予想レンジ:上限39200円-下限38300円
今週末の米国株は高安まちまち。NYダウは前日比134.21ドル高(+0.34%)の40003.59ドルと終値ベースで初めて40000ドルに到達。
日経平均は、下向きの25日移動平均線(38370円)を上回った後、75日移動平均線が位置する38602円水準でもみ合っている。4月19日につけた取引時間中の足元の安値36733.06円を起点にじりじりとした反発が継続。日足の一目均衡表の雲下限である38387円水準がサポートラインとして意識されているが、この水準を割り込むと一気に38000円を割り込む可能性はある。
一方、TOPIXは、4月末以降、25日移動平均線より上をなんとか維持しており、日足の一目均衡表では雲上限でもみ合っている。
今週は債券市場で動きが見られた。
9日に公表された4月25-26日に開催された日銀金融政策決定会合の主な意見において、「国債買入の減額も市場動向や国債需給をみながら機を捉えて進めていくことが大切」といった声があったことで、今回、日銀は減額に踏み切ったと思われる。為替の円安傾向が必ずしも日本株の追い風になる地合いではなくなったが、今後、緩やかに円高ドル安が進むとなれば、輸出関連銘柄の重しとなるのはほぼ間違いないだろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。直近発表の米国の生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)はおおむね高止まりを示しており、米連邦準備制度理事会(FRB)は現行の政策金利を当面維持することが見込まれている。今後発表される経済指標が良好な内容であれば、リスク選好的なドル買い・円売りが続くと予想される。FRBは5月22日に直近の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表する。
一方、イエレン米財務長官による日本の為替介入を念頭に置いた発言が、引き続き材料視されそうだ。4月末から5月上旬にかけての円急伸について、日本の為替介入だとすれば「まれであるべき」と指摘。市場参加者の間では1ドル=157円を超えた場合、為替介入が再び行われる可能性があるとの見方が出ているが、イエレン財務長官の見解は日本の為替介入をけん制したとの声が聞かれている。また、日本の4月消費者物価指数(CPI)コア指数が前年比+2.0%を下回った場合、金融正常化への思惑は後退。日米金利差が再度意識され、ドル・円は底堅い値動きを維持する展開もあり得る。
■来週の注目スケジュール
5月20日(月):第3次産業活動指数(3月)、米・バー連邦準備制度理事会(FRB)副議長が基調講演、米・アトランタ連銀総裁が会議で司会、台湾・新総統就任など
5月21日(火):「金融政策の多角的レビュー」に関する第2回ワークショップ、「過去25年間の経済・物価情勢と金融政策」を議論(日本銀行)、欧・ユーロ圏経常収支(3月)、欧・ユーロ圏貿易収支(3月)、米・ウォラーFRB理事が講演、英・ベイリーイングランド銀行(英中央銀行)総裁が講演、など
5月22日(水):コア機械受注(3月)、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、英・消費者物価コア指数(4月)、米・中古住宅販売件数(4月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月30日-5月1日会合分)、エヌビディア決算など
5月23日(木):国債買い入れオペ、工作機械受注(4月)、印独欧英米・製造業/サービス業PMI、トルコ・中央銀行が政策金利発表、米・アトランタ連銀総裁が質疑応答に参加など
5月24日(金):消費者物価コア指数(4月)、独・GDP改定値(1-3月)、米・耐久財受注(4月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(5月)、米・ウォラーFRB理事が基調演説など