「ディオール(DIOR)」が、パリのファッションウィークでメンズ2020-21年ウィンターコレクションを発表した。ショーはアーティスティックディレクターのキム・ジョーンズ(Kim Jones)の親しい友人で、2018年2月にこの世を去ったスタイリストのジュディ・ブレイム(Judy Blame)にオマージュ。
ブレイムは80年代後半、ジョン・ムーア(John Moore)によるショップ兼デザインスタジオ「ザ・ハウスオブビューティアンドカルチャー(The House of Beauty and Culture)」の立ち上げにクリストファー・ネメス(Christopher Nemeth)らと共に携わり、前衛的なアプローチでパンクファッションの礎を築いた人物。デザイナーやアーティストとのコラボレーションにより生み出された作品は、キムをはじめとするファッションクリエイターたちに多大な影響を与えた。
パリのメンズファッションウィーク4日目、コンコルド広場の特設会場で開かれたショーは、ランウェイの中央に透明の仕切りが作られ、その中にスモークが焚かれる仕掛け。グレー&ブルーやキャメルカラーのクラシカルなシルエットのジャケットやテイラードスーツが主軸に構成された。ペイズリーやアラベスク柄のシャツを合わせ、まくりあげた袖口からベロアやオブリーク柄など様々な素材のオペラグローブを見せるスタイリングが特徴だ。
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スタイルのアクセントとなっているジッパーやウォレットチェーンはブレイムのパンク精神を想起させ、特にDIYパンクを提案したブレイムを象徴する安全ピンは、コレクションのキーディティールとして随所に取り入れられた。「サドル」バッグはカーフスキンやオブリークを使い、滑らかで大きめなフォルムの「ソフト サドル」として再解釈されたほか、クロコ型押し風のバッグやスムースレザーのアクセサリーなどをスタイリング。ベレーはメゾンの帽子デザイナー スティーブン・ジョーンズ(Stephen Jones)によるもので、80年代の「バッファロー」ムーブメントにインスパイアされている。
また、コレクションでは、ムッシュ ディオールが最初に構えたブティック「コリフィシェ(小間物屋)」の壁に装飾されていた「トワル ドゥ ジュイ」からインスピレーションを得て、新たに制作されたシグネチャーモチーフ「トワル ドゥ ジュディ(TOILEDE JUDY)」が登場。ジュディ・ブレイムの功績を讃えるために設立されたトラスト ジュディ・ブレイム財団とのコラボレーションにより、同氏の作品をベースにデザインした。
ショーには俳優の吉沢亮やプロサーファーの五十嵐カノア、けみおのほか、ケイト・モス(Kate Moss)とライラ・グレース・モス(Lila Grace Moss)の親子、カーラ・デルヴィーニュ(Cara Delevingne)、ロバート・パティンソン(Robert Pattinson)、ナム・ジュヒョク(Nam Joo Hyuk)など多くのセレブリティが来場した。
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