世田谷区・池尻。渋谷からわずか2駅という立地にありながら、どこかのんびりとした空気が流れるこのエリアに、新たな複合施設「HOME/WORK VILLAGE(ホームワークヴィレッジ)」が誕生しました。


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このプロジェクトの舞台は、2004年に廃校となった旧池尻中学校。約20年の時を経て、校舎・体育館・校庭が人々の暮らしや活動を支える場として再生され、2025年7月24日にグランドオープンを迎えました。

世田谷・池尻に旧中学校を活用した複合施設「HOME/WORK VILLAGE」が誕生
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暮らしと仕事、そして社会の“宿題”を考える場
「HOME/WORK VILLAGE」という名称には、「HOME=暮らし」「WORK=仕事」を見直しながら、社会に残された“HOMEWORK=宿題”をみんなで考え、実践していくという想いが込められています。地域とともに育つ“まちの中の村”として、多様な価値観やライフスタイルが交差し、新しい社会実験が始まろうとしています。

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この施設は、世田谷区の「産業活性拠点創出事業」として始動し、地元プレイヤーを中心としたコンソーシアムが企画・運営を担うことで、単なる再開発ではなく、地域に根ざした“場”の再編を実現しています。

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校舎棟:食と文化、仕事と学びが共存する日常のハブ
旧校舎棟の1階は、地域にひらかれた「食」と「商い」の拠点として再構成されました。14の多彩な店舗が並ぶ空間には、街の食堂やカフェ、クラフトビールの醸造所、生活雑貨の店などが肩を並べ、訪れるたびに新しい発見がある“共創の商店街”としてにぎわいを見せています。

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昼は家族連れや近隣のワーカーがランチや買い物を楽しみ、夜には音楽やお酒を楽しむ人々が集うなど、時間帯によって異なる表情を持つこの場所は、地域に暮らす人々の日常を支える“まちの食堂”でもあります。また、無人店舗やシェアキッチン、ポップアップスペース、配信スタジオといった実験的な機能も備え、商いや表現の可能性を広げる“チャレンジの場”としても機能しています。個人経営の店主やクリエイターが自らのスタイルで空間を彩り、施設全体に温かな人間味をもたらしています。

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上階と屋上:学び・働く・育てる、次世代型の共創空間
2階には、コワーキングスペース「MIDORI.so IKEJIRI」と、幼児~小学生向けの学びの場「レンズ」が入居します。「MIDORI.so」は、起業家やクリエイターのための柔軟な働く環境を提供し、同時に入居企業や利用者間の有機的なつながりも育んでいきます。
「レンズ」では、アートやデザイン、テクノロジーを横断するクリエイティブな教育プログラムが展開され、子どもたちの好奇心と創造力を刺激します。

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3階には、ソーシャルビジネスに取り組む企業・団体が入居する小規模オフィス群が整備され、屋上には都市型の菜園「IKEJIRI ART FARM」が開設されます。都市における食や自然との関係を再考する場として、地域住民も参加可能な活動が予定されています。

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体育館棟と広場:本と身体と、開かれた空
旧体育館には、新たな機能が加わります。Takram Japanとバリューブックスが手がけたブックラウンジでは、厳選された書籍を静かに楽しむことができ、まるで図書館とギャラリーが融合したような空間に。また、ランニングステーションやスポーツスタジオも併設され、心身のリフレッシュを促す場としても活用されます。

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かつて校庭だった場所は、大きな広場へと再整備され、芝生や植栽が配置されて開放的な都市のオアシスに。週末にはマルシェやマーケット、音楽イベントなどが開催される予定で、日常と非日常が交錯する場となっていきます。

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設計と運営:地域に開かれ、未来にひらかれるデザイン
建築設計は、リノベーションで知られる「ブルースタジオ」が担当し、旧校舎の記憶を活かしながらも、現代の生活にフィットした空間へと再生させました。ランドスケープは「株式会社フォルク」が手がけ、外と中がゆるやかにつながる“開かれた境界”を重視した設計に。ロゴやサインデザインは金澤繭子氏が手がけ、施設全体に込められた柔軟性と共創性が、視覚的にも表現されています。

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運営は、小田急電鉄を含む6社で構成されたコンソーシアムが設立した新会社「方方株式会社(ほうぼうかぶしきがいしゃ)」が担います。
地元の商店主やクリエイターが参画しており、地域の声を反映した持続可能な運営体制が組まれています。

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2025年4月から段階的にプレオープンしていた「HOME/WORK VILLAGE」は、いよいよ7月24日に全体開業を迎えました。オープン当日は記念イベントやマーケットも開催され、地域にとっての“新しい日常”がここから本格的に始まります。日々の生活の中に、ちょっとした気づきや対話、発見がある場所。そして、暮らしと仕事、社会の“宿題”に向き合うための「まちの村」。ぜひこの夏、池尻の新たなランドマークを訪れてみてください。

【施設概要】
名称:HOME/WORK VILLAGE
所在地:世田谷区池尻2-4-5
アクセス:東急田園都市線「池尻大橋」駅 徒歩10分、三軒茶屋駅から徒歩16 分、バス停「三宿」下車徒歩4分
開館時間:8:30-23:30 *各店舗、テナントにより営業時間は異なる
HP:http://www.homeworkvillage.com/
Instagram:https://www.instagram.com/homeworkvillage
開業日:2025年4月16日(水) *グランドオープン 2025年7月24日(木)
構造:(校舎棟) 鉄筋コンクリート造、(体育館棟) 鉄骨鉄筋コンクリート造
敷地面積:9,440.97㎡ / 延床面積:6,318.39㎡
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