2. セグメント別の見通し
(1) クリクラ事業
売上高は16,100百万円(前期比5.6%増)、営業利益は1,720百万円(同0.8%増)を見込む。通期業績予想比で中間期の進捗率は売上高48.5%、営業利益50.6%と堅調に推移している。
(2) レンタル事業
売上高は17,800百万円(前期比1.9%増)、営業利益は1,810百万円(同13.3%増)を見込む。業績予想比で中間期の進捗率は売上高49.8%、営業利益41.0%と堅調に推移している。ダスキン事業については、資本業務提携契約に基づき出店拡大を進めてきたケアサービス部門とヘルスレント部門での投資回収を図る。これは中期経営計画でもその達成を目標として掲げており、通期で注力する。新販売管理システムの導入も推進し、業務効率化を進める。
(3) 建築コンサルティング事業
売上高は9,000百万円(前期比59.0%増)、営業利益は1,350百万円(前期は28百万円の利益)を見込む。業績予想比で中間期の進捗率は売上高26.1%、かつ65百万円の営業損失計上と、現時点では苦戦中だ。コンサルティング部門では顧客である地場工務店を取り巻く経営環境が思わしくないなか、受注獲得に役立つ建築コンサル向け商品を拡充することで顧客を支援する。一例として、2024年9月に工務店のブランディングを行う(株)ONE STONESと業務提携契約を締結し、規格住宅、変容住宅、作品住宅の3つのプロダクトを提供する「THE Architect」の販売を開始した。工務店が利用することで、ユニークな発想と技術でカスタマイズできる規格住宅、新築以上の魅力で住人の美意識を共鳴させるリノベーション、住人との共創で地域のアイコンとなる唯一無二のフルオーダーメイド住宅など、デザイン性をサポートし、住宅需要喚起を図る。同社によれば、販売開始以降の反響は良く、出だしも好調とのことであり、売上高改善への期待は大きい。
(4) 住宅事業
売上高は10,900百万円(前期比15.4%増)、営業利益は320百万円(前期は27百万円の利益)を見込む。業績予想比で中間期の進捗率は売上高48.9%、営業損失196百万円の計上と、売上面は堅調だが損益面に課題が残る。住宅事業の業績は例年下期偏重の傾向にあり、かつ売上単価も高いことから、各部門で商機を確実に捉える対応を進めていく。ケイディアイにおいては、用地仕入について、引き続き従来の都内23区中心から東京郊外にまで対象を拡げ、不動産ソリューション強化と事業拡大を目指す。ジェイウッドではバリアフリー対策等で需要の高まる平屋や店舗・店舗併用住宅の受注強化に向けて営業活動を推進するほか、ナックハウスパートナーで扱う住宅「ACE HOME(エースホーム)」の販売に関し、FC契約する秀和住研と協業して受注の増加を図る。北海道で展開するKUNIMOKU HOUSE事業では、高性能住宅や省エネ住宅等の商品ラインナップを充実させることで顧客獲得を目指す。さらに2025年3月期から連結対象となった秀和住研の業績は業績予想に見込まれておらず、上積みに期待がかかる。秀和住研は元々ナックハウスパートナーが運営するフランチャイズ「ACE HOME」のトップディーラーであることから、同社内、特に営業エリアの同じジェイウッドとのシナジーが期待できる。
(5) 美容・健康事業
売上高は8,000百万円(前期比19.7%増)、営業利益は360百万円(同20.8%増)を見込む。業績予想比で中間期の進捗率は売上高44.5%、営業利益36.9%と50%をやや下回るが、下期に向けて重点施策を推進し計画達成を目指す。JIMOSにおいては、「MACCHIA LABEL」等の各ブランドの主要製品の強化やリニューアルを行うほか、新商品・新カテゴリの開発により新規顧客獲得を図る。ベルエアーでは、創立以来続けてきたサプリメント販売への原点回帰を掲げ、販路拡大の推進とともに商品リニューアルによる新規顧客獲得を推進する。アップセールでは、通販事業の取扱商品拡充と積極的な商品開発・仕入により収益性向上を目指す。取扱商品拡充の一環として連結対象となったTOMOEワインアンドスピリッツと協働してワイン直販を行うほか、医薬品販売の拡大に向けて広告投資を行う。これにより自社EC内でのグループ顧客の囲い込みを進める。トレミーでは、医薬部外品等の積極的なODM提案により市場競争力を高め、利益率の向上と、各事業との垂直連携強化によるグループシナジーの最大化を目指す。TOMOEワインアンドスピリッツでは前述のアップセールとの協働のほか、ウィズ事業とも連携して飲食店向けワインの販売を強化する。ウィズ事業の営業部門が営業活動を行い、新たな販売ルートを開拓する。また2024年6月には施策の1つとしてサブスク方式でのワイン販売を行う「ワインのサブスクby Tomoeワイン」の提供を開始しており、クリクラ、レンタル、美容・健康の各事業で抱える定期顧客向けに販路を拡大する具体的施策を進めている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)