■弱含み、米インフレ加速を警戒したユーロ売りも

今週のユーロ・ドルは、軟調推移。ドイツの11月ZEW景気期待指数の予想外の上昇を好感してユーロ買いが一時優勢となったが、オーストリア中央銀行のホルツマン総裁が「2019年の成長軌道を回復するには2年を要する可能性がある」との見方を伝えたことや、欧州委員会経済見通しでインフレが先行き弱まるとの予測が示され、ユーロ売り・米ドル買いが強まった。
米国のインフレ加速もユーロ売り・米ドル買いを促す一因となった。取引レンジ:1.1433ドル-1.1608ドル。

■伸び悩みか、米10月小売売上高などが手掛かり材料に

来週のユーロ・ドルは伸び悩みか。米インフレ高進を受け連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げ観測が再浮上しており、リスク選好的なユーロ売り・ドル買いに振れやすい展開となりそうだ。10月米小売売上高などで消費の強さが裏付けられた場合、米国経済の持続的成長への期待でユーロ売り・米ドル買いは継続する見通し。

予想レンジ:1.1350ドル−1.1550ドル

■弱含み、ユーロ安・米ドル高の相場展開の影響受ける

今週のユーロ・円は弱含み。
米国のインフレ加速への警戒感が高まったことや、ドイツで新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最大となり懸念が広がったことから、リスク回避的なユーロ売り・円買いが観測された。欧州委員会の経済見通しでインフレは先行き弱まるとの予測が示されたことも材料視された。取引レンジ:130円24銭−131円43銭。

■もみ合いか、原油価格の動向に注目

来週のユーロ・円は、もみ合いか。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げ観測を背景にユーロ・ドルは下落基調が予想され、ユーロ・円の取引でもユーロ売りが続くとみられる。ただ、原油価格の上昇は日本経済を圧迫するとの見方が広がっており、ドル・円相場が円安方向に振れた場合、ユーロ売り・円買いはやや縮小する可能性がある。


○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・16日:7-9月期域内総生産改定値(速報値:前年比+3.7%)

予想レンジ:129円30銭−131円30銭