レビュー
大きな成功を収め、長期間にわたって飛躍や成長を続け、誰もが認める有名な組織。それらは、立派な理念を掲げるだけでなく、様々な社会事業を行うなど、実践面においても倫理的に優れていて、世間からの尊敬を集めている場合が多い。
本書の著者は、京セラの創業、第二電電(現・KDDI)の設立、日本航空の再生に携わった、日本を代表する経営者の一人である。しかし、利益を上げるために効率だけを重視したり、企業や株主の利益を優先したりするような主張は、本書には一切見られない。人としての徳を備えた正しい「考え方」を持つことこそが、大きな成功を生む力になる、という人生観と経営理念に基づいている。
本書に書かれた言葉は、著者自らの人生における経験から生み出されたものであるため、ありきたりな人生訓ではない、リアリティを伴った力がある。これからの社会においても、著者のような「考え方」を大切にする経営者や指導者が、新たな世界を作ってほしいと願ってやまない。
本書の要点
・「能力」「熱意」を数値化すると0から100までだが、「考え方」にはマイナスからプラスまでがある。マイナスの「考え方」が掛け合わさると、どれほど優れた「能力」と「熱意」を持っていても、マイナスの結果が導かれてしまう。
・正しい「考え方」を強い信念として持ち続けることで、どんな苦境に陥っても、乗り越え、良い結果をもたらすことができる。
・善き「考え方」は、自分の力となるだけでなく、周囲の「他力」や、天の導きといった「他力」も味方にする。
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