2. 事業セグメント別動向
(1) 分譲マンション販売
主力の分譲マンション販売においては、開発基盤となる用地価格や建築コストが上昇しているものの、住宅ローン金利の低水準や住まいに利便性を求める傾向が強まっていることから、分譲マンション市場は比較的堅調に推移しており、和田興産<8931>では新規発売物件を中心に契約獲得に向けた販売活動及び引渡計画を推進した。
その結果、2024年2月期の発売戸数は、神戸・明石・阪神間を中心に、11棟473戸(前期比29.6%減)で、契約については、584戸(同9.3%減)、29,045百万円(同3.9%減)となり、それにより期末時点の契約済未引渡戸数は690戸(同12.9%減)で、当該残高は33,579百万円(同2.6%減)となった。
(2) 戸建て住宅販売
戸建て住宅販売においては、新規発売物件を中心に契約獲得に向けた販売活動に注力した。
(3) その他不動産販売
その他不動産販売においては、賃貸マンション・宅地など20物件を販売し、2024年2月期の売上高は3,657百万円(前期比232.6%増)、営業利益は130百万円(同128.0%増)、利益率は3.6%(同1.6ポイント低下)となった。
(4) 不動産賃貸収入
不動産賃貸収入においては、同社が主力としている住居系は比較的安定した賃料水準を維持しており、入居率向上と滞納率の改善に努めると同時に、最適な賃貸不動産のポートフォリオ構築のため、新規物件の取得など賃貸収入の安定的な確保を目指した。その結果、2024年2月期の不動産賃貸収入は3,185百万円(前期比5.4%増)、営業利益は1,117百万円(同56.1%増)、利益率は35.1%(同11.4ポイント上昇)となった。前期には全体の利益が計画より上振れしたことから大規模修繕を前倒しで実施した反動によって、不動産賃貸収入は大幅増益であった。
(5) その他
2024年2月期の売上高は、解約手付金収入、保険代理店手数料収入及び仲介手数料などで38百万円(前期比58.2%減)、営業利益は35百万円(同57.6%減)、利益率は91.5%(同1.2ポイント上昇)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)