レビュー

メイドインジャパンのブランド力が失われて久しい。そんななかでも、日本を代表するメーカーとして高い存在感を示し続けているのがトヨタだ。

時価総額日本一を誇るこの巨大企業の社長を、豊田の姓を持つ創業家の章男氏が担うとあって、興味を抱いた読者も多かったのではないだろうか。なかには、こう思った方もいたに違いない。創業家の御曹司に任せて大丈夫なのだろうかと。
しかし、章男氏は、社長就任後に次々に襲い掛かる、リーマン・ショックやリコール問題、そして東日本大震災といった空前の危機を乗り越えていく。そして、失われた30年ともいわれる平成の時代において、見事な成長を果たした。さらには、自動車メーカーからの脱却を目指して、モビリティーカンパニーに転換すると宣言するなど、さまざまな挑戦を続けている。
いままでの延長線上に、トヨタの未来はないと断言する章男氏は、創業家の精神を重要視しながらも、従来の在り方をダイナミックに破壊し、再生への道の途上にいるように見える。それはきっと、創業家だからこそ成しえることなのだろう。自動車業界に大きなパラダイムシフトが起ころうとしているからこそ、創業家の力が必要なのかもしれない。
これからも章男氏は、さまざまな挑戦を続けることになるはずだ。きっとそれは、クルマという枠を超え、私たちの社会や生活を変えるものになるだろう。

本書の要点

・御曹司の宿命を背負う豊田章男は、トヨタ自動車に入社したあとも、持ち前の利かん気の強さや上司に支えられ、さまざまな部署を渡り歩きながら成長していく。


・社長就任後、次々と危機が襲い掛かったが、自らが陣頭指揮を執り、責任を負うという姿勢を貫くことで、その危機を乗り越えていく。
・自動車に訪れる変革期を乗り切るために、章男は電気自動車やAIを使った自動運転への投資に力をいれており、トヨタをモビリティカンパニーに転換しようとしている。



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