最近日本の仮想通貨(暗号資産)取引所で新たな海外の良質なブロックチェーンプロジェクトが上場される事例が増えてきました。このインタビューでは、日本ではあまり知られていなくても、世界的に大きなコミュニティを持ち、将来性のある野心的なプロジェクトを取り上げていきます。
今回はweb3業界で最も利用者の多いプロダクトの一つであるMetaMaskを手がけるConsenSysの海外展開責任者ローラ・シー氏(以下、ロ)に、ConsenSysが開発したLineaというzkEVM型レイヤー2ブロックチェーンについてお話を伺いました。
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※2024年2月21日に執筆
タ「初めに自己紹介をお願いします。ConsenSysで働くことになったきっかけを教えてください。」
ロ「ConsenSysの海外展開をリードしており、地理的カバレッジ(アジア、ラテンアメリカ、アフリカ)とWeb3のローカライゼーション(オン/オフランプ、ゲーム、RWA/ステーブルコイン)に注力しています。元々はプライベート・エクイティ投資機関に所属しており、2020年にConsenSysへの投資をリードしました。
タ「元々は機関投資家という立場でConsenSysと関わりを持っていたのですね。Lineaについてもう詳しく教えてください。ConsenSysが開発したMetaMaskやInfuraの成功は、Lineaエコシステムにどう活かされるのでしょうか?」
ロ「ConsenSysによって開発されたLineaは、web3アプリを成功に導くzkEVMエコシステムです。Lineaは、MetaMaskのネイティブなweb3ユーザーとdappsを結びつけ、エコシステムのエンゲージメントと技術的な卓越性を促進し、web3で最も堅牢なセキュリティシステムを提供します。
タ「既に多くのプレーヤーとユーザーを巻き込んでいるのですね。zkRollupの領域では、StackWareとMatter Labsがそれぞれ2018年と2019年にスケーリングソリューションを発表していますが、こうしたタイミングでConsenSysがLineaをデビューさせ、この競争に参加した動機は何ですか?その旅の技術的側面について少し教えてください。」
ロ「Lineaの基盤は、安全なイーサリアムのバックアップを受けたロールアップを構築する目的で、より広範なweb3のエコシステムと協力するというConsenSysのコミットメントにあります。ConsenSysが構想・開発したLineaは、4年間にわたる広範な研究開発の成果です。その目的は、スケーラビリティと取引コストを大幅に改善するバイトコード互換のzkEVM Rollupネットワークを構築することでした。ちなみにLineaという名前は、ラテン語で『線』を意味する言葉に由来し、web3の可能性の進歩的な旅を象徴しています。」
タ「Lineaに関連する最新の動向について教えていただけますか?」
ロ「イーサリアムのDencunというアップグレードが間近に迫っており、Lineaとレイヤー2ランドスケープに大きな利益をもたらすことが期待されています。
タ「日本の皆さんに何かメッセージがあれば、お願いします。」
ロ「日本および世界中のLineaビルダーは、100%のEVM互換性を維持しながら、ガス料金を最大66%削減することができます。これは最近のAlpha v2アップグレードによって可能になったもので、Lineaは最も安価なレイヤー2の一つとなり、世界で最もセキュアなレイヤー2として位置づけられています。Lineaは20社以上のセキュリティ・パートナーと提携しており、プロトコルからブリッジ、dapps・スマートコントラクトまで、Lineaエコシステムのあらゆるレベルをリアルタイムで監査・監視し、エンドユーザーと開発者により安全なレイヤー2エコシステムを提供しています。」
タ「本日伺ったお話からユーザー重視の姿勢を強く感じました。
以上