アダストリアの「ニコアンド(niko and ...)」が昨年末に上海に出店したグローバル旗艦店「niko and ... SHANGHAI」(以下、ニコアンド上海)が好調だ。中国国内で新型コロナウイルス感染拡大の被害が大きかった2~3月は売上が落ちたものの、4月以降は売上と客数が回復し、現在はオープン当時とほぼ同水準まで持ち直している。

8月の1日当たりの平均入店客は約6000人で、週末は行列が出来るほど活気が戻っているという。

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 ニコアンド上海は、売場面積約3960平方メートルの3フロア構成で、ブランド史上最大規模となっている。1階はウィメンズアパレルや「niko and ... COFFEE」を提供する「カフェ775」、エディトリアルスペースを展開し、2階はメンズアパレルや生活雑貨、家具などを揃え、3階にはブランド初となるフードコートスタイルのレストラン「WHOLE775」を併設。オープン当日は開店前から行列ができ、その後1週間ほどは度々入店規制がかかる状態となった。

 同店では日本と異なる中国独自の季節進行やニーズ、トレンドを踏まえた商品をラインナップ。特にブランドロゴをあしらったアイテムが売れており、冬はパーカ、夏はTシャツなど季節に適した商品を投下しバリエーションを拡大している。

また毎月2~3回、上海の人気ブランドとのコラボレーション商品を販売していることも認知拡大に貢献した。

 新型コロナウイルス感染拡大による影響で、2月と3月の来店客数は流行前の昨年12月と今年1月と比べて半分以下に減少したものの、4月は3分の2程度まで回復したという。5月以降は、来店客数減少を受けて一時的に抑制していた商品発注数は通常ペースに戻したほか、消費者の動向を踏まえたイベント企画やマーケティング施策を徹底したことから、現在はオープン当初に設定した年間売上目標達成も射程圏内に入ってきたという。また、効率的な在庫消化により店舗全体での値引セールは実施せず、一部の商品のみに絞ったことで利益率が向上した。

 ニコアンドでは同店の好調を受け、中国国内2店舗目となる「niko and ... 南京西路 in point店」を今年12月に出店することを決めた。2階建てで、店舗面積は約1500平方メートル。

アパレルや生活雑貨、店舗限定商品などを展開し、1号店と同様に現地のニーズに特化したアイテムを揃え、コーヒーラウンジも併設する予定だ。