28日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比148.58ポイント(0.91%)高の16541.42ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が82.66ポイント(1.44%)高の5810.79ポイントと反発した。売買代金は1172億5670万香港ドルとなっている(27日は1156億910万香港ドル)。


投資家の慎重スタンスが和らぐ流れ。昨夜の米株急反発や、香港上場企業の業績改善が材料視された。終盤を迎えた2023年通期決算報告では、一部のセクターを除き、増益や赤字縮小、配当増額など堅調な内容が多くみられている。ただ、指数は後場に入り上げ幅を削った。米中対立の激化が警戒されたほか、3月31日に3月の中国PMI(国家統計局などが集計)が公表されることも気がかり材料となっている。香港市場はあす29日から週明け4月1日までイースター連休となることも買い手控え要因として意識された。
(亜州リサーチ編集部)

「ニューエコノミー」関連銘柄に買いが先行。ハンセン科技(テック)指数は2.5%高と他の指数をアウトパフォームしている。個別では、家電メーカー中国大手の海爾智家(6690/HK)が8.2%高、動画配信プラットフォーム大手のビリビリ(9626/HK)が8.0%高、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が6.3%高と上げが目立った。海爾智家の通期決算は12.8%増益と堅調。市場予想を上回った。ビリビリが報告した通期決算は赤字だったものの、赤字幅が前期から縮小。
買い安心感が広がった。

そのほかの消費関連セクターも高い。上記した銘柄群のほか、免税店運営の中国旅遊集団中免(1880/HK)が7.3%、鴨料理チェーンの周黒鴨国際HD(1458/HK)が6.1%、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が4.4%、中国ミネラルウォーター最大手の農夫山泉(9633/HK)が2.4%ずつ上昇した。中国旅遊集団中免の通期決算は3割増益。周黒鴨の通期利益は4.6倍に膨らんだ。農夫山泉は42%増益と配当増額を発表している。


半導体や通信ネットワークの銘柄群もしっかり。上海復旦微電子集団(1385/HK)が2.9%高、中芯国際集成電路製造(981/HK)と華虹半導体(1347/HK)がそろって1.6%高中興通訊(763/HK)が4.0%高、中国通信服務(552/HK)が2.2%高で引けた。

半面、中国の銀行セクターはさえない。交通銀行(3328/HK)が2.7%、中国建設銀行(939/HK)が1.7%、中国工商銀行(1398/HK)が0.8%、中国銀行(3988/HK)が0.6%ずつ下落した。交通銀と中国工商銀が公表した通期決算は、それぞれ1%増益にとどまり、利ざや縮小が明らかにされている。

一方、本土市場も反発。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.59%高の3010.66ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。消費関連株、素材株、インフラ建設株、軍事関連株、不動産株、エネルギー株なども買われている。半面、銀行株は売られた。

亜州リサーチ(株)