レビュー

今、すべてのビジネスパーソンにとって必要な観点とは何か。答えはさまざまあるだろうが、SDGsがそれらのうち最も重要なものの一つであることは間違いない。


SDGsとは、「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)の略称だ。環境、人権、ジェンダー、貧困、格差などといった社会課題を17の目標にまとめたもので、2015年に国連で採択された。
本書の著者であるハフポスト日本版の前編集長、竹下隆一郎氏は、こう言う。「1990年代の後半、インターネットによって世界は変わる、と言われた。あれから20年。今度は、SDGsが、ビジネスの新しい時代をひらくのである」と。
本書で竹下氏が語るのは、「なぜSDGsが今、広がっているのか」ということだ。SNSというキーワードを軸に、一人ひとりの個人的な思いや価値観が世界を動かす「SNS時代」の現状を丁寧に説明してくれている。
多くのエピソードが盛り込まれているのも、本書の特徴だ。大学院生である能條桃子さんらが三菱商事などに公開質問状を送った事例、ツイッターで巻き起こった「冷凍餃子」論争、トラウデン直美さんの発言とそれに対する批判……。非常に内容が濃く、「ビジネス新時代」について本質的な理解ができること請け合いだ。
ある意味、本書は、現代における「アイデンティティ」を論じた思想書と言えるかもしれない。
読む前と読んだ後では確実に世界の見え方が変わる、多くの方におすすめしたい一冊だ。

本書の要点

・SDGsの目標が広まったのは、SNS的な社会によって誰もが「きれいごと」を言いやすくなったからだ。その結果、市民の声が、投資家や企業を動かすようになっている。
・社会問題に声を上げる「SDGs市民」は、自分の行動や思いをSNSで発信して他の人を巻き込み、社会にうねりを生み出す。
・SDGs時代の消費者たちは、自らが「正しい」と思うものにお金を払う。スーパーで食料品を買う際にも「おいしさ」だけでなく「正しさ」が判断基準となる。



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