で得た課題の整理なども出来ましたか?

四方田監督:(6連戦の)初戦の(東京)ヴェルディは敗れましたが、その後はもう一度自分たちの原点に立ち返り、戦う姿勢や守備の高い意識に立ち戻って安定したゲームを取り戻せたのかなと思います。攻撃の中で勢いを出せる場面も作れましたし、全体的に言うと良い流れを作れたのかなと思います。ただ、まだまだ攻守に課題はありますし、どの相手でも上手くいかない時間帯はあるので、そこはチームの課題として改善し試合ごとに成長出来たらと思います。


横浜FC四方田監督「浦和の前線は2チーム分」攻撃陣を警戒【J1リーグ2025】

全員が警戒対象

ー浦和の印象を教えてください。

四方田監督:ディフェンスは非常に固くて失点が少ないチームだなとここ2年を通して感じていますし、攻撃に関しては前線で2チーム分作れるようなタレントを抱えているチームだと思います。どこからでも点が取れる印象があります。

ー浦和の(マチェイ・)スコルジャ監督の印象などはありますか。

四方田監督:一昨年に対戦した時もスコルジャ監督だったんですが、その時と大きくは変わらない印象ですね。

ー先程「前線で2チーム分の戦力を作れる」という話がありましたが、特に警戒したい選手はいますか?

四方田監督:あえて挙げると10人くらい名前を出さないといけないので(笑)、出る選手は全員警戒したいなと思います。

横浜FC四方田監督「浦和の前線は2チーム分」攻撃陣を警戒【J1リーグ2025】

「松尾選手のスピードはJ1でも飛び抜けている」

ーファンやサポーターとしては松尾(佑介)選手が横浜FCにいたということもあり、やられたくない選手の1人かなと思うのですが、印象はいかがですか?

四方田監督:松尾選手のスピードはJ1でも飛び抜けていると思いますし、ボールを持った時のドリブルスピードが速いと感じます。分かっていてもどのチームのディフェンダーもやられると思うので、そこは脅威だと思いますね。後はシュートの振りも速く、両足蹴ることが出来るのも脅威となるポイントだと思うので、特に自分たちのゴールに近い部分では気を付けたいと思います。彼が軸で出始めてから浦和の連勝が始まったと思っているので、そういった意味では中心選手だと思っています。

横浜FC四方田監督「浦和の前線は2チーム分」攻撃陣を警戒【J1リーグ2025】

脅威となる髙橋の献身的なプレー

ー昨年までレンタル移籍で一緒に戦っていた髙橋(利樹)選手も浦和にいますね。

四方田監督:そうですね、対戦するのは楽しみです。去年まで水色のユニフォームを着て一緒にやっていたので、彼が赤色のユニフォームに袖を通しているのは想像がつかないですね。献身的なプレーは浦和の特徴になると思うので、もし出場するのであれば非常に嫌な存在になると思っています。

ー相手はクラブワールドカップ前最後のリーグ戦を埼玉スタジアム2002で迎えるということもあり、特別な感情で挑んでくると思いますが、どのように挑みたいですか?

四方田監督:そういった状況であるということは十分頭の中にありますが、そこは自分たちで変えられることではないので、そういった相手に並々ならぬ結束とファイティングスピリッドを持ってそこを打ち破り、自分たちの目標に少しでも近づいていかないといけないと思っています。


横浜FC四方田監督「浦和の前線は2チーム分」攻撃陣を警戒【J1リーグ2025】

金子は「思い入れの強い選手」

ー浦和には、四方田監督が北海道コンサドーレ札幌のヘッドコーチ時代(2018-2021)に2年間を共に過ごしたMF金子拓郎選手がいます。札幌から海外移籍を経てどのように成長したのか、また、今シーズンのパフォーマンスについてどのように映っていますか?

四方田監督:2年間というより、彼が強化指定選手で来ていた大学3年の頃から4年間丸ごと過ごしています。4年間一緒に過ごしただけあって、思い入れが強い選手ですね。アマチュアの時からかなり素材としては素晴らしいものがあって、彼がプロの世界に飛び込んで成長する時間を共に過ごしました。自主練にも一緒に付き合わせてもらいましたし、そういった練習を通じて成長する姿を見てきたので、対戦が非常に楽しみです。

彼が札幌からクロアチア(NKディナモ・ザグレブ)へ移籍する前のシーズンは、特にJリーグでは飛び抜けた突破力見せていました。そういう意味では今季Jリーグに久々に復帰してからは、(パフォーマンスは)悪くはないんですが、まだまだJ1リーグの中でも飛び抜けて良かった頃のコンディションまで上がってきていないとは見ていました。しかし、試合をこなしていくうちに浦和の調子も上がってきましたし、そこに彼の活躍が重なる部分もあってかなり順応してきたなと。我々横浜FCとしては非常に厄介な存在ですが、良いゲームが出来ればと思いますし、その中で自分たちが勝てればと思っています。

ー明日の試合を通して金子選手にはどのような声を掛けますか?

四方田監督:試合中は懐かしむ状況にはならないと思います。(金子は)駒井(善成)のことを兄貴分として慕っていたので、そっちの絡みの方が楽しみにしているんじゃないですかね(笑)。

ー四方田監督はその様子を遠目から見守ることを楽しみにしていると(笑)

四方田監督:そうですね(笑)
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